チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

体験が価値になる

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「モノよりも体験にお金を使いたい」という声を耳にします。勤務先でも「若者がクルマを買わなくなった」とか「持ち家志向が弱まった」など、販売や貸し付けの担当者は業績の伸び悩みを嘆きます。一昔前のコピーではありませんが「モノからコト」へ確実に重心が移動していると感じます。

ある本によると、「プロダクト」とは「基本的に購入する時点でその内容と価値が決定している。利用を始めてからもユーザーにとってその価値が変わらないか下がる」。これに対して「サービス」とは「基本的に購入する時点でその内容と価値が決定していない。利用を始めてからユーザーにとってその価値が上がる」といいます。

ものは世の中にあふれているのだから、所有にはこだわらず、自分にとって役にたつものを利用する(所有にはこだわらない)というのは必然なのかもしれません。

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たいへんなのはサービスの送り手です。モノを作って売れば終わりというのは昔の話。売った後のユーザーの受益感をどう維持し高めていくかが喫緊の課題となっています。ここで重要なのが、プロダクトを上手にサービスに変換してビジネス的な価値を生み出すという「サービスデザインの役割」です。

サンフランシスコに拠点を持つビートラックス社のCEO Brandon K. Hill 氏はデザインシフトをこのように提案しています。

 

1. 会社全体がデザイン的感覚を身につける

デザイン的考えやプロセスを社内全体に浸透させる為にはまずはリーダーとなる経営層がそれにコミットする必要がある。たとえば、ビジネスモデルが老朽化していたシリコンバレーの老舗会計ソフトウェア会社、Intuitを蘇らせたのはCEOが社内全体に要求したデザイン思考プロセスの定着でした

2. ユーザーに一貫したエクスペリエンスを提供する

プロダクトやサービスを企画する際に、もっとも初めにやるべき事は一貫したユーザー体験 (UX) のデザインである。技術面や会社の哲学、社内の政治はまずは置いておいて、ユーザーメリットを最大限に引き出すようなUXデザインがビジネスの成長においては不可欠となります。

3. テクノロジーではなく顧客視点でサービスを考える

日本企業はテクノロジーに偏りがちです。しかし、ユーザーからしてみればカタログに掲載されているスペックなど、ハンバーガーの横のポテトほどの価値もありません。エンジニアのエゴのようなものはまずは忘れて顧客が心地よいと思えるサービス設計を行うことです。ここでもサービスデザインがキーとなります。

購入した時点で達成されてしまう満足感をとるのか、所有にはこだわらず、使うことから得られる満足感をとるのか、CMのコピーは消費者と作り手の両者に響くメッセージを届けてくれます。

 「モノより思い出。」2004(平成16)年4月8日~日産セレナのCMコピー