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チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

アートシーン・デトロイト美術館展

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自動車産業で反映を極めたアメリカデトロイト。この町の顔ともいえるデトロイト美術館は19世紀末の設立以来巨大コレクションを築きあげてきました。

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青いドレスをまとい、日傘を差して立つ女性は、モネの妻カミーュ。イーゼルを屋外に持ち出して直接カンヴァスに描くことで太陽の光がはじける瞬間や、強い日差しに揺れ動く空気の効果を伝えています。

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タヒチから一時帰国した1893年に開催した個展が周囲に理解されなかったこの時期、描かれたゴーギャンの表情は心なしか疲れた印象を漂わせています。

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赤味を帯びたオレンジの色ムラのある背景の中に描かれているのは、現実の蝶ではなく、心の中の蝶。蝶はギリシア語で精神を表し、幼虫からさなぎと変転する生命や死、そして復活の象徴です。

 

モネ、ゴーギャン、ルドン。財力や見識を兼ね備えたパトロンたちが優れたコレクションを支え、美術館は発展していきます。その名作の数々が来日しました。

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二十世紀初頭、デトロイト美術館はアメリカで初めて二人の巨匠の絵を手に入れます。

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その一つがゴッホの自画像。強烈な色彩と激しい筆致で描かれています。この絵には西洋絵画の伝統の中に、自分の芸術を位置づけたいという強い野心が見て取れます。

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もう一枚は多彩な色彩で画面を構成し全く新しい表現で名をはせたアンリ・マティス。この絵の購入に際して市民からの反対意見もあったと言います。しかし、美術館はいち早くマティスを評価したのです。

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デトロイト美術館は近現代の絵画の中で注目されたドイツ表現主義の作品を積極的に集めたことでも有名です。人間の内面性に重点を置いたドイツ表現主義

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ベックマンは第一次世界大戦の悲惨な体験を経て作品を描き続けました。

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モーダーゾーン・ベッカーが描く「年老いた農婦」中央に描かれた両手は日々の厳しい労働を支え、大きな力をもたらした象徴です。

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戦争への出兵によって心の病にかかったキルヒナーは不眠症に悩まされながら、アトリエの窓から見える景色を描きました。強いピンクを基調とした奇抜な画面。幻想的で美しい景色となって現れています。こうしたドイツ表現主義の画家たちは一時ヒトラーによって退廃芸術として弾劾される運命にさらされました。

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