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チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

アートは政治的なものである

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作品を構成する素材として選んだ「題材」や作品に使用した「素材」は、常に他者により解釈され、政治的な意味を持ちます。

作者の意図はともかく、作家自身の価値観や世界観を反映したものと見なされます。政治的課題に応えた作品も同様です。作品は作者の世界観そのものです。

 

 

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対象物を排除する。つまり無対象の世界を描くこと。「スプレマチズム」は1915年ロシアの画家カジミール・マレーヴィチ*1が主張した、抽象性を徹底した絵画の一形態です。20世紀初頭、革命のロシアで波乱の人生を芸術にささげたマレーヴィチは「絵画は誕生して以来、対象物に縛られることで不自由さを余儀なくされている」と考えました。

対象物に縛られている限りは、時代の流れ(科学技術の進歩や宗教あるいは政治)に翻弄され、真に絵画そのものの独立はない。だから対象性を排除するのだ。「無対象」が必要なのだ。作家の持つ直感だけを絵にして、対象物は描かない。

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対象物を描かないというマレーヴィチの考え方が実を結んだのが「Black Square」(白地の上の黒い正方形)と呼ばれる抽象絵画です。芸術を時代の流れから切り離し、独立した存在として描いたマレーヴィチの姿勢それ自体に政治的な意味が含まれています。

*1:(1878-1935)ロシア・ソ連の画家。ポーランド人家系に生まれる。当初はプリミティズムの影響を反映した作品を多く制作するが、1913年~1915年に《白地の上の黒い正方形》にて純粋幾何学フォルムによるスプレマティズム(至上主義)と呼ばれる思想を確立。革命後は教育者として後継の指導に務めたが一方でアルヒテクトンと呼ばれる抽象形態建築シリーズを手がける。スターリン体制下に逮捕されるが釈放され、晩年には初期の画風に回帰する