チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

日曜美術館「小さな家たちの冒険」代田の町家・坂本一成

 

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東京で都心に家を持ちたい人にとって狭い敷地にどう建ててるかが大きな課題です。

 

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ノルウエー生まれの美術家アイナーソンさんと、PR会社を経営する本田美奈子さん。以前はニューヨークと東京を往復していましたが、結婚後東京を拠点に選びました。

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「日本の住宅は色んな意味でとても興味深いです。たとえば多くの制約があること。家は密集しているし土地は狭いですね。美術家としての経験から言うと、難しい条件があるほど作品は良くなります。東京の家は雑多ですし、これが美しいというルールもありません。面白い作品への可能性は開かれています」

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二人が暮らす家は東京の住宅地に1976年に建てられたもの。

間口わずか7メートルと小さいけれど力強い存在感です。

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密集した街で気持ちよく暮らすため様々な工夫が凝らされています。

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表の駐車場から一歩はいると低い塀で仕切られた中庭。屋外と室内の中間のような場所です。

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中庭に面してリビングルームがあります。

 

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このすぐ先は裏の通り。窓の位置を高くしてプライバシーを確保しながら、表から裏まで突き抜ける開放的な空間が作られています。

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京都などの町家を思わせる作りから”代田の町家”と名付けられました。

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設計した坂本一成さん。初期には街に対して閉ざされた家を作っていました。

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外の環境にかかわらず内部に快適な空間を作ろうとしたのです。

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「その閉鎖性みたいなものが逆に気になりまして、もう少し都市と町並みと地域の環境と連動するようなあり方にしなきゃいけないんじゃないかということをちょうど思い始めた時の最初の住宅がこの”代田の町家”という位置づけになります」

 

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表から裏までひとつながりのリビングルーム。密集地に建つ窮屈さは感じられません。

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限られた空間を伸びやかにしているもう一つの工夫があります。

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それは素材に軽快な表情を与えること。

例えば壁は木材ですが、白く塗ることで重々しくなることを避けています。

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「極端に言えば無色透明。ニュートラルなといったらいいのでしょうか、素材の良さみたいなものはある種の魅力ではあるのですが、逆に人々が日常的な暮らしをする時逆に鬱陶しいということが出て来る私たちは”社会的意味”と言いますが、素材はうっとうしさを持っているわけではなく、使い方によってそういう状態になる。それをコントロールする」

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床は大理石。普通は高級な素材として扱われますが、これもまた軽快に広がりを持たせる役割を持たせています。

 

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銀色の壁もニュートラルな高価を生むために考えられました。銀色は光をまとって軽やかです。坂本さんはクリアなグレーと呼びました。

この家は元の住人が売りに出し、取り壊しが検討されました。

それを惜しむ人々がここで坂本さんによるレクチャーと見学会を開きます。

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多くの人が詰めかけ、家はにわかにいきいきとした表情を見せました。

偶然足を運び、この家に一目惚れしたのが本田さん夫妻だったのです。

小さな敷地にとびきり軽やかな家を建てる冒険。そこに暮らしてみようという冒険。2つの冒険心が出会い、この家の物語は第二章に。

 

 

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