チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

驚異の超絶技法と謎の"フィギュア"職人

ピンと張った弦。可憐な花。日の光を浴びた葉や果実の躍動感。

畑からたった今摘み取ってきたようなみずみずしさを誇る胡瓜の彫刻です。

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作ったのは大正から昭和にかけて活躍した安藤緑山。

超絶技巧を持つ謎の彫刻家として知られています。

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三井記念美術館で開催される展覧会。

「驚異の超絶技巧! 明治工芸から現代アートへ」

初公開となる安藤緑山の「松茸、占地」や展覧会チラシで使われている「胡瓜」など野菜や果物をモチーフにした象牙彫刻が展示されます。

安藤緑山は昭和30年にこの世を去った彫刻家。生年は明治18年頃と言われています。象牙彫刻の世界で活躍し、作品は皇室や当時の富裕層の間で愛好されました。

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彼の代表作で最高傑作と言われるのが「竹の子と梅」。当時主流だった白地の肌合いを残した象牙彫刻に背を向けるように、安藤は着色した作品を目指しました。そのため当時の美術界からは異端扱いされ、高い技巧の割に評価されませんでした。

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また、1本の象牙を丸彫りするのが基本とされてきた当時のしきたりに反し、安藤は部分部分をプラモデルの部品のように完成させ、ネジなどで接合させるという方法で製作に臨みました。

象牙に着色すると色が滲んで独特の味わいを持つ」という彼独自の流儀をかたくなに守り続けた超絶技法の作品が集う展覧会です。

 

会場 三井記念美術館

会期 2017年9月16日(土)~12月3日(日)

陶磁では、宮川香山の「猫ニ花細工花瓶」が出展されています。