チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

死んだ先には何もありません。

f:id:tanazashi:20160302161647j:plain

 

2012年4月、自宅で倒れ一時は心停止まで陥った漫画家・村上竹尾さんの闘病ルポ「死んで生き返りましたれぽ」です。最初、子どもの描いた絵のように稚拙な紙面を見て唖然としました。重篤な症状の中で認知した記録だとわかったとたんに膝が震えだしました。最低限の情報しか描けないことは、ものを伝える強力な力になります。ものの見え方がおかしくなり、自分自身の精神や感情まで壊れていく様が淡々と描かれています。作品は生きることの意味を問いかけます。担当医や看護師さんたちの言葉に救われます。

 

f:id:tanazashi:20160302161922j:plain

村上竹尾

「村上竹尾」のプロフィール [pixiv]

テクニックより作家のパッションがマンガを面白くする!『死んで生き返りましたれぽ』

未だに人とは馴染めないことがあります。人と関わることそのものがとてもつらいと思うこともよくあります。とてつもなく面倒で億劫で、やっぱり自分の本質はそういう部分なんだと思うこともあります。そういうとき、自分が死んだときのことを思い出します。ICUで目を覚まし、自分が誰かもわからない、あのぐちゃぐちゃの世界は、自分の死のかたちそのものでした。もうあんな死に方はしたくないです。死ぬのは寂しくて怖いです。死んだ先には何もありません。それを思い出すことが出来る今があって、よかったと思っています。