チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

日曜美術館「祭りの水墨画」 阿波踊を描く・傅益瑤

f:id:tanazashi:20161129220742p:plain

傅益瑤さんは、祭りが始まる前から現地を訪れます。それぞれの風土を知ると踊りの魅力をさらに伝えられると考えています。

f:id:tanazashi:20161129220743p:plain

夜。町の至る所で聞こえてくる音。阿波踊りの練習風景です。記念すべき100作目。傅益瑤さんは自ら踊りを覚えようとしていました。

f:id:tanazashi:20161129220745p:plain

訪ねたのは美しい踊りが定評の天水連です。

f:id:tanazashi:20161129220746p:plain

阿波踊りはしなやかで優美な女踊りと、激しい男踊りがあります。

f:id:tanazashi:20161129220747p:plain

どうやら細い指先の優美な動きがカギのようです。傅益瑤さんは2日間練習を繰り返しました。

 

 

阿波踊りの本番。スケッチを始めます。

f:id:tanazashi:20161129215716p:plain

祭りの現場にいるからこそ感じられる踊りの熱気を捉えて行きます。

f:id:tanazashi:20161129215717p:plain

「今描いたものは本番で修正はしなくてはいけないけど、これがあれば現場に戻ってこれる」

f:id:tanazashi:20161129215718p:plain

踊るとき浴衣や帯はどう見えるのか取材します。菅笠はどういう角度でかぶるのか。
最後に、阿波踊りの動きを体にたたき込みます。

f:id:tanazashi:20161129215719p:plain

天水連は徳島を代表する踊り手たちです。実にしなやかで優美な動き。習った手の動きができるように懸命に踊りました。

f:id:tanazashi:20161129215721p:plain

 
全身で感じた強烈な熱気。それをどう描くのか。まずは準備段階です。

f:id:tanazashi:20161129215722p:plain

迷わず筆を運べるようになるため何度でも練習します。指や手の動きを一つ一つ繰り返します。

f:id:tanazashi:20161129215723p:plain

そして踊りの動きを決めて行きます。少しずつ動きの違う絵を並べ、躍動感のある集団を目指します。この準備だけで一ヶ月。完成までまだ二合目です。

f:id:tanazashi:20161129215729p:plain

 

日本に来て37年。傅益瑤さんはいつも父と一緒だと言います。

f:id:tanazashi:20161129215728p:plain

いつも使う硯は父から譲り受けました。石ではなく木製で金を混ぜた漆が塗られています。「父の形見。だから常にそばに置きます」

f:id:tanazashi:20161129215730p:plain

今回「阿波踊り」のために秘蔵の墨を準備しました。父から譲り受けた200年前の墨です。

f:id:tanazashi:20161129215731p:plain

筆は中国で特別にあつらえました。弾力性に富み、先がしっかりしている筆です。阿波踊りの繊細な指の動きを出すのに欠かせません。

f:id:tanazashi:20161129215732p:plain

 


10月、いよいよ本番に取りかかります。

f:id:tanazashi:20161129215734p:plain

「墨は一筆描いたらもうチェンジできない。何回も練習して手が自然に動くなるようにならないと欠けない」水墨画は一度描きだすと失敗は許されません。線一本でも気に入らないと一からすべてやり直しです

f:id:tanazashi:20161129215736p:plain

指のしなやかさ。菅笠の角度。父から受け継いだ素早い筆で踊り手の動きを生み出します。筆の運びには何が大切なのでしょう。

f:id:tanazashi:20161129215735p:plain

「やっぱりリズム。人物の上品さは線の上品さから生まれる。」

今回、自然の風景を一切入れませんでした。

f:id:tanazashi:20161129215740p:plain

踊りの風景を人物だけで描ききるのは日本の祭100作めで初めてのことです。

f:id:tanazashi:20161129215739p:plain

「表情は全部違います。現場では自分も踊ります。踊っている人の顔をすべて覚えることが重要です。絵の主役は腕です。指は芸術として存在している。今までは祭りは自然との関わりがあったが、徳島はちょっと違う。人だけで描いたのは、徳島は大地と空、天地が育てた人間を感じた。彼らは自然のエネルギーを心の中に持っているから自然が描かれていなくても違和感はない」

f:id:tanazashi:20161129215745p:plain

祭りを愛する日本人に見せられて100作まで積み上げてきた傅益瑤さん。踊り手の表情に祭りを描く喜びが重なっています。

f:id:tanazashi:20161129215749p:plain

 

blog.kenfru.xyz