チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

人間の業の肯定

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晦日によく演じられる古典落語の名作「芝浜」は、大酒飲みで怠け者の主人公、魚屋の勝が大金の入った財布を拾う場面から波乱のドラマが幕を開けます。どんちゃん騒ぎの翌朝、女房は亭主の夢だと言って突き放します。女房の話を信じた勝は襟を正して商売に励むという物語。大晦日、女房は3年前についた嘘を涙ながらに詫び、酒を断って夢中に働いてきた勝が一杯飲もうというところがサゲになります。主人公・勝の心情、女房の心のゆれ、そして二人の未来と、いろいろ感じさせられる噺です。

 

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三遊亭圓朝作の「芝浜」は桂三木助によって完成されたといわれています。自らの十八番として解釈し直したのが故・立川談志です。「落語とは人間の業の肯定である」とは胸を揺さぶる言葉です。談春の弟子、立川談笑が「現在落語論」(談志は25年前に「現代落語論」という著作を上梓しています)は、落語の世界を広げてくれる本です。

 

よそう。また、夢になるといけねえ。