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響くアートの愛好家

日曜美術館「見つめる眼 震える心 由一、劉生 ニッポンの写実画のゆくえ」

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平塚市美術館で開催中の展覧会「リアル(写実)のゆくえ」。

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高橋由一の「鮭」に並んで展示されているのは磯江毅の「鮭~高橋由一へのオマージュ」です。

 

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本物のように描きたい。明治のはじめ日本の洋画の先駆者・高橋由一*1に始まる「もの」への迫真の眼差し。

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その眼差しは大正の世になると岸田劉生*2によってさらに研ぎ澄まされます。

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見つめる”もの”へ画家自身のリアル”震える心”をも投影し、歪みさえも孕んだ、ニッポン独自の写実画を生み出しました。

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「すべての本質は形に宿る、外形に宿るという考え方。高橋由一にしても劉生にしても、

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形をとことん追い回して、なにを求めるのかというと、本質的なもの。形に宿っている本質的なものを引きずり出そうと。

f:id:tanazashi:20170515230517p:plainそれによって我々が見慣れた現実がちがうものに。あるしは現実を乗り越えてしまうものが本質には込められているのではないか」

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明治から150年。西洋化が進む中で日本人は何をみつめ、何を描いてきたのでしょうか。

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パソコンやスマートフォンが広がり、バーチャルリアリティが席巻する現在においても、画家たちは手を動かし、絵を描き続けています。

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こころ震えるものを絵にしたい。ニッポン独自のリアル。その写実の行方を見つめます。

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日曜美術館「見つめる眼 震える心 由一、劉生 ニッポンの写実画のゆくえ」 

【出演】平塚市美術館館長代理…土方明司,画家…水野暁,【司会】井浦新,高橋美鈴

 

 

放送日

2017年5月14日

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磯江毅

"写実の鬼"という異名をとった磯江毅は、2007年53歳でこの世を去りました。絶作となった「鰯」は、そこに存在するモノへの祈りと狂気を併せて感じさせます。

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 水野暁

磯江に大きな影響を受けた気鋭の画家です。磯江を通じて由一や劉生が抱いた"写実の覚悟"を知り、「独自の写実とは何か」を模索する水野は約3年賭けて大作「浅間山」を描きました。よく見ると、春夏秋冬の景色が混在する絵は不思議なリアリティを醸し出します。

blog.kenfru.xyz

akiramizuno.p1.bindsite.jp

 

 

 

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大沢 鉦一郎(おおさわ せいいちろう、1893~1973年)

名古屋市出身の洋画家。「草土社」の岸田劉生らの活動に刺激され1917(大正6)年絵画団体「愛美社」を結成。後に春陽会の重鎮となり大正期の名古屋画壇に大きな影響を与えた。

 

 

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宮脇 晴(みやわき はる、1902~1985)

名古屋市出身の洋画家。岸田劉生らの写実的洋画グループ「草土社」の名古屋展が開催され(1917年)、それに衝撃と刺激を受けた大澤や宮脇は、同年代の同志たちと「愛美社」を結成し、切磋琢磨しながら写実表現に挑みました。

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筧忠治(かけひ ちゅうじ、1908~ 2004)

愛知県一宮市出身の洋画家。名古屋気象台で勤務しながら、ほぼ独学で絵を描き続けた。テーマは自画像。「自画像の画家」と呼ばれている。

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高島野十郎(たかしま やじゅうろう、1890~1975)

大正 - 昭和の画家。独学で絵の道に入り、透徹した精神性でひたすら写実を追求。終生家族を持たず、画壇とも一切関わらず隠者のような孤高の人生を送った。

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牧野邦夫(まきのくにお、1925~1986)

写実の精髄圧倒的な描写力で自己の絵画世界を追求した画家。 画壇においての名利を求めず、ただ自分が納得できる作品を残すことに画業人生を傾中していった。

 

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河野通紀
1918-2002 昭和-平成時代の洋画家。
大正7年2月7日生まれ。中之島洋画研究所にはいり,国枝金三にまなぶ。一水会二科会に出品。戦後は行動美術協会に第1回展より出品,昭和29年会員となる。細密描写による静物画に独自の画風を展開。

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吉村芳生(1950年山口県防府市生、2013年没)細密精細な鉛筆画家。

www.yoshimurayoshio.com

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犬塚勉 (1949年川崎市生。1988没)谷川岳に魅せられ、「水が描けない、もう一度水をみてくる」と言い残し、谷川岳で永遠の眠りについた。

日曜美術館「私は自然になりたい 画家・犬塚勉」2009年7月5日放送

犬塚勉公式ホームページ

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長谷川 潾二郎(はせがわ りんじろう、1904~1988)

日本の画家。猫の絵で有名。地味井 平造(じみい へいぞう)の筆名で探偵小説を執筆した小説家でもある。

放送記録

av98ingram.wpblog.jp

 

書籍 

 

リアル(写実)のゆくえ〜高橋由一、岸田劉生、そして現代につなぐもの

リアル(写実)のゆくえ〜高橋由一、岸田劉生、そして現代につなぐもの

  • 作者: 土方明司,江尻潔,木本文平,山田真規子,土生和彦,安部沙耶香,品川ちひろ
  • 出版社/メーカー: 生活の友社
  • 発売日: 2017/04/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 
深い眠り

深い眠り

 
磯江毅 写実考──Gustavo ISOE's Works 1974-2007

磯江毅 写実考──Gustavo ISOE's Works 1974-2007

 
増補 磯江毅|写実考  Enlargement Gustavo ISOE's Works 1974-2007

増補 磯江毅|写実考  Enlargement Gustavo ISOE's Works 1974-2007

 

 

 

展覧会

http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/common/200006209.jpg

www.city.hiratsuka.kanagawa.jp

*1:明治時代、本格的に日本に入ってきた西洋画。日本の洋画の先駆者・高橋由一は「真に迫り妙に至る」ことが絵の本質と語り、モノの形の置くにある"生命の深淵"を描こうとしました。

*2:大正期の画家・岸田劉生は一見"ひずみ"を感じさせる独特の写実で、内なる美を表現しました。