芸能界ウォッチャーをウォッチしてきました。
販促イベントの一環としてよく行われるのが、著者を招いたサイン会です。コピーのコンテンツが簡単に流通するようになった現在。かえって見直されているのが、ライブ感覚であるとよく聞きます。スペースや予算に余裕がある書店などでは、観客数十人規模のトークショーや講演会を開くところがあります。
表参道にある青山ブックセンター本店は、毎日のように著者を囲んだイベントが開かれています。最近、放送局の書店でよく売れた本に、武田砂鉄さんの「芸能人寛容論」があります。辛酸なめ子さんの組み合わせに惹かれて話を聞きに行きました。
武田さんの著作は、ドイツの菓子シュトーレンのように濃密です。まな板にのせられた芸能人は、過去の発言や交友関係、類似の事象などを有機的に結びつけられ論評されます。
トークショーは、武田さんが世間の耳目を集めた芸能人を、彼らの発した名言を軸にトークするというものでした。冒頭「しゃべりすぎると東京湾に浮かぶ」という清原の話題で引きつけるところは心得ています。
芸能人が残した名台詞などをスライドショーで上映しながらトークするやり方はプレゼンテーションに似ています。「紋切り型社会」の目次を連想します。辛酸さんは、たぶんあらかじめ取り上げられる芸能人を頭に入れていたのでしょうか、小さなメモ帳に目を通しながら分析的に相づちを打つていました。芸能界の話題は周回遅れで付いていくのがやっとではありますが、視点がある程度定まったところで総括するのもおた興味深いところです。(スマップ関係は取り上げられませんでした。おそらくこれは意識的にでしょう)
![]() 芸能人寛容論 [ 武田 砂鉄 ]
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![]() 紋切型社会 [ 武田砂鉄 ]
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