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チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

TVアニメ「響け!ユーフォ二アム2」が楽しみです

  2016年春アニメ「響けユーフォニアム」の続編の放送が始まりました。原作は武田綾乃、シリーズ演出を山田尚子*1が手がけています。

私の周囲にはアニメ好きの中高年たちがいます。彼らが絶賛する作品です。

学園ものアニメではありますが、年齢性別を問わず心に語りかけてくる何かがあるシリーズです。京都アニメというブランドは安定してますね。

第一期のテーマは、部員の大量退部などが原因で解体寸前の吹奏楽部が見事県大会を突破するまでを描いたものでした。「オレも管楽器を吹いていた」「ユーフォニアムなんて超マイナーな管楽器を主役に据えた視点がニクイ」「ライディーンを演奏するなんてズルい」など、高年齢の視聴者の関心はキャラクターや声優以外の要素に向かいます。自分たちはあれだけ純粋に生きたきたのだろうかと、襟を正して見てしまいました。

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さて、続編の第一話は2話分の時間を使った長編です。吹奏楽部の復活劇のきっかけとなった部員の大量退部のナゾが物語りを引っ張る気配がします。ですから、少しドロドロした所まで闇の中を降りていく展開になりそうですが、そこは「聲の形」で繊細な若者の世界を描ききった山田尚子が演出です。どう描ききるか期待が持てます。

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さて、本作の魅力は音楽が大きな柱であることに変わりはありませんが、脚本も強いメッセージが込められています。ガラス細工のように繊細で、強くつかめば手のひらの中でキラキラ砕けてしまいそうな輝きを感じる会話は、気分を前向きにしてくれる力を感じます。 

「そんなのやめた方が悪い。やめるって事は逃げることだと思う。それが、いやな先輩からか、同級生からか・・・それとも自分からかはわからないけれど・・・とにかく逃げた。

わたしだったら、絶対逃げない。

いやなら、ねじ伏せればいい。

それができないのにやめたって事は、逃げたってことでしょ。

わたしたちも全国に行こうと思っている。特別になると思っているんだから」

f:id:tanazashi:20161007001501p:plain「全国に行ったら特別になれるのかな」

「わからない。でも、それくらいできなけりゃ特別にはなれない」 

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「この時間は永遠ではない。大好きな友達とも、いつか離ればなれになって、どんなに願っても全てのものが瞬く間に過去になっていく。今というこの瞬間を、容器に詰め込んで冷凍保存できればいいのに。そうすれば、怖がる事なんて何もないのに」 

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言葉が物質でできているなら、すくいとって宝箱に入れ、しまっておきたく名台詞です。 

ひとつの指揮のもとでひとつの音楽を奏でられるという吹奏楽の楽しさ - 本屋は燃えているか

 

響けユーフォニアムの魅力は、自分探しの物語というより、他者からの触発を受けた自分が変わることで他者を触発するという構造にあると思います。

dialogue-space.hatenablog.com

*1:京都造形大卒。京都アニメーション所属の演出家代表作に映画「けいおん」、「たまこラブストーリー」「聲の形」