江戸時代に活躍した絵師、葛飾北斎の作品およそ1,800点を集めた「北斎美術館」が北斎の地元である墨田区に11月22日(火)オープンします。見どころの一つが北斎の肉筆画「隅田川両岸景色図巻」。100年以上も行方がわからず「幻の傑作」と言われていたものです。
隅田川沿いの景色を西洋画の技法も用いて描かれたもので、長さはおよそ7メートルになるというからこれは見ものです。 時代とともに画風を変え、88歳で没するまで、いや100歳を超えてまで絵を描こうと執念を燃やした北斎の美術館はいくつあってもいいと思います。
最近注目度が急上昇、忘れてはいけないのが北斎の娘・阿栄です。阿栄は、北斎の三女と伝えられており、北斎の助手として創作に関わったといわれています。
阿栄は葛飾応為の名で自身も浮世絵師として活躍しました。その人物像は「北斎と応為」キャサリン・ゴビエ 著や「眩(くらら)」朝井まかて 著など描かれています。
江戸を舞台に数々の作品を発表した漫画家・杉浦日向子氏の代表作「百日紅」は、原恵一監督がアニメ映画「百日紅~MissHokusai~」で発表し、日本アカデミー賞で優秀アニメーション作品賞を受賞しました。
原画や背景画、動画の質感も高水準の佳作。行間からにじみ出る味わいを楽しむ作品に仕上がっていたと思います。
江戸時代に生きた人々の人間模様が四季を通して描かれています。カナダやスペイン、フランスの映画祭で長編アニメ部門の優秀賞を受賞*1今年10月からアメリカでも上映が始まり、海外の人気も沸騰中。北斎ブームが巻き起こりそうな気配です。(やったね!)
*1:アヌシー国際アニメーション映画祭では長編部門審査員賞を、北米最大規模の映画祭・ファンタジア国際映画祭で今敏賞(長編アニメーション優秀賞)、セカンス賞 アジア映画優秀賞、長編アニメーション観客賞