チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

壁とボール

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映画というのは、その映画を見る人の知性と教養の総和に見合った、興奮と感動しか与えられない仕組みになっている。そういう意味で、映画とは観客の想いを受け止める「壁」のようなものだ、と僕は思っている。(「これが僕の回答である」押井守

 

映画監督の押井守氏は「映画は自分のイメージをたたきつけるためにつくるものではない」といいます。自分のカネで作るならいざしらず、不特定多数の人に対して興業しなくてはならないのが商業映画の世界です。ですから、需要と供給のバランスを見ながら仕事を受注し、不特定多数の観客から投げかけられるボールのような想いを受け止め、「興奮」や「感動」といった手応えを跳ね返す「壁」ょつくることが大切だというのです。監督は、作り手の「主張」らしきものを込めるとするなら、壁に「私の主張」を文字で書くのではなく、跳ね返り具合を決める微妙な凹凸を作るという「技術」により果たすべきだといいます。

 

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ボールを投げるのはあくまで観客の側であり、つくり手はそれをはじき返しているに過ぎない。