チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

アートシーン・「バブルラップ 「もの派」があって、その後のアートムーブメントはいきなり「スーパーフラット」になっちゃうのだが、その間、つまりバブルの頃って、まだネーミングされてなくて、其処を「バブルラップ」って呼称するといろいろしっくりくると思います。特に陶芸の世界も合体するとわかりやすいので、その辺を村上隆のコレクションを展示したりして考察します。」

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「バブルラップ
「もの派」があって、その後のアートムーブメントはいきなり「スーパーフラット」になっちゃうのだが、その間、つまりバブルの頃って、まだネーミングされてなくて、其処を「バブルラップ」って呼称するといろいろしっくりくると思います。特に陶芸の世界も合体するとわかりやすいので、その辺を村上隆のコレクションを展示したりして考察します。」

世界的に活躍する現代美術家村上隆が自身のコレクションをもとに企画したバブルラップ。長いサブタイトルが続くユニークな展覧会です。

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バブル経済期を中心とする時代の数々のアートムーブメント。

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そこに1990年代以降の現代芸術をあわせて俯瞰する。

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それによって戦後の美術をとらえなおそうという意欲的な試みです。

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村上隆の最新のアイデアに触れる展覧会。熊本市現代美術館で3月3日まで。 

 

会場:熊本市現代美術館

会期:2018年12月15日~3月3日

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アートシーン・開館5周年記念展 美のスターたち ―光琳・若冲・北斎・汝窯など名品勢ぞろい―

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開館5周年記念展 美のスターたち
光琳若冲北斎汝窯など名品勢ぞろい―

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個性あふれる美術館が揃う箱根の街。

その箱根で日本と中国、韓国の名品およそ450点を集めた大規模な展覧会が開かれています。

見所の一つ目は美人画

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「当館が収蔵する美人画の双璧と言えるのがこちらの2点です。

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葛飾北斎の夏の朝は男物の着物がかかっていますので

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夫が起きてくる前に一生懸命身支度を整える妻のいじらしい女心が伝わってきます。

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腕や足を露わに見せまして、色気も漂ってきます。

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一方上村松園の汐汲みは、汐汲みという舞踊を元に描いたものです。海女を描いていますが、

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透明感のある色使いで清らかなこの世の人とは思えないような美しい女性像に仕上がっています。それぞれに異なる美しさを追い求めたものと思います」。

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こちらは現代日本の写実画を代表する画家、森本草介の作品。布の質感を繊細に描き分け、静けさの中上品な雰囲気が漂います。

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もう一つの見所が動物画です。

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こちらは伊藤若冲の孔雀鳳凰図。2015年、およそ80年ぶりに発見された幻の作品です。

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左の鳳凰は胸から背にかけて様々な色彩を複雑に組み合わせ、絢爛豪華を極めています。

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そして右の孔雀は絹地本来の光沢も活かした胡粉による細やかな描写が印象的です。

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可愛らしい子犬を描いたのは円山応挙です。

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茶色の犬の体には輪郭線がなく、濃淡の変化と筆使いでやわらかな毛を表現。

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一方白い犬は輪郭線だけで子犬の丸みのある体を捉えています。あるがままの姿をうつす写生を重んじた応挙ならではの子犬図です。

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朝鮮王朝の時代に描かれた虎です。

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卵型の大きな目玉に毛虫のような眉毛がなんともユーモラス。

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枝にとまっているのはカササギです。古来中国では虎とカササギの組み合わせはおめでたいとされ朝鮮王朝では独特の虎図が描き継がれて行ったのです。重要文化財を含む数百点の焼き物も公開されています。

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箱根岡田美術館で3月30日まで。 

 

会場:岡田美術館

会期:2018年9月30日~3月30日

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アートシーン・顔真卿 ―王羲之を超えた名筆―

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顔真卿
王羲之を超えた名筆―

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唐の時代、楷書の名士として知られた顔真卿。その最高傑作と言われる書が日本で初めて公開されます。西暦709年、唐の長安で生まれた顔真卿科挙に合格し官僚として皇帝に使えるようになります。

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755年安禄山と史思明による安史の乱が勃発。太平の世が長かった唐にまともに戦うものがおらず、都市は次々と陥落してしまいます。顔真卿のいとことその息子も敵に囚われ殺されてしまいました。顔真卿は2人の遺体を運ばせると、甥の追悼のための文章を書きました。

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それが祭姪文稿です。これ乾元元年で始まる文章は、書き出しの数行こそ冷静さを保っているように見えます。

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しかし書き進むにつれ、感情が高ぶり筆は縦横に走り生々しい推敲の跡が目立つようになります。父は賊の手に捕らえられ、子は殺され、正に鳥の巣が傾いて中の卵が転げ落ち、壊れてしまった。

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天は災いを下したことを悔いはしないが、なぜこのような苦しみを受けなければならないのか。

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1200年以上の時を経て今も心を突き動かす激情の書祭姪文稿日本初公開です。

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上野の東京国立博物館で3月24日まで。 

 

blog.kenfru.xyz

 

 

会場:東京国立博物館 平成館

会期:2019年1月16日~2月24日

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美の巨人たち 吉村芳生「新聞と自画像」

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誰が見ても新聞の一面。でもそこに顔が描かれています。

さらによく見ると…なんと活字も写真も広告も全て描いたものなのです!

吉村芳生の作品には美しさを越えた得体の知れない何かが秘められています。

緻密さに圧倒される『新聞と自画像』もそのひとつ。大きさは実際の新聞の2倍。

鉛筆や色鉛筆を使い3週間費やして完成させました。

誰にもできる、でも誰もやらない、誰にもできない方法で。

吉村芳生という大いなる謎に迫ります。

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美の巨人たち 吉村芳生「新聞と自画像」

放送:2019年2月2日

プロローグ

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北京五輪開幕。随分古いなぁでも。何か変だ。写真じゃない絵だ。

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活字も違う。手書きか。一面まるごと。

顔がある。何でこんなことをこの世界に。

そんな人間が存在するのか。

もしかして、そうこの人です。

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名を吉村芳生

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2013年に63歳でこの世を去った画家です。

 

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吉村芳生は鉛筆画家とも呼ばれていました。

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一本の鉛筆が生み出す驚きの世界。

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色鉛筆だけで描いた奇跡の花

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超絶技巧のスーパーリアリズム

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吉村の作品は一見そう見えるのですが。

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そこには美しさを超えた得体の知れない何かが秘められているのです。

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今日の一枚は東京駅にある東京ステーションギャラリーに展示されていました。

吉村芳生の作品が一堂に会するのは東京では初めてのことです。

 

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「おそらく、絵を描く喜びとは無縁の仕事なんです。描くという行為を一回全部分解して組み立てなおすという。そのことによって絵とは何かということを改めて考え直させる」。

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その集大成であり代表作がこの膨大な作品群。その中に。

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今日の一枚、吉村芳生作「新聞と自画像」。

2008年8月9日土曜日の新聞です。縦146センチ、横109センチ。

本物の新聞のおよそ二倍以上の大きさです。

紙の上に鉛筆と色鉛筆。水性ペンや墨、水彩絵の具を使って描かれています。

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カラー写真の部分は色鉛筆で選手の顔が分かるほどとても丁寧に描かれています。日付も見出しもリードも広告も全て手書き。

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細かな文字も活字のように写し取られています。

その紙面の上に大きな自画像が鉛筆で描かれているのです。

吉村芳生はこの新聞と自画像シリーズを何枚も描いています。

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描いていると言えばいいのか、書いていると言えばいいのか。

それとも映していると言えばいいのか。

一体これは絵画なのか。

そう考える前にこの作品に費やされた膨大なエネルギーと時間と根気と労力に圧倒されてしまうのです。

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果たして吉村芳生とは何者なのか。

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これは吉村が描いたジーンズです。 彼曰く、だれでも描けるというのですが。その描き方の一端がこちら。

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線を引く。

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数字を書く。 塗りつぶす。どういうこと。

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しかも息子さんがこの番組のためにお父さんの作品を再現してくださいました。

どうやって父は作ったのかと。

 

リアルなジーンズの描き方

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ではこのジーンズの描きかたを公開いたしましょう。まずジーンズをモノクロで撮影します。そして写真を絵の大きさに合わせて引き伸ばします。

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引き伸ばした写真に鉄筆で2.5 mm×2.5 mm のマス目を引いていきます。

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さらに各マス目の濃度を0から10段階に分類します。

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吉村の作業を捉えた貴重な映像が残されていました。無心に機械的に数字を書いていきます。

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最も明るい部分は0。2番目に明るい部分は1。最も暗い部分は9という具合です。

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その数字を同じサイズの方眼紙のマス目にひたすら書き込んで行きます。

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こちらが吉村の描いた実物。まるで数字だけが並んだ絵です。

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そして透明フィルムを重ね0は一本。1は一本と数字に対応する斜線を引いているのです。

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ひたすらマス目を斜線で埋めていけばどうなるかと言うと。

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とってもリアルなジーンズの完成です。彼はこう言っています。「僕はやっぱり誰も描いたことがないようなもの描いてみようとか、今までの描き方とか、見たことないもの作品にしようと思ってましたから」。

あきらめない人

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吉村義男は1950年に山口県防府市に生まれます。

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県内の芸術系の短期大学を卒業し、広告代理店にデザイナーとして勤めていました。

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26歳の時に東京に出て創形美術学校で版画を学びました。

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その在学中画廊の個展で発表したのが全長17メートルに及ぶ金網のドローイング。金網の模様をじかに描いたわけではありません。

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ケント紙の上に金網を置き、その上からプレスをかけて紙に残った金網の跡を鉛筆でなぞったのです。

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編み目の数はおよそ18000。吉村は70日間ただひたすらなぞり続けたのです。

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吉村芳生の自画像です。

1981年7月24日から1982年7月23日に至る365日間の自分の顔を描き続けたのです。

写真ではありませんもっとも身近な題材を9年の歳月をかけて完成させたのです。

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「僕は小さい頃から非常に諦めが悪かった。しつこくこだわってしまう。僕はこうした人間の短所にこそすごい力があると思う」。

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吉村芳生はあきらめない人なのです。では今日の作品。

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新聞と自画像はどうやって生み出されていたのでしょうか。

 

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山口県山口市の郊外にある徳地は吉村芳生が亡くなるまで暮らした土地です。彼が制作に励んだアトリエのある家は今もご家族が暮らしています。

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息子の吉村大生さんは中学卒業と同時に父に弟子入りし、現在画家として活躍しています。

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「絵を描いているときの父はすごく楽しそうに描いてましたね。その背中を見ていてすごくも集中していて、いい作品を書こうとしている。そういう意識を感じることができました」。新聞と自画像はどうやって作られていたのか。

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今も残る吉村義男のアトリエで、大星さんに再現していただきました。

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まず自分の顔の写真を撮影します。

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プリントした顔写真を A 4サイズに拡大します。拡大した写真に1cm×1cmのマス目を引いていきます。

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続いて新聞紙面と同じグレーの色を塗ったパネルに2.5cm×2.5cm のマス目を引いて行き、

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その拡大率に合わせて顔写真を転写していきます。

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そして陰影をつけていきます。

ある程度顔が出来上がったところでいよいよ新聞の出番。

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パネルの上にカーボン紙を敷いて新聞を重ねます。トレースに使用するのはボールペン。

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赤のインクを使うのはどこまでなぞったか分かりやすくするためです。位置がずれてしまうと台無しになるので慎重に。さらに細かい文字は鉄筆を使わなければなりません。反対側からトレースしていくのは字そのものを意識してないようにするためです。コツコツと気の遠くなるような作業が続いて行きます。新聞の一面を映し終えるだけでも軽く一週間はかかると言います。なぜ吉村は恐ろしいまでの労力を費やして新聞を描いたのでしょうか。理由の一つが輪転機

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新聞紙の印刷工場です。新聞を摺り上げる輪転機が回っていますが、1分間で千五百部を刷り上げることができるそうです。一方新聞と自画像は、一面を完成させるのにおよそ三週間はかかります。理由はもちろん手で描くからです。でもどうして手で描くのでしょう。

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吉村芳生の新聞のドローイングは26歳の時に始まりました。

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1976年11月6日の新聞の全紙面22ページ。

広告もラテ欄も4コマ漫画も全て足掛け3年の歳月をかけて描いたのです。なぜそこまでするのか。

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吉村の言葉です。機械が人間から奪った人間の感覚を取り戻す。

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この作品は現代日本美術展に出品されますが、入選にとどまっています。

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この時審査員を務めた劇作家の寺山修司はこう言っています。「こうした世界の複製の企みを"騙し"とみるのは易いが、作者の意図はそんなところにあるのではないだろう。それはいわば失われた手の復権とでも言ったものかもしれない」。吉村芳生にとって新聞に自画像を組み合わせる作品は手仕事の力で、文明に抗う行為だったのかもしれません。新聞の一面に毎日欠かさず鉛筆で自画像を描き続け、

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1年間パリに留学した時はほとんど外に出ることなく地元の新聞に自画像を描き続けました。

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日々を積み重ね、止まることのない繰り返しを重ねてその数は1000枚にも及びました。

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その一方で吉村はもうひとつの世界を見つけます。

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山口県の山里に暮らしていた吉村は周囲の自然に目を向けるようになります。

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花です。ます目を塗り進めていくという磨き上げてきた技法を使い、色鉛筆で描いたのです。

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これは吉村芳生が描いた最大級の作品。

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近くの川の中州の風景です。

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枯れ草に混じって咲き誇る菜の花。

川面に映し出される曇天の空。

水面のさざなみ。

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それが逆さまに展示されています。

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命が、天と地も、虚像と現実も、日常も非日常も超えていく。

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「制作の方法としては、若い頃写真を元にその写真を一ますごとにカンバスに写し取って行ったというのと同じなんですけれども、

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晩年の花の絵にはある種のメッセージ性が込められるようになってくる。それは例えばその彼の死生観だったりとか、あるいは亡くなった方への鎮魂だとか、そこを読み解いていくのが花の絵を見る時の魅力の一つかなという風に思ってます」。

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息子の吉村大星さんによる新聞と自画像の制作です。

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最後の一文字のトレースを終えて、新聞の一面が全て写し取られ一見8割方終わったように見えるのですが、実はここからが一番大変なのだそうです。カーボン紙で写し撮った文字などを油性ペンを使い分けながらもう一度なぞっていくのです。

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「なぞって行くより大変。失敗できない。清書なので」。

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一つ一つなぞっていく。ぬり潰していく。描いていく。ただひたすら繰り返す。その果てに吉村芳生は何を見たのか。

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残されたのは空白。

吉村芳生のアトリエです。彼が使っていた全120色の色鉛筆が残されていました。ここで鉛筆を削り、ひとますひとます描いていたのです。

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咲き誇る藤の花。縦2メートル 横7メートルの大作です。タイトルは無数の輝く命に捧ぐ。

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吉村芳生東日本大震災の後に描いた鎮魂の花。息子の吉村大星さんによる新聞と自画像の制作。ようやく終盤です。

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最後の一文字を描き終えて、父の手法で作り上げた息子の新聞と自画像。

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「常に新しい可能性を探っていって、執念深いと言うか、チャレンジ精神と言うか、そういうのを少しだけ僕も理解できたかなと思いますね。難しかったです」。

吉村大星さんも父から受け継いだ技法で驚くべき作品を生み出しています。父とは違うものを、さらに磨きをかけて、父の思いを写し取るかのように。

コスモスの花が咲いています。吉村芳生の絶筆です。あと少しの空白を残して。

「目を手をただ機械のように動かす。42.195km を自動車で走るのではなく自分の2本足で走る。マラソンマンは生を刻む時間息を吐く空間を自分のものにするためひたすら走り続けるのかもしれない。僕にとって描くことがそうであるように」。

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2008年8月9日土曜日朝刊の一面です。描いている。書いている。写している。生きていく。吉村芳生作新聞と自画像ひと文字ひと文字ひとますひとます、時を刻む。歳月を刻む。命を燃やして歩みを刻む。

超絶技巧のアーティスト、吉村芳生を知っていますか? | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

 

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アートシーン・REBORN 蘇る名刀

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REBORN 蘇る名刀

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鎌倉時代の名刀。火災のため損なわれました。

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「火事って千度以上に温度が上がるじゃないですか。すると焼入れの効果は全部消えてしまう。鉄の棒になってしまう。

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だからなうねうねとして、そりも変わってしまう。そしてそれをそのまま置いておくとだんだん酸化する。 錆が進行していくんですね」。

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幾多の名刀が戦乱や天災に遭ってきました。そうした日本刀の中には特別な技術を施され再び輝いているものがあります。被災した刀を蘇らせるには名工たちの高度な技術が必要になります。

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人間国宝2代月山貞一。刀の再生にも取り組みました。焼き入れの工程をやり直すことで刀の命である歯を付け直すのです。

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再刃と呼ばれる技術。

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江戸時代の火事で焼けた名刀が月山の手によって輝きを取り戻しました。しかし再刃された方が強度が落ちてしまいます。戦乱の時代にはあまり顧みられませんでした。

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その流れを変えたのが徳川家康です。実用性よりも歴史的文化的意義を尊重し、その美をめでたのです。

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中でも大切にしたのが秀吉にまつわる名刀。大阪夏の陣大坂城と共に炎に包まれたものです。

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これは信長が森蘭丸に与えたという短刀。本能寺の変で焼かれ後に再刃されたと言われます。

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細身の刀身には見事な不動明王の姿。

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しかし今もなお傷んだままの刀が数多くあるといいます。

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「火事で焼けたその後の人の目にさらすっていうことは恥だったんですよ。何台も何百年もそれをひたすら蔵の中で秘蔵してきた。ただ近年ですね天災が多くて文化財も再生するっていうことを今日本中で一生懸命やってますね。そういう姿を目にしてに本当はここでみんなで考えて再生する努力をしたらいいんじゃないかという風に思ったんです」。

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静岡県三島市の佐野美術館で来月24日まで開かれています。

 

会場:佐野美術館

会期:2019年1月7日~2月24日

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アートシーン・姿の美、衣装の美… 肉筆浮世絵

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姿の美、衣装の美…
肉筆浮世絵

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やや腰を落とした優美な姿。

17世紀後半に誕生した浮世絵。初期の頃の貴重な肉筆画です。

版画の浮世絵と同時代に描かれた肉質の浮世絵の展覧会です。

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こちらは18世紀中頃に描かれたおいらん道中。

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華奢な女性が好まれた当時の流行を映し、柔らかな印象です。

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江戸後期になるとキリリと凛々しい花魁に。

かっこいい女性が好まれていました。

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こちらは葛飾北斎が長寿を祝って描いた浮世絵。

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展覧会は奈良県立美術館で3月17日まで開かれています。

 

会場:奈良県立美術館

会期:2019年1月19日~3月17日

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北斎 幻の肉筆画~アメリカに眠る 画狂老人の魂~

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 江戸の天才浮世絵師・葛飾北斎

彼がのこした作品の中で“幻のコレクション”と呼ばれる作品群が存在する。

アメリカ・ワシントンのフリーア美術館が所蔵する220点にのぼる“肉筆画”だ。

北斎が描いた“肉筆画”の中でも質・量ともに世界随一といわれるこのコレクション。

しかし創設者フリーアの遺志で館外への持ち出しは一切禁じられ日本で公開されたことは一度もない。

その全貌に俳優・井浦新が挑む。

【出演】井浦新田中泯あべのハルカス美術館館長…浅野秀剛,大英博物館学芸員…ティモシー・クラーク,【語り】柴田祐規子

北斎 幻の肉筆画~アメリカに眠る 画狂老人の魂~

放送:2019年2月2日

 

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