読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

クリエーターたちのDNA〜ニッポンアニメ100年史〜

アニメも100年たったのですね。子どもや若者だけのジャンルではなく、あらゆる世代が楽しめる作品が増えていて喜ばしいことです。

アニメといえば監督・演出家です。実写と違いすべて人力で表現しなくてはならないところに難度があります。歌手や声優特集は別の番組におまかせして、じっくり作品論を聞きたい。作画監督や背景画デザインなども見たいけれど、またの機会、100年目の年間企画としての放送を期待します。

f:id:tanazashi:20170124101553j:plain

 

リエーターたちのDNA〜ニッポンアニメ100年史〜

歴史に残る名作の数々を作り上げてきたクリエーターにスポットをあて、その100年の系譜をたどりながら、世界に誇る日本アニメの魅力に迫ります。f:id:tanazashi:20170124101806j:plain

進行

番組ナビゲーター: 渡部豪太(俳優)、 松村沙友理乃木坂46)、 藤津亮太(アニメ評論家) ナレーション: 山寺宏一

www.nhk.or.jp

 

放送

2017年1月28日(土)

 

番組概要とインタビュー要旨

小田部羊一
航空母艦の上にいたウサギのキャラクター。それにとても惹かれたおぼえがあるんです。ウサギたちの耳が風になびいているのか揺れている。そんな動きの柔らかさ。暖かくて柔らかくて、生きていそうな、そんなものをキャラクターに感じることができたんです。そういうものを表現したくなっちゃうんです」

小田部さんの幼い頃に刻まれた記憶が、のちに多くのキャラクターを生み出す原点になりました。その代表作が「アルプスの少女ハイジ」でした。

東映動画

杉井ギサブロー
「アニメーションをやりたいと思っていても、日本でできるとは思っていなかったんです。見るのは全部アメリカのアニメーションですから、そういう意味では東映動画はびっくりしました。募集があったときに、エッこういうスタジオが日本に出来るんだとか。はじめからきちんとした劇場用映画をつくるという体制で、ちゃんとしたスタジオを、これはたぶん日本で初めてではないですかね。」

小田部羊一
「二人の恋愛を、駄目だと邪魔するお坊さんが妖術を使って大波を起こすんですよ。その波が、形は単純なんですけど、どんどんどんどん押し寄せてくる。それにのみ込まれる。そんな迫力が出て大好きですね。あとあとの話なんですけれど、僕はなぜか自然現象の波のシーンを任せられることが多かったのです。本当はその波の動きの資料が欲しかったんですよね。フィルムでもいいし写真でもいい。でもほとんどない時代した。ですから実際に夏の間に、海水浴で泳ぐよりは波を見ているなんてことをして描いたことを覚えてますよね」

杉井ギサブロー
東映動画の特徴ってのは、ディズニーリアリズムと言われたような動きに対する考え方ですかね。江南だけれども本物のように動かす、見えるんではなくて、やっぱりアニメーションとして見えるんだけれども質感とか重量感とかは、海の波だったら海の波のように動かすというのが仕事だ、考え方だったと思うのですよね」

1963年「鉄腕アトム」スタート

笹川ひろし
「(手塚)先生はアニメ好きなんですね。〆切が迫っている原稿がいっぱいあるのに、東映動画に行ってきますってパーッと出かけられる。これには編集の人も、行かないで自分の所の描いてくださいっていうところです。先生もすごく体力があるし、アニメもやりたいと漫画も続けたい。それでやってるちうに、手塚先生は自分のスタジオを作られて、アニメはじまったでしょ。やっぱり絵描きって自分の描いたキャラクターに声がついたり音楽がついたりするとやったぞこれ、みたいな・・気分いいんですよ」

杉井ギサブロー
「漫画をテレビ向きのアニメーションにするって言ったときに、手塚先生が最初に始めたやり方ってのはよくわからなくて、絵があまり動かないじゃないですか。だってキャラクターが動かなくって、口だけパクパクしているって、ぼくは始はじめ気持ち悪かったですよね。えっ先生、これ動かないんですか。え、だって人が話しているって、体動かさなくってもいいでしょって。それだけ言うと、すごく手を抜いたチャチなアニメのようですけど、それを、ほとんど絵を動かさなくっても、子どもたちは物語が面白ければ見てくれますっていう、絶対的な自信がどこかにあったと思う」

富野由悠季
「リミテッドアニメという言い方は、よくも発明したよなというくらい、映画的に考えると許しがたい発想だった。だけども週一ペースで漫画映画を作っていくならこれしかないだろうなということも本能的にわかったし、それでたまたま就職させてくれたんで、鉄腕アトムの制作現場にいきなり入っちゃった。なにがおこったかというと、やれシナリオが足らない。やれコンテがたらない。で、どういう風にアニメーターに仕事をばらまくかみたいなことを知っちゃって、これをこなしていかないと要するに三ヶ月後に穴が空くというような現場がドドドドドッというのが僕の経験でしたので、アニメのなんたらかんたらを考えるようになったのは、それこそ40過ぎてからですね」

寺本幸代
「高校生の終わり頃に、静岡に住んでいた頃に地元で忍風カムイ外伝というスゴクふるいアニメを深夜に再放送しまして、それの第一話の冒頭のシーンを見たときにすごく演出が面白くて」
「真っ暗な画面にいきなり目がバチッと開くんです。うわーっとカメラを引くと、なんかすごくかっこよく思えたんですよ。私には。で、その演出ってものを意識して、あー演出って仕事はこんなに面白いんだなって、はじめてそのときに気がついて、で演出に興味を持ったのがきっかけです」

ホルスの大冒険

佐藤順一
大塚康生さんがたぶん一番始めに名前を覚えたアニメ関係者だと思います。大塚さんの名前が出ているアニメの方が気持ちいい。また別の作品で一緒にやってきた高畑勲さんという人がいて、その人が作っているものは面白い。で、その高畑勲さんが作っていたと言われる太陽の王子ホルスを見たり、でその中でやっていくうちに宮崎駿っていう人がすごい場面設定とかやっていて、こんどはそっちの方に興味を持っていく・・という感じでだんだん視野が広がっていく」
「主人公のホルスが崖に落ちて、ロープを投げて上っていくんです。上っていくと、カメラがホルスをつけて行くんですけど、悪役の敵役がそのロープの端を持っているという演出があって、そのところはけっこうはっとするわけです。なるほど、こういうやり方があるのかと、細かなところをちょっとずつ学んでいく。もって行き方によって観客の気持ちというか感情を後押ししたり、あるいは見せないことでじらしたりということが単純なカメラワークでできるんだということは、見ながら学んだところですかね」

鉄腕アトムが変えた新時代のテレビアニメ

日本アニメの多様化 1970年代~1980年代

ガッチャマン

笹川ひろし
「子どもの漫画映画じゃなくてドラマとしてもね、アクション映画にしてもなににしろ、今のアニメにありますね。リアルな。タツノコはがんばって次々と、ガッチャマンとかキャシャーンとかリアル感のあるものをつくったルーツがそこに根付いているのではないかと思うんですよね」

押井守
「大人が見ても十分面白かったというか、大人の見る目に耐えられる作品だった」
ガッチャマンの監督である鳥海永行さんにお会いした。影響を受けた部分があるとすれば、その演出の技術とかいうことよりも、監督としていかに生きるかということですね。監督としていかに振る舞うか。その部分だと思う。ひとことでいえばわがまま。わがままにつきるんじゃないかな。自分勝手。でもある一種の人間にはすごく愛されていた。やっぱり好きなんですよ。あの人が作るものが。もしくはあの人個人が。祖思わせる何かが監督の必要条件だと思う」

マジンガーゼツト
母をたずねて三千里
宇宙戦艦ヤマト

庵野秀明
「僕の好きなものの集合体だったのね。宇宙戦艦ヤマトは」
「もともと戦記物は好きでしたし、戦艦も好きでしたし、あとSF・空想科学も好きでしたし、また人間の集団ドラマの新撰組が好きだったので、そういう好きなものの集大成だったのですね。子ども向けの部分が全くといっていいほど外れていて、これほどハマッたアニメはなかったですね。それまで」

アニメ制作誌の創刊

出崎統
いしづかあつこ
「出崎監督が編み出した演出手法として、クイックパンというのもアニメーションではよく使われるんですけど、これもキャラクターをいっそトメのまま、カメラワークのインパクトで見せる演出手法で、それをたとえば三回連続で繰り返す。それが三回クイックパン、三回パンと呼ばれて、業界的にはうまく使いこなすのはとても難しいと言われる手法なんですけど、そうやってトメの絵でも劇的に見せる手法ってのが出崎監督の演出では私はとても印象的だなと思います。出崎監督がアニメーションの演出の土台を築いたおかげで、その後の演出家たちが、それをお手本にし始めたのではないかなと思いまして、われわれがただ真似して引き継いで、それを自分たちのものにしてきた順番だと思います」

劇場版エースを狙え

庵野秀明
「やっぱりエースを狙えの劇場版ですかね。そんなに有名じゃないかもしれない。ただすばらしいですね。アニメーションを技術で捉えたときの表現の集大成です。いろんな映画の要素が入ってはいるんですけど、映画として捉えてやるのがいいですよね。映画を作りたかったんだな。冒頭でいきなり五右衛門という猫を主人公が蹴飛ばす。その時の、雨の夜は五右衛門蹴飛ばすという高坂さんの言い回しを含めてものすごくいいのです。あのあとにオープニングがはじまる。ここの気持ちよさはもう、あっ映画だなって、あれが出来ているのが素晴らしい」
押井守
「アニメーションをいかにしたら映画になるか。当時の切実なテーマだったのです。豪華なテレビアニメと映画のアニメーションとどこが違うか。これがわかんない限り監督にはなれないって思っていた。出崎さんの作品を見たときに驚いた。格調というか映画としての格を感じたのですね。繰り返し見るしかないから繰り返し見て、何回見たか覚えてないけど。一つわかったのは流れている時間が違うということね。ちょっとした発見だった。印象に残ったのは主人公のおかひろみっていう、主人公が試合するんですよ。そのときに頭上をヘリコプターが通過していくっていう有名なシーンだよね。その瞬間に感じる何かなんですよ。異なる時間と空間を自在に生み出すことで、その作品固有の時間が流れ始めるっていう。それがとてつもない快感を生み出すって言う。だからビューティフル・ドリーマーってそれだけをめざして作っている」

 

ここまで33分

出演監督(インタビュー)

f:id:tanazashi:20170124102349j:plain

 

荒木哲郎(「進撃の巨人」、「甲鉄城のカバネリ」) 

甲鉄城のカバネリ 設定資料集

甲鉄城のカバネリ 設定資料集

 
甲鉄城のカバネリ 原画集

甲鉄城のカバネリ 原画集

 

 

f:id:tanazashi:20170124102350j:plain

庵野秀明(「エヴァンゲリオン」シリーズ)

f:id:tanazashi:20170124102351j:plain

いしづかあつこ(「ノーゲーム・ノーライフ」)

 

TVアニメ ノーゲーム・ノーライフ COMPLETE FANBOOK

TVアニメ ノーゲーム・ノーライフ COMPLETE FANBOOK

 

 

f:id:tanazashi:20170124102352j:plain

大友克洋(「AKIRA」「スチームボーイ」)

 

 

f:id:tanazashi:20170124102353j:plain

押井守(「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」「イノセンス」) 

立喰師列伝 通常版 [DVD]

立喰師列伝 通常版 [DVD]

 

 

f:id:tanazashi:20170124102354j:plain

小田部羊一(「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」)

f:id:tanazashi:20170124102355j:plain

笹川ひろし(「タイムボカン」シリーズ)

f:id:tanazashi:20170124102356j:plain

佐藤順一(「美少女戦士セーラームーン」「ケロロ軍曹」) 

 

 

 

f:id:tanazashi:20170124102357j:plain

杉井ギサブロー(「タッチ」「あらしのよるに」)

 

 

f:id:tanazashi:20170124102358j:plain

鶴巻和哉(「フリクリ」「龍の歯医者」)

 

blog.kenfru.xyz

 

f:id:tanazashi:20170124102359j:plain

富野由悠季(「機動戦士ガンダム」)

 

 

f:id:tanazashi:20170124102400j:plain

寺本幸代(「映画ドラえもん新・のび太と鉄人兵団〜はばたけ天使たち〜」)

f:id:tanazashi:20170124102401j:plain

長井龍雪(「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」)

 

 

f:id:tanazashi:20170124102402j:plain

米林宏昌(「借りぐらしのアリエッティ」「思い出のマーニー」)  (五十音順)

 

米林宏昌画集 汚れなき悪戯

米林宏昌画集 汚れなき悪戯

 
思い出のマーニー: スタジオジブリ絵コンテ全集21

思い出のマーニー: スタジオジブリ絵コンテ全集21

 
スタジオジブリ絵コンテ全集17 借りぐらしのアリエッティ

スタジオジブリ絵コンテ全集17 借りぐらしのアリエッティ

 

 

 

注:あの監督、あの演出家がいない!!とクレームをつけないこと。選考された代表作を見ても、番組演出の意気込みを感じます。これだけの面々の話が聞けるところが画期的。続編を期待します。