チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

日曜美術館アートシーン2月19日

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下書もせず構想しながら描くという、驚異的制作スタイル。1ミリ以下のペン先が生み出す巨大宇宙!池田学さんの初の大展覧会が開催中です。

今回のモチーフは一本の樹です。
それも災害で傾きつつある巨大な樹。

震災以来、樹はこれまで以上に特別な存在として僕の目に映るようになりました。
陸前高田で見た津波から生き残った一本松や、何世代にわたって成長し続けるバンクーバーの深い森。
ニューメキシコ州の岩山で見た、地面が雨で流され根っこがむき出しになりながら立っていた一本の樹の生命力も忘れられません。。
苦境にあって、ものも言わずそこに立ち続ける樹という存在は、自然そのものの偉大さのみならず、災害によって痛めつけられた我々人間の今現在の姿をも象徴しているようで、制作を進めるうち、徐々に全体を樹にしようという構想が固まってきました。

芸術は作品だけで勝負するものだといわれますが、制作過程や作家の思いもあわせて鑑賞するとより感慨が深まる場合があります。モノよりコトに向かう時の移ろいを感じます。 

ikedamag.exblog.jp

1.池田学展 The Pen ―凝縮の宇宙―(佐賀県立美術館

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会期:2017年1月20日(金)~ 2017年3月20日(月)

わずか1mmにも満たないペンの線から壮大な世界を描き出すアーティスト、池田学(1973~)。1日ににぎりこぶしほどの面積しか描き進めることができないという画面は、緻密さと空間の広がりを併せ持ち、現実を凌駕する異世界の光景を私たちに呈示します。これまで日本をはじめ、韓国、ドイツ、カナダ、アメリカ、ロシアなどでグループ展に参加、2011年にニューヨークで開催された「Bye Bye Kitty!!!」展では、その年に最もインパクトを与えた作品 "Best of 2011" の一つに選出されるなど、国際的に高い評価と注目を集めるアーティストです。

 本展覧会は、これまでの池田の画業の全貌を紹介する、初めての大規模個展です。アメリカ・ウィスコンシン州のチェゼン美術館の滞在制作プログラムで3年にわたり制作された巨大な新作《誕生》をはじめ、国内外のコレクターや美術館が所蔵する作品の数々が、池田の出身地・佐賀に集結します。池田作品のほぼすべてを網羅する約120点に新作のスケッチや制作の記録もあわせて、あふれるばかりの池田の想像力の秘密に迫ります。

池田学展 The Pen ―凝縮の宇宙―|佐賀県立博物館・佐賀県立美術館

 

blog.kenfru.xyz 

2.超・日本刀入門 ~名刀でわかる・名刀で知る~(静嘉堂文庫美術館

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会期:2017年1月21日~3月20日

武士の魂“日本刀”は、1000年におよぶ歴史のなかで、武器として武人を鼓舞し、美術品としても鑑賞されてきました。近年ブームに沸きながら、しかし道具としても美術品としても身近ではない日本刀。「全部同じに見える」「どこを見ればいいのか分からない」「専門用語が難しすぎる」といったさまざまな疑問やお悩みを徹底的に解決します!
国宝の「手搔包永太刀(てがいかねながたち)」をはじめとする選りすぐりの名刀約30振から、日本刀の主な見どころ―姿・刃文(はもん)・鍛え肌(きたえはだ)の鑑賞や、刀剣の歴史や産地、戦国武将が所持した刀の逸話など、めくるめく刀剣の魅力に迫ります。

www.seikado.or.jp

3.何必館 黒から玄へ MAYA MAXX展( 何必館京都現代美術館

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会期:2017年2月3日(金)~3月26日(日)

このたび「黒から玄へ MAYA MAXX展」を開催。MAYA MAXXの創作の軌跡を10年に渡って紹介するこの展覧会も、今年で8回目を迎える。本展覧会のテーマは「黒から玄へ」。前回の展覧会から約2年間、MAYA MAXXは絵を描くことができなかった。思うように描けない日々の中で、MAYA MAXXの作品は、絵具の層が何層にも重なり、何枚描いても最終的には、真っ黒な画面になってしまう。しかし、「黒」とは根源的な色であり、一番色彩豊かな色ともいえ、また「玄」は「宇宙の色」「万物の根源」という意味を持つ。MAYA MAXXは、「悩むことを手放さず、その先にある真の強さを掴み取る」という答えに辿り着いたと言える。絵を描くという行為は、重ねることと、そぎ落とすことのせめぎ合いといえる。それは「悩む力」として、作品にも反映されているのではないだろうか。本展では六曲一双の屏風作品をはじめ、100号の連作など、約50点の新作を展覧する。会期中にはライブペインティングやギャラリートーク、そしてサイン会も開催。この機会に是非ご高覧頂きたい。

何必館 黒から玄へ MAYAMAXX展

4.企画展 利休に見せたいッ! 現代の茶陶 (茨城県陶芸美術館)

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会期:2017年1月2日(月)~3月12日(日)

茶陶とは、茶碗や水指など、お茶席で用いられるやきものの総称です。桃山時代に千利休が侘び茶を大成すると、楽焼や美濃焼備前焼など国産の茶陶が隆盛を迎えます。江戸時代には大名、商人が茶事を嗜み、京焼や萩焼をはじめ茶陶の生産が各地に広がりました。

近代では、昭和の始めごろから、美濃の荒川豊藏や備前の金重陶陽などの、伝統的な産地で活動する個人作家たちが、自身の表現としてその制作に取り組みはじめます。 戦後、これらの作家が重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定を受けたことや、日本伝統工芸展の開催などをきっかけに、個人作家による茶陶の制作はますます広がりを見せます。志野の鈴木藏や備前焼の伊勢﨑淳は、産地の伝統的な技法に、新たな造形表現を取り入れた作風を展開します。

さらに近年では、産地や窯元などの背景を持たない作家たちが、茶陶を自身の創作へと積極的に取り入れています。竹村友里や桑田卓郎ら若手作家は、茶碗の形状を活かしつつ、流れるようなフォルムで側面を形作った作品や、伝統的な梅華皮かいらぎの技法を肥大化した作品など、これまでの茶陶の形や制作上の制約を逆手に取った、新しい感覚の茶陶を生み出しています。

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本展では、重要無形文化財保持者から現代の若手作家まで、戦後の茶陶の展開を132点の作品によってご紹介します。進化を続ける茶陶の「今」を、ぜひご覧ください。

www.tougei.museum.ibk.ed.jp

 

5.生誕100年 木村忠太展 光に抱かれ、光を抱いて。(高崎市美術館

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会期:2017年1月29日(日)~3月26日(日)

「これこそが魂の印象主義である。」
1953年の渡仏以来、亡くなる1987年まで一度の帰国をのぞき、フランスの自然の光をみつめ続けた木村忠太(きむらちゅうた1917-1987)。その作品の何よりの魅力は、光や大気といった目に見えないものさえありありと感じさせる、心象のリアリティです。ふと光に触れたときの心のわずかな動きと、揺れる光そのものと-。感動するみずからの内と外とのゆらぎそのものをありのままみつめ、線描と色面を幾重にも重ねて描くスタイルを、木村は「魂の印象派」と呼びました。一瞬の光をとらえた印象派を引き継ぎつつ、時の流れ、つまり刻々変化する感動そのものを表現しようと試みているため、絵を前にした私たちも、まるで風景の只中にいるように、あふれる色彩に包まれる経験をします。

本展では高崎市美術館所蔵作品を中心とする油彩、パステル、鉛筆デッサン、リトグラフ95点やパレット、スケッチブックなどの作家資料によって、2017年2月に生誕100年を迎える木村が描こうとした「内なる光」を、東洋と西洋、内なるものと外なるものを巡る木村の思考と制作を手がかりとしながら、点描から線描、そして色面へと折々変化する光の表現の中にたどります。

生誕100年 木村忠太展 光に抱かれ、光を抱いて。 | 高崎市 

6.山口蓬春邸のおもてなし―蓬春夫妻の美意識を探る―(山口蓬春記念館)

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会期:2017年1月6日(金)~3月20日(月・祝)

山口蓬春(1893-1971)の終の住処となった邸宅は、数々の名作を生みだすとともに日本芸術院会員就任(昭和25年)、文化勲章受章(昭和40年)など画壇での華々しい活躍を支える場所でもありました。多くの文化人たちが集うとともにまさに蓬春の"創造の源泉"となったこの葉山一色の邸宅には、蓬春とかれを支え、自らも日本画を学んだ春子夫人の美意識がその暮らしの隅々にまでいきわたっていたといいます。

本展では、蓬春夫妻の審美眼に根ざした在りし日の山口邸の暮らしに思いを馳せながら、夫妻の作品および愛蔵のコレクションを通じて今に息づく夫妻の美意識とその魅力を探ります。

開催中の展覧会 - 山口蓬春記念館