チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

アートシーン・終わりのむこうへ : 廃墟の美術史

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終わりのむこうへ : 廃墟の美術史

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元田久治が描く廃墟となった渋谷。

東京の渋谷区立松濤美術館。廃墟を描いた絵画の展覧会です。

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編み物をする母親の背後にあるのは

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崩れかけた古代ローマの廃墟です。

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廃墟をたびたび描いた岡鹿之助。これはフランスにある中世の廃墟だと思われます。

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展覧会は2019年1月31日まで。

 

終わりのむこうへ : 廃墟の美術史|松濤美術館

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会場:渋谷区立松濤美術館

会期:2018年12月8日~2019年1月31日

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アートシーン・国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア

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国立トレチャコフ美術館所蔵
ロマンティック・ロシア

 

 

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最新のファッションに身を包んだ女性が魅惑的な眼差しを投げかけています。

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モスクワにあるトレチャコフ美術館が誇る19世紀の名画。

ロシアのモナリザと呼ばれています。

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「この時代ロシアでは女性の開放や自由がうたわれました。19世紀は嵐のような変革の時代でそんな中にも人々は喜びや素晴らしいものを見出してきました」。

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今東京渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで19世紀から20世紀初頭のロシアの名画が公開されています。ãæ­£åãã¢ã¹ã¯ã¯éå¤ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

夏、明るい光が広大な大地を照らします。

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たわわに実ったライ麦

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農作業に向かうところでしょうか。数人の農夫がのんびり歩いています。

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そして秋。人気もなく森は静けさに覆われています。

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その森の奥に向かって曲がりくねった小川が流れています。

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冬。樹氷に包まれた木々が日差しに照らされキラキラと光を反射しています。

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水溜りが出来た道を傘をさして歩いていく男女。

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生い茂る樫の木々が雨に煙っています。

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暗く沈んだ海。手前には光がさしているのでしょうか。

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嵐の前の不気味な静寂。ロシアの自然がドラマチックに描かれています。

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人物画も小説の一場面のようです。

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この美しい女性。酔いを覚まそうとパーティーを抜け出してきたのでしょうか。

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それとも密やかな合挽きでしょうか。作家のトルストイや作曲家チャイコフスキーが活躍した当時。美術の分野でも多くの名画が描かれました。

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この展覧会は2019年1月27日まで開かれています。  

 

会場:Bunkamura ザ・ミュージアム

会期:2018年11月23日~2019年1月27日

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美の巨人たち 宮内省内匠寮「東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)」

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東京都庭園美術館』は元朝香宮家の邸宅。

昭和58年に今の姿へと生まれ変わりました。

外観はシンプルですが、中はラリック作の女神のレリーフ、ミロの抽象画のような扉など生粋のアール・デコ装飾。

しかし設計と内装を担当したアール・デコの重鎮アンリ・ラパンは一度も来日せずトラブル続き…それらを対処したのが日本の匠たちでした。

西洋と日本の匠の技が融合した世界的にも珍しいアール・デコの館がなぜ日本に建てられたのか?

美の巨人たち 宮内省内匠寮「東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)」

放送:2018年12月22日

プロローグ

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クリスマス一色のニューヨークマンハッタン。

空を突き刺すような摩天楼の中にちょっと変わった形のビルが。

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先端を飾るギザギザ模様や幾何学的な形状。1930年代頃アメリカで一世を風靡した、当時最先端の装飾スタイルです。それはこう呼ばれました。

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アール・デコ

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20世紀初頭パリでは植物をモチーフとした曲線的な装飾様式アール・ヌーヴォーの時代が終わりを迎えようとしていました。

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入れ替わるように登場したのがアール・デコ

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直線を多用した幾何学模様の装飾はアメリカで花開き、世界的大ブームを巻き起こします。

時を同じくして日本にもアール・デコの傑作と呼ばれる建物が誕生しました。

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東京都港区。都会の真ん中で深い緑が生い茂るオアシスのような場所にあります。

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今日の作品、宮内省内匠寮作、東京都庭園美術館。旧朝香宮家の邸宅として建てられ、昭和58年美術館に生まれ変わりました。

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外観は潔いほどシンプル。クライスラービルのような独創的なフォルムとは程遠いように見えます。

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ところが中に入ると一変するのです。

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玄関で迎えてくれるのはずらりと並んだ4体の艶やかな女神のレリーフ

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アール・デコのガラス作家ルネ・ラリックの作品です。

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女神の背後にはギザギザ模様が幾重にも。

実はこの模様にこそアール・デコの誕生の秘密が隠されているのですがその話は後ほど。

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さて普段は右手の受付を通り中に入りますが、今日は特別に昔使われていた入り口から。

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実はこのガラスレリーフ玄関扉なのです。

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扉を開けると大広間。

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かつて一階は接客スペースとして使われていました。

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何やら不思議なものが。このオブジェなんだと思います。

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ミロの抽象画のような扉まで。これらは全て生粋のアール・デコ装飾なのです。

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「歴史の正統的な流れをあざ笑うところがあるんですよね」

正統派を嘲笑う異端の芸術アール・デコとはいったい。

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なぜ世界的にも珍しいアール・デコの館が日本に作られたのか。

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この屋敷の主は朝香宮鳩彦と明治天皇の第八公女充子夫妻。

朝香宮邸の建設そこにはアール・デコに魅せられた人々の溢れる情熱と数奇な運命が。

 

アール・デコとの出会い

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東京赤坂。旧東宮御所。現在の迎賓館です。

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あまりの華美な作りに明治天皇が贅沢すぎるともらしたため誰も住むことがなかったと言います。

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その建設を担ったのが宮内省内匠寮。皇室ゆかりの建築物を手掛けるエリート集団です。

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朝香宮邸の建設を担ったのも宮内省内匠寮でした。

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全体設計を任されたのは権藤要吉。

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フランスのアール・デコ芸術の重鎮アンリ・ラパンにも設計とデザインを依頼しました。

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大正12年軍事視察のためフランスに留学していた朝香宮鳩彦はパリ郊外で交通事故に遭遇重傷を負いました。

夫妻は療養のためパリに長期滞在を余儀なくされました。それがアール・デコとの運命の出会いのきっかけとなりました。

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大正14年パリで万国博覧会・通称アール・デコ博が開催。

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会場を訪れた朝香宮夫妻は新たな装飾芸術に目を奪われてしまったのです。主要なパビリオンでデザインや内装を手がけた人物こそアンリラパンでした。関東大震災で住まいを失っていた夫妻は新しい家の設計をラパンに依頼。そのラパンがルネ・ラリックなどアール・デコの最前線に立つ芸術家たちを集め朝香宮邸は生まれたのです。

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彼がデザインした装飾品の一つが次の間にある不思議なオブジェ香水塔。部屋に香りを漂わせるために置かれたものですがその先端は何とも不思議な形。

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建築史家の米山勇さんはこの形にアール・デコの本質が隠されていると指摘します。

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「てっぺんの部分にたくさんの渦巻きはついてますよね。一つの同じ形を何度も繰り返すということ自体がアール・デコの特徴の最たるもの。芸術いっていうのは一つ一つ違うそういうところに価値があると考えられていたわけですが、アール・デコはそれを覆したわけです」。

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ラリックによるガラスのシャンデリアも同じ形が繰り返されたデザイン。

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こちらはガラスを削って加工することで、美しい質感を表現したエッチングガラス。

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抽象画のような模様ですが。「すごく複雑な全体に見えるわけですよね一個一個一個違うっていう。ところがよく見るとこれとこれ同じなんですよねあの裏表反転させただけですよね」。

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たった一つの図柄を組合わせて複雑な模様に見せる視覚のマジック。

一つ一つ手仕事で作り上げる伝統的な手法とは全く逆の、同じものを量産して組み合わせる手法は20世紀の工業化が生み出したものでした。

工業化が生み出した斬新な芸術

「歴史の正統的な流れを嘲笑うところがあるんですよね。同じものが本当に同じ質でいくつもできるということ。なんて素晴らしい時代なんだって。そういう意識が芽生えた時代です。当時の人達からすればむしろ斬新な最新の芸術。それがアール・デコの反復の美だったっていう風に言っていいと思いますね」。

しかしなぜ朝香宮夫妻はこれほどアール・デコにこだわったのでしょうか。

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「明治以降欧米に追いつけ追い越せっていう中で、いかにその世界の最先端に行っているか。欧米にもほぼ見劣りしないんだよっていうところを・当時の宮家が示す必要もあったんですね」。

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朝香宮邸は海外の要人が集まる社交の場でもありました。だからこそ世界最先端のアール・デコをふんだんに取り入れる必要があったのです。

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ところがラパンたちは建設中一度も日本に来ることはありませんでした。装飾品はほとんどフランスで作られ、船便で運ばれたのです。

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大食堂のレリーフも完成品が送られてきましたが、輸送中に破損してしまいました。

一からやり直すしかないかない。

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朝香宮邸の工事録には、材料や工程、注意事項に加え、こんな言葉が。

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「技術優秀なる職工を選びて施工すべし」

アール・デコの館を支えたのは日本の職人たちの技。

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この大食堂の天井も左官職人の仕事でした。「7~8人いて半年ぐらいかかるあの天井だけで」。

この天井だけでなぜそんなに。さらに普段非公開の3階の部屋。ここにも驚きの匠の技が。

 

匠の技とは

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東京都庭園美術館。2階建ての建物に見えますが実は普段は非公開の部屋が一つ、三階にあります。

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ウィンターガーデン。温室です。

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チェッカー模様の壁は大理石。でも床は大理石ではないんです。

細かい石を敷き詰め表面を磨き上げて壁の大理石そっくりの模様に仕上げてあります。

植物を置く温室は床の水はけを良くする必要があったからです。

内匠寮に選ばれた左官職人の仕事でした。

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匠の技は大食堂の漆喰天井にも。

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平成23年からの美術館改修工事の調査に携わった左官職人の湯田さんにその技法について伺いました。

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「これは漆喰を引くコテです。ノミを使ったりしてこの形状を作って」。

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このコテをスライドすることで漆喰の形が作られます。

 

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大食堂の天井はコテによって四つの段がつけられています。

驚異的なのは固定を引く距離。天井は一方が半円形のためぐるりと一気にコテを引かなければならないのです。その長さおよそ25メートル。

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「昔の人は、引いているときは息をついではダメというんです。よくあんな広い面をコテで仕上げた」。

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さらに注目なのがこちらの壁。石灰系の素材で凹凸模様がつけられています。湯田さんが再現してみたのですが。

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「こっちがノッペリ見えるんです。パターンの山の高さがちょっと足りない。材料を柔らかくこねても立体感が出ないし、硬くこねてもスピード感が出ないと思うんですね。材料のこね具合と作り方で素晴らしい立体感が出ている」

当時の職人による熟練の技が、独特な存在感を放つ壁を作り上げました。そして同一模様の反復が目を楽しませる壁にも。4段に仕上げられた天井の美しさにも、アール・デコの繰り返しの美学が息づいているのです。

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庭園美術館で今、ひそかな人気を誇るのが部屋ごとに趣向が変わる「ラジエーターカバー」。

「インスタグラムに写真が上がるんですが、人気があるのは各部屋の照明器具とラジエーターカバー」

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中でも女性らしいのが信子妃殿下とお嬢さんの部屋のものですが、デザインしたのは意外な人物でした。

意外なデザイナー

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庭園美術館の二階は家族が暮らした住居スペースでした。そのプライベート空間で見逃せないのがお嬢さんの部屋。

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実はこの部屋だけ竣工当時の壁紙と寄木細工の床を見ることができるんです。

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2階の各部屋の壁紙は信子妃殿下が選んだもの。

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この部屋の主次女の清子さんの言葉です。

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明治天皇の娘ではなく現代に生まれていたら母はきっと建築家か装飾デザイナーになっていたかもしれません。夢中で作業していた姿が目に浮かびます」。

お気づきでしょうか妃殿下と姫宮の部屋のラジエーターカバー。

デザインしたのは信子妃殿下だったのです。パリ滞在中に水彩画を習うなど妃殿下は芸術に造詣が深い方でした。さらに、「工事をしてる時にもう結構頻繁に現場に足を運んでいたらしいんですね」。

庭園美術館を訪ねると感じるのです。洗練された空気感。凛とした気高さ。フランスの芸術家や職人の技だけでなく妃殿下の息づかいが残っているからなのかもしれません。

戦後屋敷の新たな主になったのは吉田茂でした。その後迎賓館として使われ、昭和58年美術館に生まれ変わります。

アール・デコの時代は短く、やがて時代はモダニズムへ。

装飾過多。悪趣味と批判され戦後の再評価を静かに待つのです。

宮内省内匠、パリの芸術家、そして朝香宮夫妻が情熱を注いで創り上げた東京都庭園美術館。都会の森に静かに佇むアールデコの美。

 

 

 

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アートシーン・美術への挑戦 1960's-80's 秘蔵されていたアート・ブック

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美術への挑戦 1960's-80's
秘蔵されていたアート・ブック

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1960年代から80年代まで、本を媒介とした芸術作品が盛んに発表されました。

世界中で巻き起こったアートブックの活動に注目した展覧会です。

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1950年代からいち早くアートブックを発表し始めたディーター・ロート。

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コンクリート・ポエトリーと呼ばれる詩です。

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並んだ文字を目で楽しみます。互いに対称の形をしたBDPQ。まるで文字を使った遊びのようです。

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1960年代にエドワード・ルシェが発表したアートブックです。

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青が印象的なプールの写真。めくると白いページが現れます。

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ページをめくるテンポまで考えられた本なのです。

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最後は割れたグラスのページが。

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ミステリーのような作品です。

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1970年代ディーター・ロートはさらにアートブックを発展させました。

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分厚い本の表紙に小さな本を入れ込んだ作品。

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本は新聞紙でできています。

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こちらの方は電球をつぶして閉じ込めています。

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アートブックは表現の場として成長していきました。

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「どちらの方が大好きというところから出発しているんですけれども、そこからまた二人違う方向にバラエティに富んだ方向に行ってるということでとても注目すべき事だと思う」

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この展覧会は埼玉県の浦和美術館で2019年1月14日まで開かれています。

 

 

 

会場:うらわ美術館

会期:2018年11月17日~2019年1月14日

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アートシーン・エキゾティック×モダン アール・デコと異境への眼差し

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エキゾティック×モダン
アール・デコと異境への眼差し

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1920年代パリで花開いた美術アールデコ

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それはヨーロッパの歴史的な様式に加えアフリカや中国イランなど異国文化が混じり合う新しいスタイルでした。

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このエキゾチックな美術には日本の芸術家も大きく貢献しました。

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フランスの芸術家ジャンデュナンの大作です。漆が塗られ金や銀を使って華やかに仕上げられています。

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漆の技法は日本人から学びました。

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伝えたのはパリで活動した菅原精造。作品全体に漆が施されています。

フランスの作家たちはこぞって 海外の芸術を取り入れます。

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アールデコの時代はフランスが最も広範な植民地を手にした時代でもありました。

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「大きな関心の一つとして植民地のテーマというのも美術の数多く現れてきます。

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植民地主義のネガティブな一面からこれまで紹介されることがフランスでもあまりなかったのですが、近年になって正視してみようという動きがあり、そうしたものの見方というものを紹介したい」

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東京都庭園美術館で2019年1月14日まで。 

 

会場:東京都庭園美術館

会期:2018年10月6日~2019年1月14日

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アートシーン・大千住 美の系譜 -酒井抱一から岡倉天心まで-

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大千住 美の系譜
-酒井抱一から岡倉天心まで-

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江戸時代から接骨の名医の家として知られた名倉家。受け継がれてきた作品には貴重な資料が含まれています。

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琳派の絵師酒井抱一の作品。菊の花を生けた大きな酒瓶。

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ほろ酔い加減のユニークな菊慈童です。

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抱一の孫弟子にあたる村越其栄の作品。銀白や金泥が使われた豪華なもの。

其栄は千住を拠点として活躍しました。

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当主の還暦祝いに作られた色紙帳です。およそ100人が名を連ねました。

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中には横山大観菱田春草の名前も。そうそうたる人物との交友が分かります。

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この展覧会は足立区立郷土博物館で2月11日まで。 

 

会場:足立区立郷土博物館

会期:2018年10月30日~2019年2月11日

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アートシーン・産業の世紀の幕開け ウィーン万国博覧会

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産業の世紀の幕開け
ウィーン万国博覧会

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高さが2メートル近くもある花瓶。明治6年のウィーン万国博覧会に出品されました。

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染付で描いた富士山。

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松の根元には御所車。

金が贅沢に使われています。

ウィーン万国博覧会で日本の文化は大きな反響を呼びました。

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職業別の服装が分かる人形。裃を着た武士。

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他の二つの人形が商人と職人だと考えられています。

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こちらは500年もの歴史がある会津の絵ろうそくです。

普段は花を描くのですが、博覧会用に特別な図柄を考案したようです。

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万博によってヨーロッパに広まるジャポニスム

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クリムトは着物や能面甲冑まで所蔵していたと言います。

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墨田区たばこと塩の博物館で2019年1月14日まで。 

 

会場:たばこと塩の博物館

会期:2018年11月3日~2019年1月14日

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