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生と死にまつわる金言集

「今日が人生最後」だと思ったときにようやくわかる、自分の一番大切なもの。それこそが、健康なときにも、死を目前に控えたときにも、人生や心を支えてくれる。

 

「今日が人生最後の日だと思って生きなさい」小澤竹俊 著(アスコムを読むと、自分が平穏無事に生きていることのありがたさを感じると同時に、「自分の支えとなってくれている存在」に気づかされます。

 

著者は20年以上にわたり横浜市にあるホスピス(緩和ケア施設)で、在宅を中心に緩和ケアや看取りなどの終末期医療に従事してきた医師です。昨年看取られた方は200人以上になるといいます。

担当編集者の栗田亘氏は「『どうすれば人は穏やかに生きられるか』というテーマに向き合い続けている先生の感覚を、死を身近に感じている人はもちろん、普通に生きている人たちにまでどう届けるか」という意識で出版したかった」と語っています。

 

 

苦しんでいる人は「わかってくれる」と思う人にだけ苦しみを伝える。

 

「つらい」「つらいのですね」と、ただただ、相手の言葉をていねいに反復して肯定も否定もしない。すると相手は「わかってもらえた」と感じ、気持ちが落ちつく。 

 

誰かに看取られて、この世を去れるなら、それ以上の幸せはない。

 

他人との比較で自分をはかる「比較の価値」は、死を目前にすると全く意味を持たない。 いくら財産や地位や才能があっても死は逃れられないし、それらは心穏やかな最期に役立たない。

 

「緩和ケア」は「解決が困難な苦しみを持ちながら、人が今を生きるための援助」であると、小澤医師はとらえています。つまり、死ぬためではなく、今を生きるために、どうやって苦しみや悲しみと向き合うかというのが援助の持つ意味だというのです。

高齢化社会である日本は早晩、人の死が多発する「多死社会」になり、よりいっそう「死」は私たちに近い存在になります。

「終末期医療への理解者が増えれば救われる人がたくさんいます。その目的を達成しようとする先生の使命感はすごい。本書の言葉はそこに支えられているのではないでしょうか」(共同担当編集者の小林英史さん)

苦しみの現場に立ち会い、体験からにじみ出てきた言葉だけが持つ説得力を感じる本です。


 

*「今日が人生最後」だと思ったときにようやくわかる、自分の一番大切なもの。
 それこそが、健康なときにも、死を目前に控えたときにも、人生や心を支えてくれる。