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チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

日曜美術館「美術館への旅・岐阜県美術館」

岐阜県美術館には、北欧を感じさせるゆったりとしたスペースがあります。この空間の広さはほかの美術館ではなかなか見られません。緑に包まれ、水の流れを記記ながら美術を楽しめる憩いの場として親しまれている美術館です。

 

見る者の魂を揺さぶる画家ルドンと岐阜の生んだ作家との出会い

画家・彫刻家 李禹煥*1(リ・ウファン) 

「光の横顔」ルドン 

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この美術館のルドンのコレクションは世界でも有数のものといえるでしょう。ルドンの初期のエッチングの光と闇の表現には、レンブラントの影響が館張られます。「光の横顔」の黒からは闇というものの力強さ、不気味さが伝わってきます。見えるものと見えないものを抱き合わせて表現しているところに、この絵の面白さがあるのです。「現実を素直に描くこと」と「人間の中に潜んでいるものを」中和させるのではなくルドンはぶつけ合わせていきます。その結果としてそこからはみ出してきたものや規定できない要素を表現しようとしています。そこに面白さがあり、現代絵画に通じる要素なのです。目丼は自己完結的できれいすぎ、文学の報に引っ張られている感じがします。そもそも「描く」ということは見るものに評価されることねほかに、自分との闘い、好奇心への挑戦があるので難しい問題が内在しているのです。

 

「作業台~水の設計」小清水漸

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何の変哲もない作業台。静かに水をこの大の上に注ぐと、台はもう一つの表情を見せてくれます。工芸的な要素と可変的な水を絡めることでエスプリに満ちたものになっています。

 

「ヤキバノカエリ」熊谷守一

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おどおどした達者にならない絵は、作家自身が「下手も絵のうち」といっているほどです。しかし、絵からは真摯な空気のようなものが感じられます。熊谷の作風はレンブラントの影響を受けた初期から、フォービズム、表現主義的作風を経て、37年頃から整理された画面に色目と輪郭線だけの構成に移っていきました。

 

「七つの積み木」田中薫(いさお)

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ステンレス。スチールの彫刻です。電動で動きます。動くことが空気の波を生み外部を作品に取り込んでいきます。60年代以降、日本の彫刻には「もの派」などのさまざまな運動が起きました。作品には自然と知性との関わり合いや「間」の関係などを取り込む特徴が出ています。

放送:1989年7月30日 

*1:日本を拠点に世界的に活動している美術家。日本の現代美術の大きな動向である「もの派」を理論的に主導したことで有名である