チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

日常の生活の大切さに寄り添う

朝の連続テレビ小説に期待する

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4月から始まった連続テレビ小説の主人公は雑誌「暮らしの手帖」のの創業者である大橋鎭子(おおはししずこ)氏*1です。当初は失敗や頓挫を繰り返しますが、天才編集者・花森安治との出会いもあり、やがて雑誌は戦後を生きる女性たちの「生活の道しるべ」になっていく物語です。

 

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鋭い言論と反骨精神、徹底した美意識に基づいた花森安治氏の誌面づくりは、「暮しの手帖」の思想の根底を支えました。

花森は、大橋に、こういう意味のことを言っています。

こんどの戦争に、だれもかもが、なだれをうって突っこんでしまったのは、ひとりひとりが、自分の暮らしを 大切にしていなかったからだと思う。人は暮らしの中身がまずしいと、投げやりになり、いっちょやれ!と、 おおきいことをやりたくなる。そうやって、戦争になだれ込んでしまった。もしみんなに、あったかい家庭が あれば、戦争にならなかったと思う。そういう家庭をつくるためには、女の人がだいじだ。

家庭や女の人に焦点を当てたものの見方は、ネットの生活になじんだ便利な時代から見ると、やや懐古趣味的に見えるかもしれません。しかし、毎日の暮らしを大切にし、しっかりした眼で、手を使ってものを作るという感覚は生きていく上での基本だと思います。「暮しへの眼」と「努力する手」を大切にする主人公たちの仕事ぶりは、私たちが忘れかけていた何かを取り戻す手がかりになりそうです。

*1:小学5年生の時に父を肺結核で亡くし、東京府立第六高等女学校を卒業後、日本興業銀行に三年勤めています。その後日本女子大学に入学するものの肺結核となり一年で学業を断念。静養の後、日本読書新聞に入社し、編集部に所属します。この日本読書新聞にて、長きに渡る仕事のパートナーとなる花森安治氏と出会い、後に共に「暮しの手帖」を創刊することになります。