チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

日曜美術館「見つめる眼 震える心」磯江毅

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展覧会の冒頭を飾る二枚の鮭の絵。この二枚の作品の間にはおよそ150年の歳月が横たわっています。

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高橋由一の作品とほぼ同じ構図で鮭の絵を描いたのは、若い頃スペインに渡り西洋の写実を徹底して学んだ磯江毅です。

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「映像として捉えるのじゃなしに、そのものの性格、または存在感、そしてそのものを包む空間、そういうものすべて、尊重してそれを写すことに没頭すること。

f:id:tanazashi:20170522215949p:plainそして画面の中に自分が見ているものと同じだけの質の量を再現することが僕は写実だと思う」

 

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真に迫り妙に至る。ゆいちの言葉が磯江の志と重なります。

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50歳を前にスペインから帰国した磯江は目を輝かせ鮭に挑みました。何日も見つめ、徹底的に描きこむうちに腐っていく鮭。

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その崩れる身を留める細い縄が、さらに鮭をリアルなものに。

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ニッポンの洋画の先駆者である由一とスペインで画家として認められた磯江。

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どんなに洋画を極めても、日本人にしか掛けない絵があることを二人は知っていたのかもしれません。

 

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「深い眠り」磯江の代表作です。形あるものは他になく、浮かぶように描かれた体は魂そのもののように見えてきます。

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写実を極めることは写実でなくなること・・・磯江は晩年そう記しています。

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磯江は十年前ガンで亡くなりました。53歳でした。アトリエに残された磯江のメモには日本への思いが認められていました。

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「今年4月で私はスペインに渡っておよそ30年になる。それはそのまま私の画業の歴史でもある。スペインの習慣やスペイン人の性質に同化していけば行くほど、その分私は日本を思い、血を感じ、作家としてのルーツの意味を考えてきた」

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「私は写実画家である。それは私が日本人であって日本語を母国語としていることと同じ意味を持つ」

 

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この皿を磯江は最後の絵に描いています。

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白い皿に食べかけのイワシ。皿そのものが宇宙。磯江の写実の極みです。

 

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