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響くアートの愛好家

八木一夫と清水九兵衞 陶芸と彫刻のあいだで

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八木一夫と清水九兵衞
陶芸と彫刻のあいだで」

八木一夫(やぎかずお、1918~1979)と清水九兵衞(きよみずきゅうべい、1922~2006/七代清水六兵衞)は、一人は走泥社の中心的な存在として、もう一人は日展ホープとして、戦後の陶芸界に新たな風を吹かせました。清水九兵衞はのちに鋳金の彫刻家としても活躍しています。本展では、二人の挑戦と実践、共通と相違を再見し、素材や形、デザインについての造形思考を再考します。

会場:菊池寛実記念 智美術館(東京)

会期:2017年9月16日~12月3日

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戦後、陶芸の世界に新風を送り込んだ二人の作家。

陶芸と彫刻の間で挑戦を続けた八木一夫と清水(きよみず)久兵衛の三品店です。

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八木一夫。京都の陶芸家の長男として生まれ”オブジェ焼”という新分野を切り開いたことで知られています。

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八木の名前を日本中に広めることになったきっかけが、この「ザムザ氏の散歩」。

カフカの小説「変身」の主人公であるザムザが虫に返信したイメージをもとにして作られたもの。オブジェ焼の原点です。

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「ろくろで全部作られているというのが、八木さんが対談で語っていることで、その背景には焼物屋の二代目として育ったなりわいですとか文化とかへの理解がかなり深くあって、そこから更に新しい表現をしていくという気持ちで作ったものだと思います」

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その後八木は焼き物特有の内側の空洞・中空構造にこだわりながら作品を発表していきます。

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その表現は次第に自身の心情や内面を表すようになり、。

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土を捏ねて作ったシワや内臓のように曲がりくねった形が多く見られるようになっていきました

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もう一人の作家、清水久兵衛

大学で鋳金を学んだ彼は、京都の清水六兵衛家に養子に入り、陶芸の道に進みました。

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新進気鋭の陶芸家として斬新なフォルムに次々と挑戦した清水。

しかし十数年を経て大きな問題に直面します。

焼き上がりがデザイン通りに行かない。土は扱いづらい。

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そこで60年代後半から清水は以前行っていた金属彫刻に移行。

アルミニウムを素材とした作品で全国の美術賞を次々と受賞します。

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そして1980年。七代目を襲名した清水は、再び陶芸に立ち戻りました。

彫刻の経験を活かした、完成度の高いフォルムをついに実現したのです。

現代陶芸を牽引し続けた二人の作家の展覧会です。