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チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

マリメッコ展がやってくる

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フィンランドを代表するデザインハウス、マリメッコ (Marimekko Oyj)*1の展覧会が東京・渋谷開催されます。

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とはいってもマリメッコ展はすでに高知や西宮、島根で開催され、多くの女性たちの心をわしづかみにしてきました。文化村に隣接した東急本店の壁面には一目でそれとわかる花柄が、街行く人に週末に迫った展覧会の開催を伝えています。

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現在では家庭用品やインテリアにまで守備範囲が広がっていますが、マリメッコの原点は服地の柄・ファブリック*2です。大胆な色彩で彩られた抽象的なデザインは、時代や国境を越えて多くの人に愛される"ロングライフ・デザイン"になりました。展覧会では服地を中心に60年にわたるデザイナーの仕事ぶりを見ることが出来そうです。

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展示されるのはヘルシンキのデザイン・ミュージアムの所蔵作品から、ファブリック約50点、貴重なヴィンテージドレス約60点。デザイナー自筆のスケッチ(これが見たい!)各時代の資料など、計200点です。 

マリメッコ パターンとデザイナーたち

マリメッコ パターンとデザイナーたち

  • 作者: マリア・ハルカパー,サミ・スッコ
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  • 発売日: 2013/08/15
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興味深いのが、マリメッコを産み、育て上げた女性デザイナーたちの生き方です。創業者のアルミ・ラティアや、アルミに見いだされたマイヤ・イソラ。二人の物語は同じ文化村の映画館で上映予定です。

f:id:tanazashi:20161215145758j:plainものを作り、時代を変えるクリエィターたちのエネルギーを堪能したいと思います。

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マイヤ・イソラ Maija Isola

マイヤ・イソラ Maija Isola

  • 作者: マイヤ・イソラ(1927〜2001)
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独創的かつ自由であれ!マリメッコを創り上げた女性たちの物語
 1951年にフィンランドで創業されたデザインハウス、マリメッコ。ファブリックのデザイン・製作をベースとしながら、生活雑貨まで幅広い製品を展開しており、日本でも絶大な人気を誇っている。その魅力は、「それってマリメッコ?」と指摘できるような共通の雰囲気、すなわちデザインの大胆さと色彩の鮮やかさ、そして何よりも多種多様な個性や独創性を積極的に認める自由さにある。
 この特徴はマリメッコの創業者であり、生涯CEOであり続けたアルミ・ラティア(1912-79年)の精神そのものである。アルミは1970年のフィンランド国内向けのプレスリリースで次のように述べている―「マリメッコが積極的に取り組んでいるのは、販売用ファブリックというよりむしろ、テキスタイルのコンセプトそのもの。(中略)マリメッコが売っているのは、結局はコンセプトに違いないのです。多かれ少なかれ、私たちが採用する色やデザインは、個性というものなくしては絶対に成立し得ない。これもマリメッコ特有で、ある種聖域に属するような類のことなのです」(本展図録、p.22より)。
 特にマイヤ・イソラ(1927-2001年)は、その精神を体現する代表的なデザイナーの一人である。マイヤは学生時代にアルミにその才能を見出され、生涯に渡ってマリメッコにデザインを提供。自由な制作環境を好んだマイヤは、1961年以降はフリーランスのデザイナーとなったものの、最も有名な《ウニッコ》(「ケシの花」の意、fig.1)を始めとして、《キヴェット》、《ロッキ》、《カイヴォ》など、500点を超える独創的なデザインをマリメッコのために生み出した。その作品はマリメッコアイデンティティを形成する定番デザインとして、今でも製品のヴァリエーションを増やし続けている。
 個性を尊んだカリスマ的経営者アルミと、自由に創造することを何よりも望んだデザイナーのマイヤ。二人の女性の出会いが、今日我々が「マリメッコ的」と感じる代表的なイメージの一つを生みだした。今も衰えることを知らないマリメッコの絶大なる人気は、アルミから引き継がれた経営理念に基づく精神と、それを実際のファブリックに具現化してきたマイヤを始めとするデザイナーたちの豊かな創造の歴史によるものなのである。本展は会場に所狭しと並べられた200点以上の作品を通じて、アルミが何よりも届けたかった「コンセプト」を存分に享受できるまたとない機会となることだろう。

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*1:フィンランド語で「小さなマリー(marie)のための服」。marieは組み替えると創業者の名前aemi(アルミ)になります

*2:生地や織物のこと。 インテリアの世界では、生地や織物の総称から少し広い意味で用いられることが多く、カーテンやテーブルクロス、椅子やソファの張り布地、クッション、ベッドカバーなど、布を使ったものを全般にさす