チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

どうかされましたか?死んだんですか?

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「どうかされましたか?死んだんですか?」


今日はもう帰ろうか。ありがとうね。」とディレクターに言われてしまう。
子供みたいな大人に育って何者にもなれない女の子が「子供みたいな大人」という個性を見出され必要とされて居場所を獲得するお話が、黒柳徹子の自伝的ドラマ「トットてれび」です。

 

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上手く出来なくてスタジオ追い出されても、次回にはきちんと現場に来てる。オーディション落ちたと思っても最後にご挨拶して退出しようとする、
「人と違う頓狂さ」という発達障害に悩む若き黒柳徹子を演技派満島ひかりが演じています。このドラマでいちばん素敵なところは、”変わっている”と言われている主人公をまわの大人たちが優しく見守っていることだと思います。

 

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「どこも変じゃありません。あなたのそのまんまがいいんです。直すんじゃありませんよ」つまり、自分とは違う他者のことを決めつけない、傷つけない、排除しないということです。
ドラマは直接語りませんが、いまの世の中に漂う"空気"の違和感をにじませています。個人の自由や幸福は、他者によってもたらされるものであり、他者によって実現する。それが公共というものの定義とするならば、「公共放送が本気を爆発させてくると抜群にキレッキレで最高にお洒落なものが仕上がってくる」とモニター評が寄せられているのも頷けます。
テレビが失いつつある「創ることの喜び」が、画面全体から溢れています。

 

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脚本は中園みほ 1959年東京生まれの脚本家。2007年にはドラマ『ハケンの品格』の脚本で放送文化基金賞を、2008年には日本女性放送者懇談会の「放送ウーマン賞2007」、橋田壽賀子賞作品賞をそれぞれ受賞した。「取材力の中園ミホ」と称されるように、マーケティングリサーチが得意な書き手の1人です。