チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

日曜美術館「萩焼 三輪休雪の世界」

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350年にわたり陶芸界をけん引してきた萩焼の“三輪休雪”の名が十三代へ受け継がれた。

新しいものへの挑戦を文字通り続けてきた歴代の当主たち。

兄弟で人間国宝となった十代、十一代。

ひつぎに横たわる黄金の骸骨「古代の人」など陶芸の枠を越えた独創性を貫いた十二代。

そして十三代は土のインスタレーションや茶わん「エル・キャピタン」が名高い。

これまでカメラがほとんど入らなかった三輪家を訪ね、その伝統のあり方を聞く。

【出演】三輪休雪【司会】小野正嗣,柴田祐規子

 

日曜美術館萩焼 三輪休雪の世界」

放送日

2020年5月10日

 

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50キロの土の塊と格闘する十三代、三輪休雪、68歳。

令和の世になったばかりの去年5月。

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350年あまり続く三輪家の13代を襲名しました。

今花入れを作っています。

繰り返し叩き、押し続けた土の塊。

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今度は日本刀でそいで行きます。

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錆びた古い刀で断ち切った跡に、予期せぬ表情が生まれます。

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「私の表現方法においては、刀で切る、削ぐ。切り跡、削ぎ後とかね、そういうものに限るない魅力を感じてるわけですよね。こういう風にして切ることによって、切ったあとが出てきたりとか、だからいろんな刀を使い分け、表情を作っていく」

10代から13代に至る三輪休雪

常に革新的な作品を世に送り出してきました。

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10代休雪は、それまでの萩焼には無かった柔らかな白。

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休雪白を生み出しました。

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11代休雪作「白萩手桶花入」

土の塊を日本刀で断つという斬新な手法を始めて用い、茶湯の世界に衝撃を与えました。

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12代休雪作「蓮華母」。

高さ106センチ。幅118センチのハスに抱かれた龍神

萩焼の枠に収まり切れないエネルギーを感じさせます。

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そして現在の休雪13代作「雪嶺」。

日本刀の削ぎ跡で大自然の厳しさと神々しさを表現しています。

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日本の陶芸界に斬新な息吹を吹き込む三輪休雪の世界に迫ります。

日曜美術館です。今日は山口県萩市にやってきました。

萩は毛利輝元が400年前に開いた城下町です。小野さんはこれまで来たことは

「今日、初めて参りまして、素晴らしい天候に恵まれて、萩と言いますと近代日本の礎を築いた人たちを輩出したそういう土地柄。と同時に萩焼のイメージがとても強いですね」

今日は350年の歴史がある御用窯である三輪窯にお邪魔しました。13代の三輪休雪さんです。

 

「当事者としてましては、どういう風に評価されてるけどなかなかわからないんですけど、私が三輪窯で初代から12代までその時々においていろんなものを乗り越えてきてくれたわけですから、私もそのライン上に乗るということで、350年を超えるですね。時間軸の重みっていうのは確かに感じています」

 

 

13代が四年ほど前から取り組んでいるシリーズ「EL_capitan」の茶碗です。

狭い茶室の中で緊張感を持って人と人とが退治する茶の湯

そのことを思った時、ふと心に浮かんだのが昔見た巨大な一枚岩でした。

昭和26年。1951年三輪家の三男として生まれた三輪和彦さん。24歳の時アメリカのポップアートに魅せられ留学現代美術専門の大学名門san_francisco artinstituteに入学します。

休みの日に出かけたカリフォルニアのヨセミテ国立公園

自然が日本とは桁違いのスケールで迫ってきました。

そこで出会ったEL_capitan。

聳え立つ高さ1000メートルの一枚岩に圧倒され、畏敬の念すら覚えました。

その衝撃は深く心に刻み付けられ、後に茶碗作りの着想を得ました。

ろくろは使わず4キロの土の塊を薪で叩き、茶碗の高台や口作りは刀でそいで整形します。

土の側にも自分のなりたい形がある。

中途半端な気持ちで臨めば、土が刀を弾き返してくるといいます。

「ここを切ってくれって。そういうことなんです。僕が一方的に作用していくっていうことじゃなくって、彼もそれによって反応するわけね。お互いに作用とかとかその反応とかっていうのを繰り返す。ジャズでセッションであったりとかね、即興のインプロビゼーション。短い時間の中で繰り返していく。その時には俺は今度はこう行くぜっていうと、彼は答える」

 

三輪家から歩いて10分ほどのところにある松陰神社

幕末。数多くの維新の志士たちを育てた吉田松陰が主催した松下村塾がありました。

身分や階級にかかわらず集まった高杉晋作伊藤博文久坂玄瑞らがここで松陰の薫陶を受け明治維新を牽引しました。

「萩は幕末の志士たちの活躍した場所。お家にもですね松下村塾で学んだ志士たちが訪れたりしたっていうようなこともあったんでしょうかね」

「そういうことは聞いています。三条実美候が八代休雪にあてた揮毫なんですが、不走時流ですね。時流に走らずやるべきことをしっかり足元を見てやりなさいという一つの戒めというそういう文言としてとらえてます」

「拝見すると岩肌のように屹立する肌」

ヨセミテ国立公園の中にEL_capitanという名ずけられた花崗岩の一枚岩では世界最大のであると言われているもの」

花崗岩の一枚岩の巨岩それを目にした時には相当大きな何かこうインパクトって言うか終えたっていうことですか」

「それを目の前にした時に畏敬の念を禁じえないっていますかね。今まで味わったことのない印象を感じおののきました。そういう経験体験がそのもう何十年か前なんですけど今ちょっと取り入れてそれを見ていただく方に共有したい」

 

 

「茶碗ですから手取りがいいとかお茶が飲みやすいということが求められるわけですけど私はそれを持つということではなくて、自然が持ってるそういう意気に達したいということ作られたんですけど。どうしてもねある重さとかも必要。ただ軽ければいいくということじゃなくてね」

ここで10代、11代の休雪さんの仕事を見てきます。

10代三輪休雪明治28年に生まれ、15歳で三輪窯の職人になりました。

そして75歳の時、初めて重要無形文化財萩焼の保持者、いわゆる人間国宝に認定されました。

今にも飛びかからんとする獅子。

10代は細工物の名人と謳われた腕で数々の名品を制作しています。

豪快な尾の表現。

たくましい後ろ足。

迫力がみなぎっています。

さらに白い釉薬の開発にも取り組みます。

古い時代の銘品に使われた藁灰釉をさらに改良してこれまでにはなかった柔らかな白、休雪白を生み出しました。

稲藁を燃やしたワラ灰との調合の仕方を20年研究し、春の雪のような白を表現したのです。

11代休雪は先代10代の弟です。

長きにわたり兄を助け57歳で11代を襲名。

73歳の時、陶芸界で初めて兄弟で人間国宝に認定されました。

75歳から荒々しい茶碗。鬼萩作りに本格的に取り組みます。

水でこして取り除いた粗い砂を滑らかになった土に再び混ぜます。

地肌がざらついた程度だった従来の鬼萩とは一線を画した荒々しい土を作ります。

兄10代休雪と共に開発した三輪家の白釉、休雪白をたっぷりと分厚くかけたダイナミックな鬼萩茶碗。

釜の炎でほんのりとピンク色に染まった休雪白と化粧土をかけた土肌が現れた黒との美しいコントラスト。

直径16センチを超える堂々とした鬼萩を支えるがっしりとした高台。

萩花冠高台茶碗銘「命の開花」。

造形作品として自立を目指した11代休雪。

伝統を守るのではなく伝統を作ることに心血を注ぎました。

 

「良くても悪くても自分のものを作る。借り物でない自分の物を作る。あるいは創造といってもいいわけだけど、自分の物であれば自ずと自分の魂が宿って相手方の心を揺さぶると」

11代の三男。それが13代です。

繰り返し乾かしてはくりぬいた茶碗の口作りを仕上げます。

若い頃はおいそれとは作ることができなかった茶碗。

10年ほど前からようやく本格的に手がけるようになりました。

鬼萩を極めた父11代休雪から「茶碗はお茶の道具ではあるが道具だけであってはならない」と教えられた13代。

今ようやく父の言葉が深く心に入ってくるようになりました。

雪嶺シリーズの花入れの薬がけです。

10代が開発した柔らかな休雪白。

13代はこの釉薬にこだわり、白だけで勝負しています。

通常よりもかなり粘り気が強い釉薬です。

中をくり抜き素焼きをした花入れはこの段階でも20キロ以上の重さです。

乾燥した土にたっぷりと釉薬を吸わせます。

釉薬が流れてほしい方向で止め、表面が乾くまで動かさずじっと待ちます。

釉薬のしたたったしずくの先一つ一つの動きまで、緊張感がみなぎっています。

13代三輪休雪作「雪嶺」

叩き、押し、日本刀でそぐ。釉薬の流れ。

険しい山肌に降り注いだ柔らかな雪。

13代が抱く山の峰への畏怖の念が込められています。

スタジオ

「岩肌からやなぎの木が自然に自生して入ってきて」

「命があるものを受け入れる器。小さいその花草でもいのちに変わるものには太刀打ちできない。最初花を生けるものとして当然意識して作ったんですけど、それを受け入れるためには命を預かるわけで、そのためにはただこれ使い勝手が綺麗だとかね、そういうことじゃなくて、大地の一片っていうか。それを作らなければ花に対して失礼だしそれを受け入れもなければならないというそういうつもりで作ったんです」

 

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山口県立萩美術館浦上記念館。

近現代の三輪休雪作品が数多く収蔵されています。

休雪を譲った12代の作品も多数展示されています。

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12代は13代の兄で現在龍氣生と号し、今も旺盛な創作意欲を見せています。

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《蓮華母》

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ハスの花に抱かれた龍神が今まさに天界へ解脱せんとしている姿です。

12代が最も重要なテーマの一つとしてきた死がモチーフです。

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長さ3.6メートル幅1.6メートルの二つの棺に横たわる黄金の骸骨。

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古代の人と名付けたこの作品は自分自身と妻を古代人に見立て、何千年か後に掘り起こされた亡骸として表現しました。

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12代は日本人が忌むべきものとしてとらえがちな死を、人間だれしもが訪れる到達点として考えています。

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パリで行った展覧会では12代の作品は現代アートの傑作として大いなる驚きをもって迎えられました。

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「三輪家の伝統が云々とあるけど三輪窯の伝統なんてだった何もないですよ。もしあるとするならば、やっぱり何かをやろうとする情熱でしょう。私は伝統の中で何が一番大事かつったら、あれをこうしてああするとかね、こうやってつくんだとか。そんなことをね自分が一生懸命やってんね、自分でそれはいくらでも研究してやってきた。昔の人がそれを研究して自分たちで行ってきたんだからね、我々だってそれやればやれないことなない。秘伝という特殊なものがあってね、それを受け継ぐ受け継がない。そんなものは何もないです。あるとすればなんか自分というもの、自分自身を突き動かしてくるもの。そういうものがあるかないかの問題です」

 

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窯焚きです。

朝7時の火入れから一昼夜を超える炎との真剣勝負です。

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初代に始まり13代に至るまで、350年炎と向き合い続けてきました。

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一番手前の作品を入れていない大きな窯・大口にどんどん薪を入れていきます

温度が上がり窯が荒く呼吸を始めます。

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火入れから19時間たった午前2時頃。

作品の入った窯へ移ります。

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慎重に薪を投げ入れます。

釜の中の状態は炎の色や形でも確認しています。

長年の経験と勘が頼りです。

焚き始めて16時間。

「よし」

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テストピースを引き出し、釉薬の溶け具合を確認します。

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薪を入れ続けるか止めるか最終判断です。

「よし。やめ」

火を止めて五日間さまします。

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「EL_capitan」

目前に屹立する巨大な岩の壁。

その壁に挑む人間の雄々しき魂。

13代三輪休雪

伝統をそのまま受け継ぐのではなく、常に新しいものを生み出し、それを伝統に積み重ねていく。三輪休雪の生き様を繋いでいます。

 

スタジオ

「お茶どうぞいただきますと言われましたが、どこから飲めばいいんですか」

「飲むっていう行為が、自然なこととして特に意識せず歩いたりすることと同じで、器で飲むと呑むという行為もまた自然なことではないんだっていうことを意識させられます」

「お茶をいただかれて、何かに力をがみなぎってくるとか、何かが覚醒されるっていうものであっても良いのではないかと思います。例えば昔武士が戦に赴く時に刀を置いてお茶を立て、その人の何か特別な大事なその時に使って頂ければいい」

「今思ってるのは、最初から茶碗を作ろうと思ったらやっぱりできないですね。茶碗というものが頭に最初にあると厳しいものはできないと分かりました。土と私がいかに接するか、そういうことをして、そして最終的にそれをくり抜いていて器にする必要最小限の要素を取り入れることからそうして残ったものが茶碗というものということがわかってきた。最近やっとそういうことが分かってきて、最初もうこれは茶碗でなくてもいい。最終的に残ったもので茶が飲めればいいじゃないかっていうこと」

 

取材先など

 

放送記録

av98ingram.wpblog.jp

 

書籍

 

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展覧会

 

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新美の巨人たち 伊藤博文も愛した豪華洋館『長楽館』

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シリーズ「春の京都で美に憩う」第4弾!大学で建築を学んだというアンガールズ田中卓志さんが京都に建つ洋館『長楽館』の謎に迫ります。
▼迎賓館として明治42年に建てられた『長楽館』。外観は重厚なルネサンス様式。

中は部屋ごとに様式が異なり3階は一気に京都らしい雰囲気に…

そこには“たばこ王”と呼ばれた施主・村井吉兵衛の思惑が!

建築家ガーディナーの大胆な挑戦とは?

さらに各所に施された匠の技をたっぷりお届けします。

 

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美の巨人たち 伊藤博文も愛した豪華洋館『長楽館』

放送:2020年5月2日

この男の名は村井吉兵衛。

たばこ王と呼ばれた明治屈指の財界人です。

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伊藤博文暗殺の知らせに村井が驚いたのも無理はありません。 

その人はつい先日まで落成したばかりの村井の洋館に滞在していたのですから。

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大規模な神社仏閣と華やかな祇園の街並みが人気の京都東山区

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そこに異彩を放つ洋館があります。

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ある部屋はまるでベルサイユ宮殿。

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しなやかなフォルムの優雅な階段。

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かと思えば中華風の装飾。

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こちらはお城の本丸のような書院造。

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和柄のステンドグラスも輝きます。

まるで建築の世界旅行。

それを最初に味わったのがこの人でした。

「この館に遊ばばその楽しみや蓋し長なり。それでは長楽館と名付けるのがよかろう」

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今日の舞台はかの伊藤博文公が名付けた建物です。

旅人はアンガールズ田中卓志さん。

大学では建築を学んでいたとか。

京都に建つ洋館の謎に迫っていただきましょう。

「すごいめちゃめちゃ素敵じゃないですか。なかなかだよね。若手芸人とか入りづらい。素晴らしい」

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京都市指定有形文化財 今日の作品。ジェームスマクドナルドガーディナー設計「長楽館」

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外観は重厚さをたたえるルネサンス様式。

三階建ての洋館です。

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中にはどんな世界が広がっているのでしょうか。

「マジで舞台のセットみたいな。この踊り場すごいよ」

足を踏み入ればそこは非日常の世界。

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一階のホールにせり出した踊り場が劇的な効果を生み出しています。

「こだわりが相当すごいと思うよ。これ作った人。気の遠くなるような作りですね」

こちらは応接間。

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フランスルイ15世の時代に流行ったロココ様式で柔らかく華やかな装飾が目を楽しませてくれます。

さらに一階にはこんな部屋も。

天井には左官職人の手仕事によるレリーフ

バカラのシャンデリアに照らされています。

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柔らかな応接間とは違い、曲線を多用したデザイン。

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ここはルイ16世の時代に流行したネオクラシック様式の食堂です。

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階段はイタリアで生まれたバロック様式

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この階段で二階へ向かうのですがその途中に一風変わった部屋がありました。

壁に中国伝統の雷文の模様。

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一方の床にはイスラム様式のタイルが。

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実はここ喫煙室

こんなオリエンタルな空間で一服するのが明治の上流階級で流行っていたんです。

それでは二階へ。

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長楽館はここからさらに面白くなっていきます。

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「すごい階段。ここに来て襖。京都っぽくなってきた。豪華すぎでしょ。折上格天井。めちゃくちゃ格式が高い」

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二条城を彷彿とさせる折上格天井。

書院造の豪華な日本間です。

「いろんな建築見たけどなかなかこの衝撃は体験したことがないですね」

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一つの建物に世界中の建築様式。

一体なぜこんな洋館が生まれたのでしょうか。

まずはこの館の主の物語から。

 

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京都の貧しいタバコ商の次男として生まれた村井吉兵衛。

九歳で養子に出され商売のイロハを覚えると若くしてその才能を発揮します。

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26歳の時日本で初めて両切り紙巻きタバコを発売し大ヒット。

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サンライス、ヒーローといった銘柄が全国の人気を博します。

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37歳の頃には全国に全従業員一万人を抱えるタバコ王となっていました。

転機となったのは1904年明治政府は日露戦争の戦費を獲得するべくタバコの販売を国営化したのです。

村井は工場や販売網など全てを手放すことに。

代わりに莫大な保証金が転がり込んできました。

それは今でいう700億とも一千億くとも言われる大金です。

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それを元手に村井は銀行起こすなど様々な事業に乗り出すのです。

その莫大な資金をつぎ込んで作った建物こそ長楽館に他なりません。

村井は何でこんな建物を作る必要があったのでしょうか。

各部屋にはそれぞれの目的がありました。

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3階には国内の招待客が泊まる畳敷きの客室を。

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カーテンレールが当時のまま残る二階の洋室は外国人の宿泊に使用されました。

アミューズメントもあります。

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一階のこちらの部屋。

ビリヤード場として使われていました。

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村井がこの建物に込めた狙いを建築史家の倉方先生に伺いました。

「社交の空間としてできている。だからいろんな社交ができるように各部屋が違うしつらえになってるし、当時偉い人の数ってすごい限られてるんで、上の何人かで政治とかいろんなの回してるんで、情報をいち早く得ることが銀行でもなんでも親しい関係を結ぶっていうことがおおきかった」

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実業家として第二の人生を歩み始めた村井吉兵衛。

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長楽館に招いたのは伊藤博文大隈重信

アメリカの石油王ロックフェラーも。

国内外のvipとここで交流を持ちました。

世界に向けて自らを売り込む。

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長楽館は村井が個人で作り上げた私設迎賓館と呼ぶべき建物だったのです。

「でものすごいお金かかってるんですけど下品な感じないっていう

とこがすごいなと思ったんですけど」

田中さんの言う通り。成り上がりの大富豪が建てたのに悪趣味にならず、品の良ささえ感じます。

なぜでしょうか。

設計した建築家がちょっと変わった経歴の持ち主だったみたいですよ。

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アメリカ内陸部ミズーリ州で生まれたジェームズ・マクドナルド・ガーディナー

幼い頃から建築家に憧れを抱き、18歳の時ハーバード大学へ進学します。

しかし志半ば経済的な理由で2年後に退学。

建築家の夢を諦め教職員としての働き口を探しました。

そこで転機が。

その時ガーディナー23歳。後の立教大学三代目校長として意気揚々と来日します。

しかし着任早々教室に入ってショックを受けました。

その建物が地震や台風で倒壊しかねない、半分和風の貧弱な校舎だったのです。

生徒たちのためにしっかりした施設を作らなければ。

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そこでガーディナーは何と独学で学校の校舎や教会を設計し始めたのです。

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するとそれが評判に。

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いつしか多くの教会や個人宅など様々な依頼が舞い込むようになりました。

そして46歳の時、日本に建築事務所を立ち上げます。

「元々建築に少なからず興味を持っていたが、その興味を封じ教育者として来日したのであるが、思いがけず建築の仕事をするようになった。アメリカにいたのでは成功できないような仕事をしたいと心に決めた」

 

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「外交官の家」はガーディナーの代表作の一つです。

アメリカンヴィクトリアン様式の美しい外観。

こちらのサンルームには建築家のちょっとした工夫が。

美しくデザインされた、風の通り道です。

ガーディナー建築の特徴はいわばこんな心配り。

教会建築をルーツに持ち、品の良い建物を作るアメリカ人。

村井吉兵衛もその腕を見込んで白羽の矢を立てたのです。

たばこ王の再出発となる施設迎賓館多額の予算を投じた一大プロジェクトです。

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各国のvip達を招いて恥ずかしくないよう、ガーディナーはあらゆる建築様式を猛勉強。

細部にまでとことんこだわりました。

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「ミリ単位の小さなレリーフみたいな調度品とかそういうところまで一貫してデザインが施されてるんで、豪華なんだけれども質がいいって言うに見えてくる」

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例えば村井家の家紋である「丸に三つ柏」。

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ガーディナーはこれを一つのデザインモチーフに館内の至る所に装飾としてあしらいました。

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よく見なければわからないほど細かいところに。

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超一流の職人たちを集め遺憾なくその技を発揮させたのです。

完成までに5年の歳月を要しました。

こだわったのは細部だけではありません。

この大胆な和洋折衷。

洋から和へとつながるこんな空間は当時のどんな建築にも見られないガーディナーのオリジナル。

赤い絨毯と手すりの木材が、和の世界に見事に溶け込んでいます。

さらに二階から三階へ上る途中には伝統的な茶室を設けたのですが、そこにも大胆な洋風アレンジを加えています。

話の空間に合わせた桜と紅葉のステンドグラスです。

さらに風変わりなのが。

「アーチのデザインってこれも日本の伝統の中にはないデザインなので、わざとこれアーチを強調するかのように。わの空間に全く普通はそぐわないものがここに持ってきてるって言うのをやっぱり言いたいんですよね」

ガーディナーは長楽館着工時47歳。

来日して24年。

吸収してきた和の様式と生まれ持った欧米のスタイルと思いっきり融合させ革新的な洋館を作り出して見せたのです。

この茶室にはまだ秘密があるんですよ。

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長楽館二階。茶室の奥に隠れていたのは細い階段です。

さて何が待っているのでしょう。

「急な階段。全然違うじゃないですか。結構部屋。豪華な部屋の前。どういうこと」

実はここ。使用人たちが使う裏導線なんです。

3階の反対側にも赤絨毯の奥に隠し階段が。

ゲスト達の邪魔をしない。

そんな心遣いが徹底されています。

 

「綺麗な社交が成り立つように裏にもう一つの世界があった」

なにしろここは世界中からvipを招く私設迎賓館。

ガーディナーは村井吉兵衛のもてなしの心を建築で表現してみせたのです。

しかし長楽館の栄華は長くは続きませんでした。

本来の使われ方をしたのはわずか18年ほど。

昭和に入る頃には人々から忘れ去られてしまうのです。

いったいなぜ。

 

長楽館の主人村井吉兵衛が62歳でこの世を去ると、折からの金融恐慌の煽りを受け

村井銀行も破綻してしまいます。

長楽館は人の手に渡り、点々と持ち主が変わっていきました。

現在はと言うと。

動態保存に勤めるオーナーのもと、喫茶を楽しめるスポットとして生まれ変わっています。

ガーディナーはその後も日本で建築の仕事を続けました。

今は自ら設計した日光の教会に妻と共に眠っています。

「裏も見てみればある意味で劇場的。どんどん変わっていく。場面転換というかね

二幕第三幕みたいな感じで。あの二人がどっちも面白い人だっただろうな」

それは一度は建築の道を諦めたアメリカ人と、一代で成り上がったタバコ商が生きた証です。

建築で表現された極上のおもてなし。

長楽館。夢の大劇場。

 

***************

 

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日曜美術館「世界で一番美しい本 ベリー侯のいとも豪華なる時祷(とう)書」

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“世界で一番美しい本”と讃えられる「ベリー侯のいとも豪華なる時祷書」。中世フランスの貴族や庶民の暮らしを伝える細密きわまりない描写。金と宝石による鮮やかな彩色。当時の一流絵師たちが80年かけて描きついだ貴重本は、パリ郊外シャンティイ城の宝物庫に秘蔵され専門家さえ見ることが許されない。NHKが8K撮影を許された貴重な映像を再構成。現代フランスの映像も合わせ、日々の喜びを伝えるスローライフを堪能する。

【ゲスト】【司会】小野正嗣,柴田祐規子

 

日経おとなのOFF 2020年 絶対に見逃せない美術展(日経トレンディ2020年1月号増刊)
 

 

芸術新潮 2019年 12 月号 特別付録:芸新手帳2020

芸術新潮 2019年 12 月号 特別付録:芸新手帳2020

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/11/25
  • メディア: 雑誌
 

日曜美術館「世界で一番美しい本 ベリー侯のいとも豪華なる時祷(とう)書」

放送日

2020年5月3日

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その本はフランスの古いお城で大切に守られてきました。

600年もの間。

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ほとんど人目に触れることのなかった幻の本。

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小さな本の中に、ぎゅっと閉じ込められた鮮やかな世界。

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世界で一番美しい本と言われます。

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本の冒頭に描かれているのは、一年12ヶ月の中世フランスの暮らし。

暮らしの営みは600年の時を超え、現代のフランスにも引き継がれています。

日曜美術館のテーマ曲でもおなじみの阿部海太郎さんの音楽とともに、世界で一番美しい本のページをめくっていきましょう。

 

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パリから北へ40キロ。

中世の趣をたたえるシャンティイ城。

城の中にフランス有数の美術館があります。

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3万点の美術品を収蔵するコンデ美術館です。

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近代フランスの傑作やルネサンスの名画の数々。

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19世紀当時の城主がフランス美術を中心とした重要な作品を集めました。

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世界で一番美しい本は城の奥深く、一般客の立ち入りが禁じられた部屋で厳重に保管されています。

美術の専門家さえほとんど目にすることの許されない門外不出の本。

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その本の名は「ベリー侯のいとも豪華なる時祷(とう)書」。

15世紀。王族が作らせた日々の祈りの本です。

中には細かな文字でラテン語の祈りの言葉。

まだ印刷技術が無かった時代。

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一文字一文字全て手書きです。

紙は、子牛の皮をなめして作った当時最高級の牛皮紙。

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挿絵には金やラピスラズリなどの高価な顔料が惜しみなく使われています。

贅の極みとも言えるこの本。

複数の画家が80年近くをかけて描き着きました。

冒頭からの12ページに月ごとの中世の暮らしがあります。

それは幅わずか15センチほどの細密画。

600年前の生活を覗いてみましょう。

 

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4月。

穏やかな春の陽気に満ちています。

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城を背景に貴族の男女が婚約指環を交わしているところ。

男性は婚約者に指輪を贈り誓いの言葉を口にします。

愛する人よこの指輪によって私はあなたを我がものとします」

男性のガウンは美しい青地に金色の王冠の刺繍。

娘が身につけるのは赤い珊瑚のアクセサリー。

薄紫のローブは春一番早く咲くすみれの花に合わせたもの。

侍女達はすみれを手折って花束にするのでしょうか。

花々が咲き誇る恋の季節です。

さあ5月のページへ。

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心弾む新緑の頃。

貴族たちはトランペットを吹き鳴らし森へ繰り出します。

若葉狩りと呼ばれる行事です。

あら4月に婚約をした彼女でしょうか。

誰もが若葉で作った冠や襟飾りを身につけています。

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これ男性が纏えば恋の不意打ちを食らわせますぞという宣言。

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女性ならば愛を受け入れる準備はできていますという意味。

この日は馬まで特別な若葉色の馬具。

王宮を離れて森で愛を語らう輝かしき1日です。

5月のパリ。

600年後の今も若葉は心を弾ませます。

パリで人気のフラワーアーティストのアトリエ。

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エロイーズさんが作るブーケは若葉のアレンジが評判です。

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お店を訪ねたのは夏に結婚を控えるマリー・ソフィさん。

ブーケの相談に来ました。

「母の写真を見て欲しいんです」

「まあ素敵なドレス」

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式ではお母さんのドレスを仕立て直して着るつもりです。

「どんなブームにしましょうか」

「田舎の草原みたいにこのドレスに合うと思うの」

愛が結ばれる季節。

みずみずしい緑が花々を一層輝かせます。

「どうぞ」

「ありがとう。イメージ通りそれ以上です」

 

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ところで私たちにあまり馴染みのない時祷(とう)書はどう使われていたのでしょう。

本の大半は福音書の引用や聖母マリアへ捧げる言葉。

もともと教会や修道院で使われるものでした。

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やがて祈りの習慣が広まると、王侯貴族がこうした手の込んだ祈祷書を作らせるようになりました。

神への祈りは多くの場合、一日8回。3時間おきに捧げられました。

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例えば午前9時には東方三博士の礼拝の祈り。

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キリストが息を引き取ったとされる午後3時にはキリストの死の祈りです。

時刻になると教会の鐘が鳴らされ祈りの時を知らせました。

中世の暮らしは神と共にあったのです。

 

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毎月のページに戻りましょう。

絵の隣にはカレンダー。

日付の横に細かく記されているのはキリスト教の祝祭日です。

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例えばこれは6月。

洗礼者ヨハネの誕生を祝う日。

神様が定めた時間はその時期の農作業の目安でもありました。

夏至が近い聖ヨハネの日が来れば夏草の刈り入れの合図です。

 

6月の挿絵には草を刈る農民たちの姿。

その月の一番大切なの作業が描かれているというわけです。

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刈り取った夏草を集める女たち。

息を合わせて鎌を振る男たち。

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奥に見えるのはパリの中心。シテ島にあった王宮です。

てっぺんに十字架のある建物は王の礼拝堂サントシャペル。

塀の向こう、中庭には菜園の緑が茂ります。

作物は城の食卓にものぼりました。

農民たちも王様も土に親しむ初夏です。

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夏の盛りの7月へ。

農民たちはますます忙しく働きます。f:id:tanazashi:20200503193852p:plain

城のそば。麦畑と牧草地の間を小さな川の流れが横切ります。

女たちは羊の毛刈り。

隣の畑では小麦の収穫。

棒で器用に株をたぐりよせ手際よく刈り取っています。

翌年この麦畑はおやすみ。

羊が草を食べ土地の力を回復させるのです。

自然の力で大地を守る知恵でした。

 

フランス南西部のドルドーニュ地方。

暑さが盛りを迎える前に羊たちをスッキリさせてあげなければなりません。

羊の数は600頭。

飼い主のコレールさんは大忙しです。

「仲間たちみんなやる気満々ですよ。羊を居心地のいい姿勢にして早く刈ってやればいやがりませんよ」

刈り取った毛は羊からのおすそわけ。

今も人と動物が支えあって暮らしています。

 

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暑さも極まる8月。

森へ鷹狩りに出かける貴族たちの意気揚々とした姿。

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鷹狩はかつては貴族だけが楽しむ夏の娯楽でした。

先導の男性は長い竿で茂みから獲物を追いたてます。

楽しげの狩りを描いたこの絵。

実は別の読み解きもあるんです。

それは男女の愛を表すもの。

鷹は男性の、毛の長い犬は女性の象徴。

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開放的な夏の日。

森に出かけむつみあう喜びを表しているというのです。

愛は人の五感を満たすもの。

貴族が五人なのはその暗示です。

野良仕事を終えた農民たちは池に飛び込み一休み。

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この池、中世では愛の園に欠かせない生命の泉の象徴だとか。

愛の喜びをそこかしこに潜ませた8月。

夏の風景です。

>

世界で一番美しい本の鮮やかな挿絵。

色の秘密はその材料にありました。

一際目を引く衣の青。

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ここには中近東から運ばれた宝石ラピスラズリが使われています。

時祷(とう)書はどのように作られたのでしょう。

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ドイツとの国境に近いアルザス地方。

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古い時祷(とう)書の復元に携わるルノー・マルリエさんです。

まず天然の鉱石を砕き絵の具を作ります。

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羊の皮をなめした羊皮紙に直接色を置いていきます。

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一度乾くと塗り直すことはできません。

マルリエさんはベリー侯の時祷(とう)書には当時最高の技術と材料が注ぎ込まれているといいます。

「ベリー侯時祷(とう)書の最大の特徴は世界中から集めた顔料を使っていることです。さらにこの高価な絵の具を混ぜたり、丹念に色を塗り重ねていくことで画面に華やかさと奥行きが生まれたのです」

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ターバンの赤はスペインの昆虫コチニールの色素から作られたもの。

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黒はアフリカ象象牙を焼いた炭で作られました。

そしてこの方が、本を作らせた注文主。

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フランス国王の弟ベリー侯ジャンです。

挿絵を書いた画家の姿もあります。

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ランブール兄弟。

ベリー侯に腕前を買われ召抱えられました。

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「ベリー侯はこの時代で最も有力な芸術の支援者でした。写本や美術品に惜しみなく金にかけ多くの時祷(とう)書を持っていました。この本はその中でも最高のものです」

 

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9月。心弾む実りの秋がやってきました。

丹精込めて育ててきたぶどうの収穫です。

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美味しいワインを作るため、ロワール地方の畑では摘み取りの真っ最中。

腰を屈め大切そうに積む人。

その横では、あらまあこらえきれずに頬張る人も。

今年も豊作。ぶどうの出来栄えは土の状態を映し出します。

摘み取ったぶどうはお城でワインに。

収穫に感謝し自然とのつながりを確かめる9月です。

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ブルゴーニュのブドウ農家チエボーさんの畑にも収穫の時がやってきました。

春先に剪定し、ずっと見守ってきた枝にたわわな実り。

ピノノワールの深い味わいを生む畑は200年前から受け継ぐもの。

ブルゴーニュのワインの威力はその伝統と土地を敬う姿勢です。ブドウや土、全体の動きそのすべてのバランスを通りすがりの私たちが崩してはいけません。この先もずっと大地の力を守っていくのです」

 

ぶどうの収穫は一段落。

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10月はどんな仕事が待っているのでしょう。

翌年の春に実を結ぶ冬小麦の種まきです。

僕に見えるのはルーヴル宮殿

パリの真ん中にこんな畑が広がっていたんですね。

一粒一粒丁寧に描かれた大事な種麦。

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馬に引かせた道具で土をかぶせています。

その奥には麦を鳥から守ろうと弓を構えるカカシ。

しかし敵もさるもの。

人の目を盗んでたちまちついばんでしまいます。

季節が正しくめぐり、今年も去年と同じ仕事ができる。

そのことが生きる喜びをもたらしてくれます。

 

11月。森の樫の木が今年もまたどんぐりを実らせました。

それを目当てに来るのはガスコーニュの黒豚たち。

森の栄養がぎゅっと詰まったどんぐりは豚たちの何よりのごちそうです。

でもこの後豚たちの身に起こることは。

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ガスコーニュの黒豚は自然の中でゆっくりと成長します。どんぐり風味の肉は

年末年始のとっておきのご馳走になるんです」

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600年前の中世の森でも11月にはどんぐりに群がる丸々と太った豚たち。

どんぐりの実を落とそうとを棒を投げる男。

服は晩秋の低い日差しを受けて金色に輝いています。

鋭い目つきで豚を見張る番犬。

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豚の肉はこの時代にも冬を乗り切る大切な保存食でした。

蒼い闇に沈んでいく遠くの山。

去年と同じようにどんぐりが落ちればまた冬が来ます。

 

12月。

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畑仕事のないこの時期のページには。

森の奥深く貴族達のイノシシ狩りです。

冬の野生動物はフランス人にとって最高のごちそうです。

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赤い服の男は興奮した犬を引き離そうとしています。

角笛を吹く男は獲物を仕留めたことを森の中にいる仲間に伝えています。

今日の狩りは激しかったのでしょう。

疲れ果てた表情です。

獣との命がけの格闘は貴族の男の鍛錬でもありました。

まもなく1月。また新しい年がやってきます。

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ところで月ごとの挿絵の上に半円形が描かれているのに気づきましたか。

夜空をめぐる蟹座と獅子座。

星座はこの時祷(とう)書と深い関わりがあるんです。

そのことを示す一枚の不思議なページが。

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裸で立つ二人の人物。

周りには12の星座が描かれています。

そして体の上にも。

頭には牡羊座

両肩に双子座。

胸には蟹座。

中世では体の中に小さな宇宙があり天体とつながっていると考えられていました。

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「中世の人とって人間は神が作った聖なる創造物でした。人はミクロコスモスであり

同時にマクロコスモスでもあります。一人一人の人間は全宇宙を反映しているのです」

その考えは当時の医学の基本でもありました。

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四隅に記されているのは健康に関わる体の四つの性質。

それぞれが特定の星座に連動していると考えられました。

例えば憂鬱な性質は牡牛座、乙女座、山羊座

体の部位なら首、腹、膝です。そこを治療すれば憂鬱な病を癒せるとされたのです。

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当時ヨーロッパは戦争やベストなど液量の大流行で日常に死の不安が溢れた時代。

人々は宇宙や自然との調和の中に安らぎの日々を願ったのです。

 

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新しい年が始まりました。

1月。宮殿で新年のお祝いが開かれています。

暖かな火をあげる暖炉の前には客人を招き入れるベリー侯爵。

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気さくな言葉をかけています。

忙しく宴を取り仕切る召使いたち。

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テーブルの上には子犬たちが、

犬は食卓に同席できる気高い動物でした。

こちらの犬はごちそうのお裾分けにありつきましたね。

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ベリー侯の頭の上の赤い天蓋。

そこに小さな熊と白鳥が描かれているのが分かりますか。

これらはベリー侯の個人的なエンブレムです。

白鳥はかつての実らぬ恋を表したものだとか。

ベリー侯の後ろ。金色に輝く丸いものは暖炉の火よけ。

まるで神のように描いたのはパトロンを称えるためだったのでしよう。

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続く2月は一転して静かな農村が舞台。

一面の雪に覆われた村。

西洋絵画で雪景色が描かれるのはまだ珍しいことでした。

粗末な家の中。

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家族は暖炉の火で温まっています。

小屋で身を寄せ合う羊。

腹を空かせた鳥が餌を求めて集まっています。

斧をかざして薪作りに励む男。

もう一人は荷を積んだロバを追いながら遠方の村へと向かっています。

やがて来る春を待ちわびて。

暖炉の周りだけが別世界。

 

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3月。

フランスの畑でも寒さが温む頃。

長い冬をじっとこらえてきた農民たちは急に忙しくなります。

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男が牛にすきを引かせ土を起こしています。

深く掘り起こすほど土は空気をよく含み、太陽の光を浴びて豊かな実りをもたらします。

奥の畑ではぶどうの木の手入れ。

木の周りの土を入れ替え、枝を剪定しています。

これらはすべて3月の大切な仕事です。

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3月のぶどう畑に響くハサミの音。

ぶどう農家のチエボーさん。一本に八つほどの若芽を残して手際よく枝を剪定していきます。

気をつけているのは剪定するタイミングだと言います。

「昔の暦に従って月が欠ける日に限って選定します。その時期には樹液が根元に向かうので木の負担が少ないのです」

城の左に目をやると、かき曇る空。変わりやすい早春の天気。

もうじき雨が土を潤します。

おや、右手の頭の上には龍が飛んでいます。

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龍に姿を変えた后メリュジーヌが城を守るという伝説を表しています。

おとぎ話が入り混じる中世の風景。

農民たちが大地の力を呼び起こします。

600年の時を超えて変わることのない人間の営み。

立ち上がる土の匂いに野に咲く花に生き物たちの息遣いに。

そして大地の恵みに込める祈り。

今年も来年もいつまでも変わらず幸せでありますように。

世界で一番美しい本。

巡り来る季節に安らぎを求める祈りの本です。

 

取材先など

 

放送記録

av98ingram.wpblog.jp

 

 

書籍

 

芸術新潮 2020年 01月号 東京のミュージアム100

芸術新潮 2020年 01月号 東京のミュージアム100

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/12/25
  • メディア: 雑誌
 

 

展覧会

 

映画、ドラマ、アニメの動画視聴ならU-NEXT<ユーネクスト>。映画やドラマ、アニメの名作はもちろん、最新作も超充実なコンテンツ数が特徴です。その数120000本以上。まずは31日間の無料トライアルを是非お試しください。

「わたしだけの三菱一号館美術館」三菱一号館美術館を自宅で楽しめるWebサイト

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「わたしだけの三菱一号館美術館

三菱一号館美術館(東京・丸の内)は、2020年4月6日に開館10周年を迎えました。
ご自宅でもご覧いただけるWEBサイトを通して、当館の魅力を再発見いただく企画をお知らせいたします。
当館は臨時休館中のため、予定しておりました開館記念日イベントは中止となりましたが、この10周年の記念日を皆様と共有できれば幸いです。

三菱一号館美術館ニュース「10周年記念WEB企画「わたしだけの三菱一号館美術館」実施!」 | 新しい私に出会う、三菱一号館美術館 

完成した「わたしだけの三菱一号館美術館」はSNSでのシェアが可能

日曜美術館「オラファー・エリアソン ひとりが気づく、世界が変わる」

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ロンドンの美術館に“沈まぬ太陽”を作り、ニューヨークのブルックリン橋に“巨大な滝”を作ったオラファー。

科学者を含む100名を超えるスタッフを率い、時に億単位の金をかけて、まさに今考えるべき問題に真っ向から取り組む。

3月から始まる予定だった展覧会(現在休館中)を訪ねるとともに、来日がかなわなかったオラファーにもテレビ電話でインタビュー。

ウイルスが、まん延する中での、アートの果たす役割などを語り合う。

【出演】上白石萌歌松尾貴史長谷川祐子、オラファーエリアソン

 

日曜美術館オラファー・エリアソン ひとりが気づく、世界が変わる」

放送日

2020年4月26日

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ニューヨークに突如現れた巨大な滝。

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イギリスの美術館の中に燦々と輝く太陽。

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そしてロンドンの街中にはグリーンランドから運んだ氷河の塊。

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仕掛けたのはアーティスト・オラファー・エリアソン

圧倒的な体験がもたらす新たな気づき。

その気づきが、人々の行動すらも変えて行く。

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「頭の中で知っているだけのことは、必ずしも行動に結びつきません。体を通じての実感や個人的な体験こそが実際の行動につながっていくのです。自分自身の行動を変えてみよう。自分が気候変動の問題にどう関わるのか考えてみよう。そういう思いになるのです」

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そんなオラファーの作品が東京にやってきました。

しかし公開が延期。

そこでこの二人に展覧会の魅力を伝えてもらいます。

「ずっと無邪気に遊んでられる」

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アートに触れて一人が気づく。

一人また一人世界が変わる。

今注目のアーティスト、オラファー・エリアソンの世界へようこそ。

 

日曜美術館です。

今日は東京都現代美術館に来ています。

世界中でとても人気のあるアーティスト、オラファーエリアソンを今日は取り上げます。

早速ゲストをご紹介しましょう。

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キュレーター長谷川祐子さんです。

 

展覧会を企画した長谷川さん。

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オラファーの才能にいち早く目をつけ、16年前その作品を日本の美術館で初めて紹介したキュレーターです。

ニューヨークの川に人工の滝を作ったりとか、壮大な作品を作っている印象がとても強いですけども、このアーティストいってどんな人なんですか。

「自分の作る自然の要素を用いた美しい作品によって、皆さんに一緒に感じてもらう。感じた後でアクションを起こす。一人一人のアクションがいかに世界を変えて具体的な活動につなげていく。オラファーは直接に解決を与えない。でも一人一人の心に自然とか今起こってエネルギーの問題の気づきを巻き起こすことによって世界は少しずつ変わっていくんだという風に言っています」

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この作品どう見ればいいんでしょうね。

淡い色彩が画面に漂う花のように施されています。

そしていくつもの丸。

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タイトルも不思議です。

では解説は作者であるご本人にお願いしましょう。

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「あなたが会場で最初に見る作品があの三つの水彩画ですが、光をイメージして作りました。

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平らなテーブルに紙を置き、その上に氷河を置いて作ったんです。氷河はアイスランドグリーンランドから持ってきました。だいたい15000年から2万年前のものだと思います。

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1キロほどの塊を紙の上に置き、溶けていくところに絵の具を垂らすんです。

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その色彩が広がっていく様子はとても魅力的でしたよ。そして私はここに規則性のある形をドローイングで加え、より確かな存在感を出すようにしました。

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私はこの作品で美術館に入るあなたに向けて光が放たれるような特徴を持たせようと思いました。この光が私のちょっとしたgreeting。ご挨拶なんです」

では次の展示室へ。

 

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「キラキラしている。反射がすごい部屋の壁面とか天井とに反射して写り込んでる」

ガラスと鉄でできた、光り輝く立体作品。

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作品名は太陽の中心への探査。

中心に明かり。周りにもうひとつの明かり。

まるで太陽を中心に公転する惑星のよう。

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その光は幾何学的に組み合わされたガラスを通り複雑な色彩となって壁や床に現れます。

「形状も光り方も全て計算して効果を計算している」

「こんなんできちゃったってことありませんか。最初から計算してると結構何か予定調和でつまんなかったりするんですけど、自分でいろいろやってみて、クリアしたら面白いじゃないって思ったところで造形的に繋がってしまった。オラファーエリアソンスタジオは専門家がいて、工学の専門家とかレンズに関する研究者とかいろんな人が120人もいるので今までできなかったことができちゃったという気持ちになります」

 

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今回初めてオラファーの作品に触れる俳優の上白石萌歌さん。

「ありました。オラファー・エリアソン。時に川は橋となる。ちょっとこの文字じゃね

どんな展示なんだろうって思いますよね。まる。まるが並んでいる。この中にあるのがなんだろう」

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展覧会のために作られたオラファーの新作です。

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「すごい線がたくさん入り混じってて、外側の方が線が濃い。重ねてこうギザギザしてる感じがあります。しかも全部違う模様って言うか。何ですかこれは。すごくくだらないことなんですけど、幼稚園の時にバスで送り迎えしてもらってて、そのバスの中でその車の揺れがあるじゃないですかそれを利用してペンを立ててギザギザして遊んでたんですよ。それを今思い出しました。何ですか」

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壁にはどのように作品が生まれたかの解説が書かれています。

「作品の輸送箱には旅の道中の動きを記録する装置が取り付けられていました。振動を感じてながらの線だったってことですか」

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実はオラファーは以前からある試みをしていました。

電車の中にこんな装置を据え付けます。

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揺れによって独特の線が現れる。

この原理をもとに作品が生まれたのです。

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「私たちはどうやったら環境を壊さずに作品をこのスタジオのあるベルリンから日本へ送ることができるのかを考えました。そして鉄道を使って運べることを知ったんです。そこでドローイングマシンを作りました。それは昔私が父と一緒に使った機械を参考にしたものでした。よく父と船に乗った時にその揺れでドローイングを作ったんです。それはまるで海自体がドローイングをしているようでした。今回の作品も地球そのものが鉄道をペン代わりにしてドローイングしたと言えると思います」

「すごいちょっと今幼少期の自分にびっくりしてますね。面白いなー。なんか輸送の途中でいろんな景色が見えたりとかいろんな温度とか言語も違うところをたくさん行ったりしたと思うんだけどなんかそういうのが想像できますね。面白い。なんか全部同じものじゃないから移ろいみたいなのも感じますしちゃんとこういろんなところを通って時間をかけてていう感じが通ってくるって言うか。いかにも郵便物を送っても1日2日でまたいて国内だったら届いたりとか。それこそメールとかもそうですよね。0.3秒ですごい速さで届くわけだから。元々の距離とか技術が発達する前の時間の長さとか距離とか感じさせてくれますね」

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「一気に明かりが落ちて。すごい。キラキラしている。色合いがすごく懐かしいんですよ。小さいころって魔法とか好きじゃないですか。アニメの影響もあると思うんですけど、そういう色あい。なんか懐かしい気持ちになりますね」

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「ちょっと暗くなって。壁に何か反射されて。これは凸凹の多角形が」

さてこの方はどう見るでしょうか。タレントの松尾貴史さん。

「何か入った時にキラキラ光る星みたいな物体だなーって思ったんです。多面体だと思ったんですけどね。不規則っていうか整然としてないですね。歪んでるっていうか。太陽っていうイメージでもないかな。太陽の活動がありますよね。フレアが出たり黒点が活動を色々するじゃないですか。ああいうことなんですか。核融合みたいなエネルギーの放出みたいなものかもしれないし」

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この輝き本当に太陽によるものなんです。屋外に置かれたソーラーパネルからエネルギーをもらっています。

「すごいこと考えるね。効率優先ではまず思いつかないですね。ほとんどの芸術ってきっと非効率なものじゃないかなと思いますね。特に何か伝えるためにストレートに本って書いても説得力なくて、人に想像力を働かせるきっかけとかシステムを提示して、そこから思ひ巡らしている間にその非効率の中から感じ取ってもらう方が強く長く残るんだろうなと思いますね」

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「また少し暗い。飾り忘れてますよ。ここに7つの光源が。あーなるほど面白い。何ですかこれ近づくと。わーすごいね。オプティカルアートですね」

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仕掛けはこの7つの光。それぞれの光はその補色の影を生み出します。

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黄色の光なら青の影。緑の光なら赤の影。

「美しい。まずなぜこうなってんだろうって思わせてくれるところにこういう造形美があるって言うのがね。美しいもんだろうなあと思いますし。グラデーションのように見える流れがでも一瞬たりとも同じ形の造形にはならない。ずっと無邪気に遊んでられるな」

 

「こういう人形はありますよね。自分一人だけ真ん中にいて、何人か従えて踊り手がいっぱいある。面白い。自分すら作品になるんですね。作品って用意されていてみるだけだと思いがちだと思うんですけど自分が作品になる」

そうあなたが作品になります。

タイトルは「あなたに今起きていること。起きたこと。これから起きること」

「色が濃いのが今立ってる自分っていう解釈だとしたら、この寒色系の色なのか暖色系の色なのかどっちかが未来なのか、過去のかなんか。寒色系を見るとなんとなく悲しい色とか苦しい色みたいに思うんですけど。暖色系って楽しいとか嬉しいみたいなイメージがあるから、私的にはこの暖色系が未来なのかなって思いますね。なんか先の見えないことって面白いし、よくわからない未来に思いを馳せるのってすごく楽しいと思うからそういうポジティブな未来」

 

「私がここに壁に近づくと色が濃くなって、もっと多くなれと思うとちょっと後ろにずんずん行かれると。小野さんがなさったことって影によって動かされましたよね。だからご自分で動こうと思うよりも影を見ながら影があなたを動かす」

「その手もある。まんまと引っかかったんですよ」

「昔そういう影影遊びってされませんでした。こうやって色々パフォーマンスとしたりとかこうやってみたりとか。影に誘われて行ってどんどん自分のアクションが生まれて来る。光ってものを見るだけじゃなくって自分の本当に色々な行動とか心を誘ってくれる力があるっていう。そういうところオラファー・エリアソンは気が付いてもらいたいなと。それがオラファーのシンプルなあの考え方ですし皆さんに気が付いていただきたいこと。難しくないんですよ」

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「彼はオペラとかバレエの舞台芸術のデザインもしてるんですね。そういう意味では本当に表現の万能なマルチプルな活動が出来る。現代のダヴィンチ的なそういう面があるのではないかと思います」

「彼はお父さんがアイスランドの出身なので、ご両親が離婚されたこともあって、お父さんに会いに絶えず夏はアイスランドで過ごしてたんです。お父さんはアーティストで絵も描けば彫刻なんかも作り、料理人でもあるんですね。だから非常にユニークなお父さんだったようです。例えば彼の想像力を刺激する言い方として、あそこの山の稜線を見なさい何に見えるみたいという質問するらしいんですよ。するとオラファーはあそこは花であそこは巨人の寝っ転がってるみたいに見えるって言って、その絵を書くとすごくお父さんが喜ぶって言う。

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小さい頃から想像力によって何に見えるどんな形が生まれてくるのかっていうことを絶えずお父さんから学んだというところがあるようです。作品中にあなたのっていうタイトルがとてもたくさん出てくるんですけどそれはあなたにしか見えないあなたのっていうことがポイントなんでその他も最初はお父さんと彼との対話の中で生まれたといいます」

 

 

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父と過ごしたアイスランド

そこにはいつも圧倒的な自然がありました。

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むきだしの大地に緑の草やコケ。

氷と雪の白銀の世界。

美しいとはなんだろう。その自然を36歳のオラファーはイギリスロンドンに持ち込みます。

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美術館テートモダンの一角。

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現れたのは巨大な太陽。

オラファーが仕掛けたフェザープロジェクトです。

降り注ぐ光の下で人々は思い思いの反応を起こします。

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このプロジェクトでオラファーの名は一躍世界に広まります。

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5年後にはアメリカニューヨーク。

現れたのは巨大な滝。

ニューヨークシティウォーターフォール

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オラファーは四つの滝を大都会に実現させました。

17億円が投資されたニューヨーク市を巻き込んでの壮大なプロジェクト。

170万人がその大きさと時間とともに変わる表情の美しさに息を呑みました。

経済効果は75億円を超えた。

アートで街が変わる。

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さらに2012年。オラファーはこんな物を開発しました。

リトルサン。

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太陽光で充電する手のひらサイズの携帯ライト。

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実はこれ商品化され実際に販売されてもいるのです。

先進国での価格は50ドルほどとちょっと高め。

しかしその利益を使って電気のない地域で安く販売。

暮らしを助けます。

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オラファーは言います。「アートは強い」

 

 

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「60枚の写真。これbeforeafterってこと。左が以前で最近は右。同じアングルから撮ってる。すごい変わってますね。最後なんて同じ場所と思えない」

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オラファーは20代の頃からアイスランドの自然を撮影してきました。

記録することで自分が影響を受けた自然との関係をより深めていきました。

1998年夏。小型飛行機を借りアイスランドの氷河を撮影しに行きます。

ただ美しい景色を記録したいと、シャッターを切りました

その20年後再び同じ場所に向かったオラファーが目の当たりにしたのは信じられない光景でした。

「これは氷河ではない。私は操縦士に言いました。場所を間違えたようだからもう一度周り直してほしい。そこに氷河があるはずだから。こんなことなら10年前に、いや1年ごとに記録しておけばよかった」

20年をかけて生み出した作品。

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溶ける氷河のシリーズ。

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「不可逆的。ここら辺、削られて開発されて施設ができてる。道も通ってるもんね。本当に人間が地球にとってはバクテリアみたいなもんだって言う人いるけど、バクテリアみたいなもんが物凄い事をしでかしてるって言うことに気づかないと効率優先でいると全員がアウトになるっていうことをちょっと今、この作品からも見せられてるような気がしますね。温暖化の映像でしょっちゅう氷山がスローモーションのように崩れていくところ繰り返す見せられてるでしょ。ああいうので危機意識を持つ人もいるでしょうし、人によっては毎年のように起きてんだよ。今に始まったことじゃないんだよっていう人もいますけど、あれもちろんイメージ映像だけど。これイメージ映像じゃないですもんね。本当に30箇所でこういう風になってるんだっていうこと」

オラファーはグリーンランドフィヨルドに向かいました。

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そこに浮かぶ氷の塊を採取します。

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そしてロンドンの街中に置くのです。

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その氷は何万年もの時を超え、今目の前にあるもの。

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溶けたら二度と戻らない。

オラファーの言葉です

「頭で理解するのではなく、体験することであなたはその世界とつながっていることを実感できるのです。だからこそ自分の行動を変えてみようと思えるのす。つながっているその世界のために」

一人一人が気づく。

あなたが変われば世界が変わる。

 

 

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「偶然、庭でホースで水撒いてる時なんかに太陽の光の方向で自分が見てる方向にすごく綺麗に虹が見えることありまいよね。あの時すごく得した気になるんですけど、それを作家が作って見せてくれるって言うのが素敵ですね。虹の角度が違いますから」

「子供の時は虹見たらみんな同じ虹を見てると思ったけど、実はこうやって近くのスケールで考えたら一人ひとり全く違う虹だったかもしれないですよね」

「あなたの虹をあなたのあの位置から見てください。見つけてくださいという作品です。皆さんは共有されてる記憶とそれから新たなまあ仕掛け。発見その体験によってもう一つ先まで想像力を本当にそのあの増強するっていうか先に進めていくということ」

 

「一人一人が僕もあなたも一人一人がそれを経験してるって事を共有できるって事」

「だからそこでもう一度虹の美しさを共有したという共通の体験みたいなものがベースになっている」

「一人一人は違うそこはやっぱり重要なポイントで体験が進化されていく。深まっていく」

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「なんかすごい儚いものを映してるような。自分が今何を見てるのか途中で見失いそうにもないし、でもそれを必死に見ようとしてる感じ。触るとなくなるんですよ。それが不思議。オラファーさん自身がそういう目に見えないものみたいなの大事にしてきた人とって言うか。子供の頃に純粋な目で見た時のものとか、目に見えないものを信じようとする力みたいなそういう感じらしい」

 

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この展覧会のタイトルにもなっている作品。

時に川は橋となる

「うち風呂がね、直射日光が入る角度があるんですよ。時間帯によって。その時にお風呂の壁や天井にこういう模様がずっと出てんですよ。それは飽きずにずっと見ててのぼせるっていうことがあるんですけど」

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「水族館みたいですね。生き物を観察してるみたいな。でもよく見たら一瞬も同じ形はないですね。どんどん変化していく。同じ動きをしてるようでしてないですよね。それぞれ違くて。水たまりとか踏んだら今まで映ってた空とかが何もなくなったりするから水溜り思い出しますね。今はピザの土台みたいな感じですね」

「なんか餃子の皮がゆらゆらしてるようにも見えるし、だんだん波風が治ってまた平和になったらまた波風立つみたいな。これも本当に設置されてから一度たりとも同じ造形になったことないんでしょうね。偶然の重なり。地球がいろんな偶然のおかげで暮らせる環境になってるって言うね。思い起こすこともできますね」

 

 

展覧会のために来日するはずだったオラファー。

開幕は延期。

それは叶いませんでした。

そこで、会場とベルリンのスタジオをインターネットで繋ぎました。

「今回、コロナの影響下での初めてのインタビューです。こんな形ですがとても嬉しいです。離れていてもこうして繋がり会えることが分かったんですから」

時に川は橋となるというタイトルはどのような意味を持っているんでしょうか。

「私たちは物事の見方を知らないがゆえにいろんなことが見えないと思うんです。でも見方を変えれば見えなかったものが見えてきます。それは不可能なことを可能にすることと通じます。見方を変えれば川は橋となるんです。世界をより良く理解するために見方を変える視覚を変化させる。そういう意味でする。この作品はそのタイトルにぴったりだと思いますよ。なぜなら今まで見えなかった時間がほんの少しの水と波だけで見えるようになったんですから。環境や気候に関してもそうです。見方を変える近くを変えることで地球を今一度理解し直さなければならないと思います」

 

想像力を変容させるためにショッキングな方法とか残虐さとか

そういう手法を用いて人々の意識に働きかける。社会に働きかけるっていうアートの手法もあると思うんですね。

「残虐な方法を用いているかどうかはそれほど問題ではないでしょう。アートとは一つの言語であり、形式です。より重要なのはその

アート作品がなぜ作られて何を伝えようとしているのかです。伝えることによって使う言語も変わってくるでしょう。ただ私の場合より私的な言語を使いたいと思っています。私はアートとの繋がり方を民主化したいんです。美術館には美術をよく知る人だけでなくあまり知らない小さな子供やお年寄りにも来てほしい。初めて来た人にとっても居心地のいいところにしたいんです。まるで私と一緒にあなたが展覧会を作っているような気持ちになってほしい。私は製作者ではないしあなたは消費者ではない。私とあなたは共同制作者なんです」

今のアートのアクセスを民主化したいとおっしゃってましたけども今我々がはそのアートに直接アクセスできないような状況に今なっていると思うんですねそれは今そちらはベルリンで同じだと思うんですけども、こういうようなあの状況にある時に我々一体どうやってアートにアクセスすればいいか。こういう時にですねご自身の作品についてですね人々がアプローチしてもらったらいいかっていう風には考えられますか。

「人々が美術館に来られない今アートが自宅へ行ってくるという方法を見出す必要があるのかもしれません。この数ヶ月間、リビングルームで楽しめるような拡張デジタルアートという案に取り組んできました。私からデジタルの彫刻をあなたに送れば、あなたの部屋で私の個展を開くことができます。そしてこれは、まだ公表していないのですが自然を部屋の中に取り入れることができないかと考えています。外に出られないなら、逆に外を部屋の中に入れたらどうだろうと。もし太陽の光や雨に虹や雲といった自然が取り込めたら面白いじゃありませんか。まだ問題はありますが、そんな形の展覧会があなたの部屋で実現できたらいいと思っています。確かに今私たちは物理的には離れています。でも社会的には繋がっていなければいけないと思うんです。その役割をアートは担うことができると思います。なぜなら他の手法では表現しづらいことでもアートであれば表現することができるからです。あとはただ鑑賞する対象ではなくプラットフォームのような場所なんです。人々が集まりそれぞれ違った意見を言い合いその意見を尊重するところ。そんな場所がアートなんです。アート単体では解決策にはなりません。でも物理的ではなく、社会的につながることのできるアートという場所で私たちが対話を交わすことで今何が重要なのかを考えることができるのだと思います」

 

 

取材先など

 

放送記録

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書籍

 

芸術新潮 2020年 01月号 東京のミュージアム100

芸術新潮 2020年 01月号 東京のミュージアム100

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/12/25
  • メディア: 雑誌
 

 

展覧会

 

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新美の巨人たち 徳川家の野望が生んだ美しき名城『二条城』後編

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シリーズ「春の京都で美に憩う」第3弾は2週連続で世界遺産『二条城』!各所に施された京都の名城こだわりの装飾美や謎をシシド・カフカさんが巡ります。今回はその前編。
『二条城』は1601年造営。天下分け目の大戦、関ケ原の戦いの翌年に徳川家康が築城し、十五代将軍・慶喜大政奉還を宣言した、まさに江戸時代の幕開けとその最期を見届けた古城です。実はこの『二条城』、一般の城とは全く違う姿をしているのですが、一体なぜなのか?
現在の『二条城』の姿になったのは1626年。三代将軍・家光が大改築を敢行しました。狩野探幽率いる江戸幕府御用絵師集団・狩野派や、御所や南禅寺の庭も手掛けた小堀遠州など、美術史に名を残す巨匠たちによって当時の最先端の芸術で美しく煌びやかに装飾された建物や庭…実はそこに数多くの驚きの仕掛けが!その背景には家光の苦悩と野望が隠されていました。
そして最新芸術プロジェクションマッピングで古城に華麗な花を咲かせます。煌びやかな芸術で人々を魅了した『二条城』に、再び華麗な現代の息吹を吹き込むように…。

 

日経おとなのOFF 2020年 絶対に見逃せない美術展(日経トレンディ2020年1月号増刊)
 

美の巨人たち 徳川家の野望が生んだ美しき名城『二条城』後編

放送:2020年4月25日

 

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日曜美術館「光と影の“又三郎” 藤城清治 89歳の挑戦・完結編」

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藤城清治

 

 

2013年8月、日曜美術館では、影絵作家・藤城清治が、宮沢賢治の「風の又三郎」に挑むドキュメントを放送した。

今回の番組は、その完結編。再びアトリエでの制作作業に密着し、全編が完成するまでを追った。

東日本大震災の後、被災地を歩いてスケッチを重ね、新たな思いで挑んだ作品。

藤城自身が「今までとは違う影絵ができた」と語る。

司会の井浦新が、那須高原にある藤城清治美術館を訪ね、朗読で18点すべてを紹介する。

【出演】井浦新

 

日経おとなのOFF 2020年 絶対に見逃せない美術展(日経トレンディ2020年1月号増刊)
 

 

芸術新潮 2019年 12 月号 特別付録:芸新手帳2020

芸術新潮 2019年 12 月号 特別付録:芸新手帳2020

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/11/25
  • メディア: 雑誌
 

日曜美術館「光と影の“又三郎” 藤城清治 89歳の挑戦・完結編」

放送日

2020年4月21日

 

取材先など 

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放送記録

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芸術新潮 2020年 01月号 東京のミュージアム100

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  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/12/25
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