チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

自分の人生は、自分で幸せにするしかない

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デビュー作「君の脾臓を食べたい」が35万部を突破するベストセラーとなった作家・住野よる*1さんが第二作に込めた思いです。

「また、同じ夢を見ていた」は友達のいない少女、リストカットを繰り返す女子高生、アバズレと罵られる女、一人静かに余生を送る老婆。三人の登場人物を中心に、「やり直したい」ことがある、“今"がうまくいかない全ての人たちに送る物語です。

「うわぁ! ラーメンの匂いがする!」
「それは流石に気のせいじゃない?」
「絶対するよ! 鼻腐ってんじゃない?」
「君みたいに脳じゃなくてよかったよ」
「腐っているのは膵臓ですぅ」
「その必殺技、卑怯だから禁止にしよう。不公平だ」(『君の膵臓をたべたい』)


テンポよく進む物語と思わずニヤリとしてしまう会話のキャッチボールが同世代の若者たちを中心に共感を呼んでいます。今作は、主人公たちの会話と関係性に「自分の人生は、自分で幸せにするしかない」という意味を込めて創作したのだといいます。

 

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「人と人とが完全に理解し合うことなんてない」と知ることは、とても重要なことではないでしょうか。人を意図的に傷つけて、それを楽しむような人間は論外として、他人も自分と同じように考えるはずだという勘違いをやめて、この人ならどう考えどう感じるんだろうという思考を常に持つことが、幸せにつながる他者との関係を築いていくんだと思います。

「小説投稿サイト」という世界で生まれ、読者に評価された作家が世に出るという流れは、新たな可能性を感じさせます。今年度の本屋大賞の行方も含めてかなり気になる存在です。

*1:大阪府在住。「君の脾臓を食べたい」を小説投稿サイトに投稿したところ反響を呼び、同作を改稿して書籍化した。