チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

Reborn~再生を描く~

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自分の身にいったい何が起こったのか。これからどう生きていけばいいのか。脳損傷をきっかけに絵の才能が開花し戸惑うディジュリドゥ奏者・画家GOMA、再生の日々を描く

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ディジュリドゥ奏者・画家GOMA。8年前、交通事故で脳を損傷。高次脳機能障害をおった。一方、事故から2日後、全く造詣のなかった絵の才能が開花。以来描かずにはいられない衝動に駆られ、脳裏に浮かび上がるイメージを点描画に描いてきた。自分の身にいったい何が起こったのか。アメリカを旅し、サヴァン症候群の研究者や同じ経験をした人物を訪ね、どう生きていけばいいのか見つめる。そして大作「火の鳥」に挑む。

ETV特集「Reborn~再生を描く~」

放送:2018年2月17日

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1973年1月生まれ。大阪府出身。オーストラリア先住民族の管楽器ディジュリドゥの奏者・画家。

1998年にオーストラリアで開催されたバルンガディジュリドゥコンペティションにて準優勝を果たし、国内外で活動。2009年11月に交通事故に遭い、高次脳機能障害の症状により活動を休止。まもなく点描画を描き始める。2010年に初の個展「記憶展」を開催。2011年に音楽活動を再開。2012年に本人を主人公とする映画「フラッシュバックメモリーズ3D」に出演し、東京国際映画祭にて観客賞を受賞。以降、音楽や絵画、講演会など活動を広げている。

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ゴマは今、一日の大半を絵を描いて過ごしている。

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描くのは点描画だ。

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脳裏に浮かび上がるイメージを点に落とし込める。
「今日も朝から、これがこびりついていたから。頭に。早く出さないと」

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こうして生まれた作品は500点を超える。

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ゴマは8年ほど前まで、絵を描いたことはまったくなかった。

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36歳の時、人生が一変した。
高速道路で追突事故にあった。
精密検査の結果、異常は見当たらなかった。
しかし、その後次々と異変が現れた。
左半身に力が入らない。
時間の感覚がわからない。
そして、記憶が消えている。
「常に葛藤だった。なんで覚えられないんだろうとか。周りの人たちと会話が成立しづらくなる。社会から疎外感が自分の中で生まれてきて、おかしいんじゃないかと思い始める」

事故から半年後、外傷性脳損傷による高次脳機能障害と診断された。
記憶や認知、感情、言語などに様々な障害が現れる。
事故に遭う前の記憶が曖昧になっている。

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一時は自分がデジベリュー奏者であったことも忘れていた。
「自分なんだけど自分じゃないような」
20年前、単身オーストラリアに渡ったゴマ。

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ディジュリドゥの神様といわれるジャルーグルウィウィから手ほどきを受け、
アボリジニ以外の奏者としてはじめて本場の大会で準優勝を果たした。

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「そこでなにをしていたのか。記憶に感情がない」

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交通事故から二日後のことだった。
ゴマはふと、4歳の娘の絵の具を手に取った。

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描かずにはいられなかった。
毎日。毎日。
朝から晩まで。
「なんで俺。絵を描いているんだろう。たまに冷静になると不思議でしょうがなかった」

自分の身に一体何が起こったのか。
これからどう生きていけばいいのか。

この夏、ゴマは旅に出た。
アメリカ。フロリダ州マイアミ。

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脳の損傷をきっかけに新たな能力が現れた事例を調査している人を訪ねた。

認知神経科学と哲学が専門のブリット・ブロガード教授。
ゴマはなぜ書きたいという衝動にかられるのか。
聞き取りが始まった。

「音楽だけが得意であとは普通だったのですね」「普通でした」
「絵を描き始めたのは事故からどれくらいたったときですか」「2日後です」

日本から持参した脳画像を見てもらう。
「小さな損傷が脳のさまざまなところに見られます」
前頭葉にもいくつか傷があります」
前頭葉には幾つもの血流低スカも見られます」

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「これはあなたに起こっている記憶や認知の問題の原因の一つかもしれません」

前頭葉を損傷すると感情や行動をコントロールする機能にも影響を及ぼすことがあるという。

前頭葉を損傷すると前頭葉が発達する前のこどものようになってしまうことがあります。すると大人でありながらも子どものように衝動に突き動かされ、創作や芸術の活動にのめり込むようになる可能性があります」
「また、このような前頭葉の左部分の損傷により、時として反対側の脳である右脳の再組織が促されることがあります。つまり左脳で起こったダメージにより、右脳の機能が高まっていく可能性があるのです」

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これは脳の空間認識力を調べるテスト。

脳の注意機能を調べるテストをした時だった。

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文字を読み上げるのではなく色を答える。

「脳がパンクしそうです」
ゴマに異変が起きた。
反応がない。

・・・彼は意識を失っている状態だと思います。
「そのようですね」
・・・こうしたことはしばしば起こるそうです。

極度の緊張や集中で、突然意識を失う事がある。
事故以来、いくども。この後遺症に苦しんできた。

「起こっているときのことは覚えていない。あとで聞かされたときにすごい落ち込む。ああ、またやってしまったか。みたいな。がんばって生きていかないとね」
「倒れたりすることはすごい不安。ただ、そこに焦点をあわせていると生きれない」

意識が戻る途中。ある世界が見えるのだという。

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ゴマとそれをひかりと呼んでいる。

「意識が戻るときに見る光がものすごく強いから、その光の中に入っていくイメージがある。その感じを得に入れたいというのが常にある。何か導かれるみたいな感じ」

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「あなたは明らかに”後天性サヴァン症候群”だと思います。何よりもまず、事故前は全くやっていなかった絵を描くようになったこと。それだけでなく絵を描きたいという衝動。そのことへの関心や才能があること。これは間違いなく”後天性サヴァン症候群”だといえるはずです」

”後天性サヴァン症候群”脳の損傷をきっかけにそれまで眠っていたアート・音楽・数学・記憶力などの能力が突如現れる。

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ブロガード教授の紹介で後天性サヴァン症候群になった人を訪ねることにした。

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バージニア州

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デレク・アマートさんは11年前プールに飛び込んだ時頭を強打。

事故から5日間眠り続けたアマートさんに、音楽の才能が芽生えたのです。

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「僕はなぜかわからないのですが、そのピアノに引き寄せられて、突然弾き始めたのです。(そのときどんな気分でしたか)自分一人の世界になったように感じました」

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楽譜を読んだことすらなかったデレク。

頭のなかに音が形になって浮かぶようになったという。

「事故に遭って以来、自分の周りに白と黒のブロックが見えるようになったのです。今も見えているんですが、それを鍵盤や楽器に当てはめていくとメロディーになっているのです」

今ではこの能力を生かし、ミュージシャンとして活動している。

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「たくさんあります。とにかく毎日できるだけ作曲や音楽制作をしていたいんです」

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「自由です。なぜなら、そこは私だけの空間だから」

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事故から8年。

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いつも家族がいた。

当時一人娘は4歳だった。 

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「これ見たらいまだに感動する。元気もらう」

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