チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

リアルすぎるポケモンアート

https://cdna0.artstation.com/p/assets/images/images/004/227/204/large/joshua-dunlop-pikachu-watermarked-compressed-1-1.jpg?1481544196

 

イギリスのイラストレーター、コンセプトアーティスト、クリーチャーデザイナー、Joshua Dunlopが描いたピカチューです。ほっぺの赤斑からは放電のような光が立ち上がっています。いつも見る輝くような黄色の毛並みが、所々くたびれ、薄汚れているところが現実に生息しているようなたたずまいです。

 

Joshua Dunlopのサイト『Pokémon Zoology(ポケモン動物学)』シリーズには、まるで現実世界に生きているかのようなリアルなポケモンたちが描かれています。こちらはフシギダネ

https://cdna2.artstation.com/p/assets/images/images/004/107/662/large/joshua-dunlop-bulbasaur-watermarked.jpg?1480426422

 

キャラクターの色彩や光沢、肌の質感がリアルに近づいたことで、現実と仮想の世界の境界が曖昧になっていくことがわかります。

最初に現実の動物を参考にして、フォトショップで大まかなアイデアをスケッチ。それに満足したら「3D-Coat」という3Dプログラムを使ってモデルとテクスチャをつくる。それから「KeyShot」というレンダリングプログラムにモデルを入れて、リアルなライティングやエフェクトを掛けるんだ。・・・最終的にすべてをフォトショップに入れて、フォトマニピュレーションとデジタルペインティングの組み合わせで仕上げた。時間はかかるけど、完成作品を見ると楽しいんだ。

http://www.gizmodo.jp/images/2016/12/161216realpokemon3.jpg

かつて浮世絵が海を渡って西洋の絵画に大きな影響を与えたように、日本発のコンテンツが世界中に広がっていることを改めて感じます。3Dデザインが得意なJoshua Dunlop氏は、サイトにこんな作品も掲載しています。

www.artstation.com 

 

https://cdnb1.artstation.com/p/assets/images/images/000/490/397/large/joshua-dunlop-game-of-thrones.jpg?1424605331

 

ドワンゴ川上量生氏が、日本のコンテンツの強みは「タブーがないことだ」と「 鈴木さんにも分かるネットの未来」(岩波書店)に描いています。

なぜ、日本のコンテンツに魅力があるかというと、やはり、宗教的価値観が社会に与える影響が小さくて、しかも民主的な政治体制を持つ日本という国の特徴が、世界で最も自由な創作活動ができる環境を作っていることが非常に大きいからです。つまり、コンテンツの競争において、タブーの少ない自由な創作活動が競争力を生み出すのです。

宗教や文化が異なる海外には表現上の制約が日本以上にきつい国が多くあります。たとえば制服のような衣装に鷲のマークをあしらった紋章をつけただけで大騒ぎになる事件がありましたが、私たちにはただのデザインであっても、異国の人からは歴史的大罪在と見なされる場合があります。

 海外のクリエィターにしても日本の創作環境の自由度はうすうすわかっているものと思われます。「インターネットの時代には規制の少なさで国際競争に勝ち抜いていく視点が必要ではないか」という川上量生氏の話には勇気づけられる気がします。