チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

美術監督が果たす役割

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「美術をいいところがやってくれるなら、長回しもできるようになりますし、演出も変わってきます。逆に美術に予算をかけないなら、どんな背景でもいいような演出になってしまう。そういう意味で、キャラクターデザインを誰がやるのかと同じくらいに美術監督を誰がやるのかというのは大事になるんです」

エヴァンゲリオンシン・ゴジラで知られる庵野秀明監督は、アニメの背景美術の大切さについて語っています。

「背景美術は作品の世界観を決める。キャラクターがどこに行って、どういうことをするのかを伝えるのは周りの風景が大事。背景美術が良ければ場面の長回しが効く。厳しい場合は長回しがもたないので、カットを切り分けてキャラクターのアップだったりとか、背景をじっくり見せない手法になる」

評価を集めるアニメーションを見ると、かならずといっていいほどきめ細かな背景が印象に残ります。写実画のような精密さだけでなく、制作者側の意図が背景の中にさりげなく隠されている場合もあります。観客の立場に立つと、制作者が意図して仕掛けた謎を解く楽しみにつながります。見るたびに新しい発見をもたらす背景画はコンテンツを一過性のものから再読に耐える"資産"に変える力があるのです。

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庵野秀明監督監督たちが立ち上げた背景専門の美術スタジオ「でほぎゃらりー」のサイトは美術担当者10人の氏名と経歴が並ぶ異色のサイトです。作家性を全面に打ち出したこのスタジオの行方に日本のアニメーションの未来が託されているように思います。

アニメーションや映像作品においてキャラクターが重要なのはもちろんですが、背景美術は画面の7割を占めるものともいえます。背景美術はその良し悪しによって、作品の《世界観》、ひいては作品の《品格》を決定づけるものでもあります。

ドワンゴ、カラー、スタジオポノックの三社が協力し、数多くの劇場作品などで腕を振るってきた10数名の絵描きとともに背景美術スタジオ「でほぎゃらりー」を設立します。

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