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チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

日本人と「気合い主義」

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インパール作戦*1において部隊を指揮した牟田口廉也の言葉です。

 

皇軍は食う物がなくても戦いをしなければならないのだ。兵器がない、やれ弾丸がない、食う物がないなどは戦いを放棄する理由にならぬ。弾丸がなかったら銃剣があるじゃないか。銃剣がなくなれば、腕でいくんじゃ。腕もなくなったら足で蹴れ。足もやられたら口で噛みついて行け。日本男子には大和魂があるということを忘れちゃいかん。日本は神州である。神々が守って下さる…」。訓示は1時間以上も続いたため、栄養失調で立っていることが出来ない幹部将校たちは次々と倒れた。

作戦期間中、この無能な司令官は、神社に立てこもり水垢離しながら奇声をあげていた由。国家神道は日本軍の反知性主義に格好の隠れ蓑を提供したわけだ。残念ながら牟田口の魂は、現代のブラック企業経営者に忠実に受け継がれている。

精神科医斉藤環氏は「ヤンキー化する日本」(角川書店)の中で、私たち日本人は全員、「気合い主義」の中にどっぷり浸り込んでいると指摘しています。

「撃ちてし止まむ」「一億一心」「進め一億火の玉だ」「一億玉砕」「ドンドン撃つにはグングン貯蓄」・・・戦時スローガンを並べてみると、もはや国家が一億総ヤンキー化を意図していたとしか思えない。東条英機がいみじくも言ったように「気合い」は日本が世界に誇る無限の資源、今風に言えば「エア資源」なのだ。

「気合い」という言葉には、個人を集団主義のほうに引き寄せようとする匿名的な意志が潜んでいると指摘されてみると、ブラック企業を生み出す背景にあるものは決して今に始まったことではないのだと気付かされます。

*1:日本側作戦名:ウ号作戦(ウごうさくせん)1944年(昭和19年)3月に日本陸軍により開始され7月初旬まで継続された、援蒋ルートの遮断を戦略目的としてインド北東部の都市インパール攻略を目指した作戦のこと。補給線を軽視したずさんな作戦により、多くの犠牲を出して歴史的敗北を喫し、無謀な作戦の代名詞として現代でもしばしば引用される