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日曜美術館「漱石先生 この絵はお嫌いですか~孤高の画家 木島櫻谷~」

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日曜美術館漱石先生 この絵はお嫌いですか~孤高の画家 木島櫻谷~」

かつて夏目漱石に酷評されながらも、最近の調査でその先見性、

革新性が注目される画家・木島櫻谷(このしまおうこく)。

謎多き孤高の画家の卓越した作品と人生に迫る。

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明治中期、動物画に才能を発揮した木島櫻谷(このしまおうこく)。

緻密な写生と高度な技を駆使し、名作を生み出した。

最高峰とされる「寒月」は、月光射す竹藪をさまようキツネの姿を

ドラマティックに描いた。しかしこの作品を夏目漱石が酷評。

櫻谷も何も語らず画壇から離れ、人々から忘れられていく…。

しかし最近、研究者の調査で、櫻谷の画法が想像以上に先進的、

革新的なことが判ってきた。孤高の画家・木島櫻谷の真髄に迫る。

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【出演】日本画家…竹内浩一,泉屋博古館学芸員…実方葉子,【司会】井浦新,高橋美鈴

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放送日

2017年11月19日 

 

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木島櫻谷とはどんな画家だったのか

木島櫻谷(このしま・おうこく)近代の京都を代表する日本画家。

明治10年(1877)京都・三条室町の商家に生まれ、

円山四条派の流れをくむ今尾景年に入門し画技を学びました。

20代から頭角を現し、明治後半から大正期にかけて文展・帝展の花形として

文展の寵児」とまで呼ばれ、

京都画壇の巨人・竹内栖鳳と並び立つ人気を博しました。

昭和13年(1938)に不慮の事故により亡くなりました。

http://4.bp.blogspot.com/-JniwMWc7XPY/UtszhCZhdaI/AAAAAAAAEZI/rfUFx3VmVkk/s1600/%E6%9C%A8%E5%B3%B6%E6%A1%9C%E8%B0%B7_%E7%8D%85%E5%AD%90.jpg

 

どこが評価されたのか

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櫻谷の魅力は、徹底した写生に裏打ちされた「動物画」です。

瞬間を絵の中に定着させる徹底した観察眼と墨の濃淡で描く技術が目を奪います。

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さらに押さえておきたい作品が「寒月」(京都市美術館蔵)です。

月夜の竹林に現れた一頭の狐を静謐なトーンで描いた作品ですが、

「屏風にするよりも写真屋の背景にした方が適当な絵である」と

夏目漱石が酷評したことでも知られています。

http://souda-kyoto.jp/blog/img/00262/07.jpg

鮮やかな色彩と躍動感が伝わってくるのが2008年発見された

幻の作品「かりくら」です。

いまにも動き出しそうな馬の描写には、櫻谷が若い頃から修練していた

写生の技術が活かされています。

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http://souda-kyoto.jp/blog/00262.html

 

京都で人気沸騰。ブームは起きるか?

櫻谷の回顧展は2013年京都で開催され大きな反響を呼びました。

異例の4年というショートスパンでの展覧会が、

生誕140年を記念して、京都・泉屋博古館で10月28日から12月3日まで開催されます。

www.sen-oku.or.jp

 

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 漱石先生 この絵はお嫌いですか~孤高の画家 木島櫻谷~

前編

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この秋、幻の絵と言われていた日本画が蘇りました。

高さ2メートル50センチの大作。

100年ぶりに見つかり修復された絵は、

京都泉家博古館の展覧会で見ることができます。

 

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狩りの腕を競い合う武者たち。

ススキ野原を駆ける馬たちは躍動感にあふれています。

明治43年、当時日本の最高峰と言われた文部省美術展「文展」で見事入賞した作品です。

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実は海外で出品された後行方がわからなくなっていたのです。

発見されたのは意外な場所でした。

櫻谷邸の蔵の中、曾孫の門田理さんです。

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「ちょうどこの箱のこの上にあったんですよ」

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「開けますとと、馬がちょろっと見えた。

ボロボロというか、端っこの方は完全に劣化したような状態になっていた」

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およそ100年ぶりに現れた「かりくら」。

 

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しかしその姿は見るも無残なものでした。

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なんとか蘇らせたい。剥落した部分を埋め、色彩を取り戻すため

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2年間にわたる修復が続けられました。

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そして今年9月、およそ100年ぶりに鮮やかな姿を現したのです。

 

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この日を待ち望んでいた人がいます。日本画家の竹内浩一さんです。

竹内さんは櫻谷と同じ動物画を得意としています。

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去年は大徳寺塔頭芳春院の襖絵を10年がかりで完成させました。

櫻谷の絵には簡単には捉えきれない奥深さを感じるといいます。

「櫻谷の場合、動物が主体ですけれど、その背景にある枯れ草がものすごい仕上がりなのです。自然の、草むらの空気感とか気配とか、そんなものをちゃんと捕まえながら描いています」

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当時櫻谷は34歳。京都ではすでに一流の画家として知られていました。

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明治10年。櫻谷は京都三条の商家の次男として生まれます。

 

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幼い頃から絵を描くことに才能を示し、

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画家の道を志します。

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16歳で京都画壇の重鎮・今尾景年に弟子入りし、めきめきと頭角を現します。

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風景画に歴史画。なんでも描ける技量はありましたが、

中でも動物画に才能を発揮します。

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櫻谷24歳。今に残る最も若い時代の作品です。

 

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目の前を走り抜けていくイノシシ。

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その勢いに驚いて草むらから飛び立つ鳥。

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毛並みの一本一本を墨の濃淡で丁寧に描いています。

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毛描きという手法です。

円山応挙を祖とする京都の伝統的な技法を20代で我がものにしています。

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そして、今回初披露となる「獅子虎図屏風」

 

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自然界ではありえない獅子と虎が向き合う大胆な構図。

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一対の屏風の中で迫力ある姿を描ききっています。

動物画の櫻谷。その真骨頂と言われるのがその表情。

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やさしい眼差しで、どこかもの言いたげな獅子。

こんな豊かな表情を描いた櫻谷は、実はある場所に多く通っていました。

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それは京都市内の動物園。明治36年に開園しました。

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櫻谷はできたばかりの動物園に毎日のように通いつめます。

 

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当時は珍しいライオンなど、一日中檻の前に座って写生しました。

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その熱意がわかるものが動物園から贈られた年間パスポートです。

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描きに描いた櫻谷の写生帳。その数は600冊に上るといいます。

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横向き、後ろ向き。

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そしてまうえから。こうした努力を積み重ね、動物の表情を自在に描ける力量を身に着けていったのです。

 

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さらに、日本画の大家のもとで磨いた類まれな技術もありました。

その才能が伺われる「奔馬図」。

輪郭藍を用いず筆の側面で一気に動物の本質を掴みます。f:id:tanazashi:20171119141509p:plain

木な肉の盛り上がり。くびれ。三段階濃さの墨を使い分け筆で描く日本画特有の「付立法」。今回100年ぶりにその姿を表した「かりくら」。画家・櫻谷の真髄もまた蘇りました。

 

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放送記録

av98ingram.wpblog.jp

 

書籍 

美術フォーラム21 第30号 特集:現代美術の歴史学――戦後の日本

美術フォーラム21 第30号 特集:現代美術の歴史学――戦後の日本

 

絵画

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展覧会等

「生誕140年記念特別展 木島櫻谷 ―近代動物画の冒険」

会場:泉屋博古館 京都市左京区鹿ヶ谷下宮ノ前町24

会期:12月3日(日)まで

【巡回予定】

生誕140年記念特別展「木島櫻谷」

Part I 近代動物画の冒険 2018年2月24日(土)~4月8日(日)

Part II 木島櫻谷の「四季連作屏風」+近代花鳥図屏風尽し 2018年4月14日(土)~5月6日(日)

会場:泉屋博古館分館 東京六本木一丁目住所 東京都港区六本木1丁目5番地1号

 

「木島櫻谷の世界」展

会場:京都文化博物館

会期:12月24日(日)まで

 

「櫻谷文庫(木島櫻谷旧宅)」秋の公開予定

住所 京都市北区等持院東町 56

公開日 2017年11 月 17日(金)~19 日(日)、11 月 23 日(木・祝)~26 日(日)、12月1日(金)〜3日(日)