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チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

やまと尼寺 精進日記「皐月(さつき) 見て食べて 新緑づくし」

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万葉のふるさと、奈良県桜井市。急な山道を登ること40分の音羽山観音寺に、尼僧たち3人が暮らしている。新緑まぶしい5月は、山菜の最盛期!貴重な山ウドやウコギを、甘酢や酢味噌でさっぱり和え、素材の味を楽しむ。柏ならぬ、山に生えるサンキライの葉で包んだ餅も、この季節・観音寺ならではの味わい。里から届くのは「旬の花々」。生け花名人の住職が、シャクナゲやリキュウバイを華やかに生ける。

やまと尼寺 精進日記「皐月(さつき) 見て食べて 新緑づくし」

放送:2017年5月28日

日曜美術館「ブリューゲルX大友克洋」

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日曜美術館ブリューゲル大友克洋

バベルの塔」を漫画家・大友克洋が語る。16世紀、激動の時代を生きたブリューゲルが絵に込めたメッセージとは?自らバベルの塔の内側を描いた大友が発見したものとは?

16世紀にヨーロッパで活躍したピーテル・ブリューゲルの代表作「バベルの塔」。60cm×75cmの1枚に1400人が緻密に描き込まれている。激動の時代を生き抜いたブリューゲルが絵に込めたメッセージとは何だったのか。緻密でどこか不気味なブリューゲルの作品世界に大きな影響を受け、自らもバベルの塔の内部を描いた作品を制作した漫画家・大友克洋をスタジオに招き、存分に話を聞く。

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【ゲスト】漫画家…大友克洋,【司会】井浦新,高橋美鈴

放送日

2017年5月28日

 

取材先など 

www.asahi.com

aerith.xyz

blog.kenfru.xyz

 

 

放送記録

av98ingram.wpblog.jp

 

書籍 

ブリューゲルの世界 (とんぼの本)

ブリューゲルの世界 (とんぼの本)

 
芸術新潮 2017年 05 月号

芸術新潮 2017年 05 月号

 
ブリューゲルへの招待

ブリューゲルへの招待

 

 

展覧会

babel2017.jp

 

日曜美術館アートシーン5月21日

 

 

*前説*

1.横尾忠則 HANGA JUNGLE(町田市立国際版画美術館)

*写真*

 

会期:2017年4月22日~6月18日

縦横無尽な創作を続けるアーティスト・横尾忠則(1936年生まれ)は、1960年代から今日まで「HANGA」の制作に積極的に取り組んできました。本展は、「版画」の枠を超えた横尾の作品群を「HANGA」と称し、横尾の創作活動の全貌に迫ることを狙いとしています。様々な生命が共生するジャングルのように、約250点の多種多様なHANGAで展示室を埋め尽くします。直感や衝動を原動力とする横尾の創作姿勢の今日的意義と、現代版画の未来を探る大回顧展です。

hanga-museum.jp

 

2.日タイ修好130周年記念 特別展 タイ~仏の国の輝き~(九州国立博物館

*写真*

 

会期:2017年4月11日~6月4日

*コメント*

3.岡崎乾二郎の認識 ー 抽象の力 ー 現実(concrete)展開する、抽象芸術の系譜(豊田市美術館

*写真*

 

会期:2017年4月22日~6月11日

*コメント*

4.―色絵磁器の最高峰―今右衛門の色鍋島(山口県立萩美術館・浦上記念館)

*写真*

 

会期:2017年4月29日~6月25日

*コメント*

 

5.中村彝生誕130年記念 芸術家たちの絆展(中村屋サロン美術館)

*写真*

 

会期:2017年3月18日~6月4日

彫刻家 荻原守衛(碌山)亡き後の中村屋サロンの中心人物であった洋画家 中村彝の生誕130年を記念して、彝と彼の37年という短い生涯の中、友情で結ばれた芸術家たちの油彩画、素描、彫刻、書簡類など約50点をご紹介します。
彝の力強い作風と人望から、彼の周りには多くの芸術家が集まり、「絆」が生まれました。その作品と交友関係をお楽しみください。

www.nakamuraya.co.jp


 

6.戸嶋靖昌の見たスペイン 展(セルバンテス文化センター東京)

*写真*

 

会期:2017年5月12日~6月10日

スペインに渡り約30年間、その風土と人びとを見つめ描き続けた魂の画家・戸嶋 靖昌の展覧会。

tokio.cervantes.es


 

「人のやらないことをやる!~版画家・一原有徳の挑戦~」日曜美術館

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誰も見たことがない版画を作ってみたい。そう願った男がいました。市立小樽美術館。ここに彼の作品の多くが収蔵されています。

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他に類を見ない独自の世界。

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自らの創作を実験と称し、あらゆるものを版画の素材としてきました。

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男の名は一原有徳。版画家としてデビューしたのは50歳。
そこから一原の実験は一気に加速して行きます。

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未知の版画を求めてときには薬剤で版を溶かし、時には熱を使って版を作り、やがてそれまでの版画の概念を超える作品を作り出します。
その独自の作風は世界でも高い評価を得ることとなりました。
自分にしか作れない版画とは。
問い続け作り続けた版画家に迫ります。

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「人のやらないことをやる!~版画家・一原有徳の挑戦~」

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一原が住んでいた北海道小樽市。街の中心部に一原の作品を数多く所蔵する市立小樽美術館があります。

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もともと郵便為替や年金などを扱う郵政省貯金局の建物。

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一原はここの職員でした。貧しい家庭に育った一原は、13歳から働き始めます。一原が美術と出会ったのは41歳のとき。職場の先輩から油絵サークルに誘われたことがきっかけでした。

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先輩が譲ってくれた絵の具で油絵を描く始めた一原。

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やがて一原の絵は非現実的な表現を見せるようになります。
油絵を描こうとしていたある日。転機となる出来事が起こります。

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一原がパレット代わりにしていたのは貯金局で戦前まで印刷用に使われていた石版です。
いつものようにペインティングナイフで絵の具を練っていた一原。

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ふとパレットの上に現れた模様に目が止まります。

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思わず近くにあった紙に擦りとってみます。そこに広がっていた今まで見たこともない世界。ここから一原は版画にのめり込んでいきます。

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一原が出会ったのは世界でも珍しい”モノタイプ”という技法です。

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札幌市の版画家・上田正臣さんに再現してもらいました。
使うのは石版です。

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まず版に薄くインクを塗ります。
次に取り出したのはヘラ。

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石版にヘラを当て、インクをこすり取るとその軌跡が文様となります。
使うヘラによって生まれる模様も変わります。

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小さいヘラだとより細かく躍動的な表現になります。
上田さんは考えて描くより即興でヘラを動かしたほうが伸びやかな表現になるといいます。不思議な文様が現れました。

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石版の上に紙を載せ擦りとります。紙にかける圧力が強すぎても弱すぎても微妙な模様は写し取れません。
一回刷るとインクは殆ど残らないため、同じ作品は二度と生まれません。

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一回きりの勝負。その魅力に一原は惹かれて行きました。
「絵の具を練っていくと、絵の具の感触だったり、ヘラの反発力だったりとかがだんだん馴染んでくる。自分が馴染んでくる。そうすると無意識というか、あまり何かを描こうという糸なく動かしてみたくなる感じがします。そうしたことが面白く感じて一原先生はつくっておられたのかという気がします」

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自分でも意図しない文様を写し取れる面白さ。モノタイプは一原が求めていた技法だったのです。版画家一原有徳を育んだ場所が美術館の地下に残されています。

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この建物が貯金局だった頃、ここには使われなくなったプレス機や石版が置かれていました。ここにこもり、モノタイプの可能性を確かめるかのように一原は実験を重ねます。

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その実験の記録が残されていました。
一原と長く親交があったアートディレクターの北川フラムさんです。

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石のメモ。石版から生まれた文様の記録帳です。
「1957年11月と書いてあって。いろいろな新発見があるわけです。

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これは僕から見れば木の年輪のように見えます。

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これは灰皿かもしれませんが、いろいろ組み合わせると面白いものができる。実験していって、こういうことができたよと、自分の覚えとしてやっていくんだと思います」
試行錯誤の数々。その数はおよそ一万点にも及びます。
実験を重ねること2年。自分の版画はどう受け止められるのか。
1958年。一原は作品を東京の展覧会に出品。その評価を世に問いました。
作品を見て衝撃を受けた人がいます。当時神奈川近代美術館の館長を務めていた土方定一です。
石版画でありながらまったく異質な鉄屑や鉄管や機械の映像に転化してしまった。この一原さんの軌跡の画面に僕は驚いてしまう。
孤独な歌のような世界の独自さは、僕をいつも喜ばせてくれる。
土方は即座に海外での巡回展に推薦。ローマ、ウィーン、メキシコ。一原は棟方志功らとともに日本を代表する版画家として紹介されたのです。このとき50歳。
やがて作風にも変化が訪れます。これまでの硬い印象から柔らかなものへ。
曲線の表現が高く評価された作品「RONA」
表面の摩擦が石より少ない金属の板を使い、ヘラをより滑らかに動かせるようになりました。さらにヘラの先端を丸く削ったことで、生き物のような文様が生まれました。
こちらは幾重にも直線が重なる作品。
それぞれの線に現れたグラデーションが一体感を生み、それが折り重なることで画面に深い奥行きが生まれています。
自由な創作を続ける一原。しかし同じ技法を使う限りやがて限界がやってきます。
石版モノタイプの技法を見つけたスタートの作品であるが、思いみるに、このフォルムのタイムトンネル風の中にいまだに右往左往しているような気がしてならない。

ST

茂木健一郎
「おそらく、やり続けているうちに道具が体と一体化して、脳の中でもそれが一つのものとして再現されて、時間が立つのを忘れる。道具が体と一体化するところが大事なところで、そこまでいくと楽しくてやめられなくなってしまうのではないですか」
「チクセント・ミハイ(アメリカの心理学者 1934~)が言ったフロー状態です。心理学の。時間の経過を忘れてしまう。やっている事自体が喜びになる。この版画が美術界でどう評価されようが関係ない。今が一番楽しいという状態になったとき作品のクオリティも良くなるということなのではないですか」

注:「フロー」とは,アメリカの心理学者M.チクセントミハイによって提唱された概念です。チクセントミハイは,行動や活動それ自体を楽しむことにエネルギーを費やしている人々を数多くインタビューして研究を重ね,それらの人々にはある特別な状態が共通していることを発見しました。それは,「集中が焦点を結び,散漫さは消失し,時の経過と自我の感覚を失う。行動をコントロールできているという感覚を得,世界に全面的に一体化していると感じる」状態で,彼らがこの状態を「よどみなく自然に流れる水」にたとえて描写することにちなみ「フロー(Flow)」と名付けました。
 この状態は,行為に注意が強く集中しているので,その行為以外のことを考えたり,あれこれ悩んだり,雑念を持ったりすることはなく,また,自分がうまくできるか,自分がどう見られているかなどの自意識を持つ余地を与えず,時間は瞬く間に過ぎるように感じられます。そして,このような体験を享受したいがために,困難や危険を伴うとしても,利害を計算することなく,自らその行動を求めていきます。http://www.kantokushi.or.jp/lsp/no668/668_02.html

「偶然の出会いをセレンディピティといいますが、脳科学セレンディピティを活かすためには2つ条件がいると言われていて、まず気づくことなんです。そういうものがあるということを気づく。気づいたらそれを受け入れる。この2つが難しいのでみな偶然の幸運を活かせない。一原さんの場合は気づけたのです。それを自分の美術の表現として受け入れることができた。そこが一つの重要な転機だったのではないですか」


市立小樽美術館の一角には、一原が”実験工場”と呼んでいたアトリエを再現した場所があります。壁にはチェーンなどの工具。一原にとってはこれも版画の材料になります。
様々なモノの形を写し取った版画のコラージュ作品。丸いのこぎり。パッキンとスルメイカ。さらにトカゲの皮まで。石や金属の板にインクを塗り、文様を描く。そんな版画の原点にさえ一原は疑問をいだきました。版画の版とはいったい何なのか。版というものをもっと自由に考えることで、一原は新たな地平を目指したのです。
道具も版画に使われていなかったものを試しました。こちらは電気ドリルやヤスリで金属の板を傷つけて作った作品。誰も見たことがない版画を作る。そのために技法も道具もほかの版画家が使ったことがないものを探し求めたのです。

さらに一原は作品のイメージを一切持たずに創作に望みました。他の作家の模倣になってしまうのを嫌ったからです。

山根基世アナ「今から作品を作ろうとするとき、どういうイメージでつくろうというのは・・・」
一原有徳「殆ど無いです。ただやっているだけの話。(その時どういう作品にするかという計算は)ないです。どんな風景になろうが手の動くままで。あまりイメージを持たないことにしているのです。(それはどうしてなんですか)イメージを持ったら必ず先人の後を追うことがあるだろうと。あまりものを知らないから、ものを知らないものがやったら必ず先人の良い物の記憶が出てくる」
イメージなしに版画を作ることは可能なのか。やがて一原は過激なまでに版画の概念を変えていきます。
一原が新たに挑んだのが金属の板を腐食させる方法です。

手を使いヘラで文様を描く方法ではどうしてもイメージが入ってしまいます。その過程を薬品にやらせることでより自らの理想に近づけると考えたのです。
当時の様子です。
金属の板に腐食液をかけて溶かします。さらにバーナーの熱を当てて化学反応を促します。
作家の意図から版画を解き放つ。一原の実験。
「RIW59」画面に拡がる斑点は苛性ソーダの粒を当てて腐食させたものです。金属が溶ける様子をそのまま写し取った文様は画壇でも高い評価を受けます。
しかし、一原は満足できませんでした。
腐食液の種類や濃度に作家の意図が入るからです。
そので目をつけたのが錆。
役目を終え自然に朽ちていく金属に刻まれたものを版画にしようというのです。
これなら作家の意図やイメージが作品に反映されることはないはずです。
はたしてどのような版画になるのか。
版画家・池田良二さんです。一原の錆を使った版画に感心を持ち、自分でも自然の錆を版として使っています。そこには意外な表現が眠っているといいます。
「普通の人にはなんの価値もないものです。コンマ何ミリのデコボコが、すられたことで大自然の一部のようにみえるでしょ。新しい表現を見つけようというか。何すに出会いたかったのであろう。自然の中に長い間委ねられたものを自分の手によって刷ることで新しい表現になる。出会いとなる。そういうものに期待したのではないか」

こちらは工事現場から拾ってきた鉄板を吸ったと言われる作品です。

北海道で屋根として使われることが多いトタン板を吸った作品。

廃屋の外壁を刷った作品。建築資材が貼られていた跡が文様として現れています。

ST

版画とは何か。自由に発想し実験を続ける一原はついにインクとも決別します。使ったのはネジや釘などの金属。
こうした金属を焼印のように用い版画にしたのです。
実際に一原が使った道具で再現してみます。
金属を真っ赤になるまで加熱。この熱エネルギーをそのまま紙に写し取るのです。

あたかも羽のように見える熱の痕跡。元の形からは想像もつかない作品が生まれます。

ほとばしり出るエネルギー。目に見えないものが紙に刻印される驚き。一原はこれを「熱版」と予備、一連の作品を世に問うていきます。
技術は技術で大事だけれどそれに囚われちゃいけない。技術とその人の中身がスパークして初めていい作品が生まれます。
新しい版画との出会いを追い続けた一原がたどり着いた「熱版」。
次々と押される熱の刻印に一原の興奮が伝わってきます。
熱版は当時の画壇に驚きを持って迎えられます。
作品には一原自身のエネルギーが刻まれていると評価されました。
未知の版画を探し続ける情熱。
そのわけを問われると、「私も版画も未完成だから」と言いました。
一原は201年に100歳でその障害を閉じます。
誰も見たことがない版画を作りたい。そんな夢を最後まで追い続けました。

日曜美術館「人のやらないことをやる!~版画家・一原有徳の挑戦~」

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日曜美術館「人のやらないことをやる!~版画家・一原有徳の挑戦~」

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水滴なのか、はたまた細胞なのか・・・。まか不思議な模様が広がる画面。それまでの常識にとらわれない斬新な版画を作ったのが"現代版画の奇才"と呼ばれた版画家・一原有徳(いちはらありのり:1910~2010年)です。

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北海道小樽市にある旧郵政省・貯金局で働きながら創作を続けた一原は40代の頃から油絵を描くようになります。ある日パレット代わりに使っていた石版の上に偶然あらわれた絵の具の模様に強く心惹かれました。とっさに紙を乗せて写し取ると、そこには、コレまで観たこともないような独特の世界が広がっていました。

一原は偶然が生み出す表現の虜になります。石版の上にインクを塗りそれを自在にかき回しそして写し取るという「モノタイプ」と言う版画の技法を追求し、やがて世界的に知られる存在となりました。この時すでに50歳。ここから怒濤の創作が始まったのです。

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一原は創作にあたって、作品に何らかのイメージを込める事を極度に嫌いました。それは、既存の意味や表現の模倣になりかねないと思ったからです。さらに新しい世界を求めた一原が目をつけたのが金属の腐食でした。薬剤を使い版を腐食させてできた模様を求め実験を繰り返します。貯金局の地下にあった作業場は”実験工場”となりました。自然にできた金属のサビさえも版画の素材として取り込むなど、常に新しい技法を追い続ける事で自らの理想へと突き進みました。一原は100歳で亡くなるまで旺盛な探究心を持ち続けた"美の探検家"だったのです。 

「果たして、イメージを完全に排除した作品は可能なのか?」番組では一原の生涯をかけた実験を追います。

【出演】茂木健一郎,世田谷区美術館長…酒井忠康,【司会】井浦新,高橋美鈴

放送日

2017年5月21日

取材先など 

blog.kenfru.xyz

 

 

放送記録

av98ingram.wpblog.jp

 

書籍 

ICHIHARA―一原有徳作品集

ICHIHARA―一原有徳作品集

 
クライン・ブルーの石―一原有徳「山行小説集」

クライン・ブルーの石―一原有徳「山行小説集」

 
一原有徳物語

一原有徳物語

 
脈・脈・脈―山に逢い、人に逢う旅 (PQ books)

脈・脈・脈―山に逢い、人に逢う旅 (PQ books)

 
小さな頂 (1974年)

小さな頂 (1974年)

 

 

美術館・展覧会

otarubij-kyoryoku.com

 

終焉の画家・ベクシンスキーの画集が発売

カルト、ホラー、ダークファンタジー系のマンガ家さんたちが参考にされている画家います。

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ポーランドの画家、写真家、芸術家、ズジスワフ・べクシンスキ(1929~2005)は死、絶望、破損、廃退、廃墟、終焉などをモチーフに扱い、不気味さや残酷さと同時に荘厳な美しさを感じさせる画風が特徴の画家です。

べクシンスキの画集『べクシンスキ作品集成 III』が発売開始されました。

http://spice.eplus.jp/images/mvuSurA8sGCOWSHp42xNnlsIkUp8NOuAjH1NPgmfaItw4vFDwsR5x8hgNv2wWuS8/

アマゾンや楽天でも掲載がなく、メルカリでもSOLDOUT表示ばかりです。

spice.eplus.jp

vvstore.jp

 

くまおり純さんの初画集が刊行

くまおり純さんは森見登美彦ペンギン・ハイウェイ』といった書籍の装画を中心に活動している京都出身のイラストレーターです。愛犬「はっちゃん」を描いたクロッキー画が印象的です。

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しっぽを追いかけすぎてドーナツになった犬

くまおりさんはNHKで放送中のアニメ「アトム ザ・ビギニング」ではオープニングアニメーションの美術監督も務めています。

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彼にとって初の画集「ILLUSTRATION MAKING & VISUAL BOOK くまおり純」が、5月15日に刊行されました。

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くまおり純 作品一覧 | Hidari Zingaro