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チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

仕事の流儀「人生で大事なものは、ここにある」

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障がいの有無や発育の差にかかわらず、さまざまな子どもたちを一緒に育てる「インクルーシブ保育」。その第一人者として活動を続ける保育士・野島千恵子さん(63)のことばです。 

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プロフェッショナル仕事の流儀「人生で大事なものは、ここにある」保育士・野島千恵子(NHK総合)は彼女の仕事に密着したドキュメンタリーです。

 

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大阪市淡路にある保育所「聖愛園」。野島千恵子さんはこの園の園長を努めるかたわら子どもたちと向き合う日々を過ごしています。

幼保連携型認定こども園 聖愛園のホームページです

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チェリーボンボン。子どもたちは野島さんのことをそう呼びます。野島さんは活発に動き回る子どもたちに負けじと子どもに接します。

ここでは年齢も能力も違う子どもたちを同じグループに入れて次々と課題を投げかけていきます。成長に差がある子どもたちが一緒に行動することは、トラブルも招きやすい保育方法です。保育にはトラブルがつきものです。しかし野島さんは、このトラブルこそ成長のチャンスと捉え、子どもたちの考えを巧みに引き出しながら、自分たちの力で解決できるよう導いていきます。 

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この園で障害児共同保育がはじまったのは今から40年前のことでした。

園の記録によると、自閉症児を抱えた母親が当時のあわじ聖愛園の扉を叩きました。ところが障害児童の専門知識がなかったことから園はその受け入れを断りました。「教会にある幼稚園が子供を入れられないのはなぜか」という問いかけがきっかけになったのです。 

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保護者からの敏感な反応、こども同士のさまざまなトラブル。次から次に生まれるさまざまな難題を乗り越え保育園は子どもたちを受け入れ続けました。

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違うものが同じグループに存在するということは、それだけで問題を招きやすい。そのトラブルこそが子どもたちを育てるチャンスなのです。

保育スタッフの仕事はケガをしないように見守ること。子どもたちのことは子どもに任せておけばいい。自分たちの摩擦は自分たちで解決する。子ども同士のトラブルは静かに見守りながら子どもたちが自分で解決方法を見つけ出すまで待ちます。

障害者に近い人も、障害者と離れて生活をしている人も、「発達」とは「人としてどうあるべきか」の実践ではないかと。

 

 

番組を見ていると、子ども同士の会話の中に私たち自身の姿が見えるような気がします。それは、社会的な弱者やマイノリティに対する寛容さが日本社会から失われつつあルカらなのかもしれません。また、海外でも英国の欧州離脱をめぐる動きやフロリダの銃乱射の事件など社会全体が内向きな流れを見せています。ドキュメンタリーは、異質なものを取り込む社会の大切さをわたしたちに語りかけます。

 

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「さまざまに違いをもつ人たちとともに生きていくしなやかな心と強い力を持つことができ、未知で困難の多い社会の中で幸せで、より豊かな人生を送っていけるように、子育てを通して子どもも大人もお互いが育っていける、そういう雰囲気をもったこども園を作りたいと願っています」西島さんの取り組みに励まされます。

ディレクター 田邊裕也

プロデューサー 末次 徹

制作統括 本間 武

 

 

 

インクルーシブ保育について

「障害児保育の理論と実践」 

障害児保育の理論と実践―インクルーシブ保育の実現に向けて

障害児保育の理論と実践―インクルーシブ保育の実現に向けて

 

「インクルーシブ保育」とは1人の子どもも排除せず、子どもの育ち合いを大切にする保育のことであり、本書は、保育士をはじめとする保育専門職とそれを志す人々が、「インクルーシブ保育」について理解を深めてもらうことを目的として編集されたものである。2008年に改定された「保育所保育指針」を踏まえ、障害児と共に育ち合う実践を創造するためには、どのような点に配慮して取り組む必要があるのかについて中心に解説し、また、保護者等への支援についても言及した内容となっている。

さらに、各章末にテーマに即したコラム・読者のための参考図書を付し、随所にスウェーデンの障害児保育・教育に関するコラムも掲載している。

インクルーシブ 保育の課題について

www.tamagawa.jp