チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

暮らしと結びついた美しさが本当の美しさだ

すぐには役に立たないように見えても やがて こころの底ふかく沈んで いつか あなたの暮し方を変えてしまう そんなふうなこれは あなたの暮しの手帖です。

 

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朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」は、雑誌「暮らしの手帖」の編集者であった大橋鎭子氏の半生をモデルにしたドラマです。「暮らしの手帖」の編集方針は今も創刊当時のままです。松浦弥太郎は『暮しの手帖日記』の中で雑誌のコンセプトをこう述べています。

私はこれからの時代で、暮らしをゆたかにするもの、美しくするものは、目に見えない、日々の心持ちであっ たり、ささやかなやさしさであったり、ていねいに行う仕事であったり、人を深く思いやる気持ちや、愛し合 うという名の分かち合いだと思いました。昔の人が安居の習慣を大切にしたように、すこやかな気持ちで自分 の暮らしを省みて、そこで学んだこと、知ったこと、感じたことで、心を新しくしていくことが、これからの 暮らしをゆたかに美しく育むことであろうと思いました。

雑誌作りの現場では常に読者の生活が気になるといいます。消費者である生活者を見続けるうちに、自ずと気になる現実も見えてくるからです。夫婦共働きの家庭の増加や晩婚化、少子化などが話題になる中で、その現実に対する共感は私たちが社会を営む上で欠かすことのできないものです。

私たちが読者の皆様に約束できるのは、嘘をつかないということです。売ることを考えて、見栄えを気にして わざと明るくしたり、あるものを無いようにしたり、よいことばかりを書いたりは決してしません。

言うは安く行うは難い雑誌作りを60年以上続けてきたこと自体に、実は大きな意味があると思います。

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日々の仕事と暮らしの中から、ひとしずくでも知恵をすくいとり、役に立ち、おもしろく、うつくしいと思え る記事を仕立てること。こんなご時世ですから、少しでも穏やかな暮らしと健康を叶えられる雑誌になるよう に一句一句を編んでいきたい。しあわせを分かち合うことを胸に刻み、新しい一歩を踏み出します。広告で商売をしない私たちにとって、スポンサーは読者の皆様方だけなのです。 私たちの『暮しの手帖』は、まさに、「新しいあたりまえ」と、表紙のどこかに小さく書いてもいいくらいで す。雑誌であるがゆえ、新しくなくては価値がありません。では、何が新しいのでしょうか。それは、暮らし や仕事の中にある、私たちの夢や希望です。

暮らしの中にある、あたりまえのことを深く学んで、もっと大切にする。つくり続けること、届け続けることの重みを感じさせられる雑誌の一つです。

 

花森安治の仕事 [ 酒井寛 ]

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