チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

美術の中のかたち-手で見る造形 青木千絵展 漆黒の身体

http://www.gallery-sokyo.jp/img/artists/aokichie/003.jpg

 

人体が突然とけだして融合したような奇怪な造形です。

http://www.gallery-sokyo.jp/img/artists/aokichie/body10-1.jpg

倒れた人体の一部が液状に溶け出す様は、私たちが持つ命のはかなさを予感させられます。麻布の下地に漆を段階的に塗り重ね、30を超える工程で長い時間と手間をかけて作られた作品は、直に触ることでその存在感を鑑賞者に与えてくれます。

青木千絵さんは1981年岐阜県生まれ。金沢美術工芸大学で漆工芸を学んだ美術家です。兵庫県立美術館で7月8日から始まる「県美プレミアム」の2017年度第2期 小企画が『美術の中のかたち-手で見る造形 青木千絵展 漆黒の身体』です。

www.artm.pref.hyogo.jp

http://pds.exblog.jp/pds/1/200705/14/21/c0043821_14473830.jpg 

青木 千絵 展〈AOKI Chie Exhibition〉 : ギャラリー手

 

「美術の中のかたち-手で見る造形」というコンセプトは、美術鑑賞の機会に恵まれない、目の見えない人も作品を楽しめるように、作品を実際に手で触れて鑑賞することができる企画なのだそうです。

昔、NHKの番組で「跳ぶ心」と題した、視覚障害者の少年が粘土造形に挑むドキュメンタリーを見たことがあります。健常者が描くイメージとはまるで異なる豊かなイマジネーションが作品に表現されていて、強く心を揺さぶられました。

兵庫県美術館の試みは1989年から続いていると聞きましたが、続けることに意義があります。そして企画に賛同した作家さんの作品が更に豊かな世界を広げてくれるように思います。