オルセーのナビ派展:美の預言者たち ―ささやきとざわめき
2017年2月4日(土)~5月21日(日)東京・丸の内の三菱一号館美術館
ポール・ゴーギャンや日本の浮世絵などの影響を受け、19世紀末パリで結成された背前衛的な若手芸術家集団が「ナビ派」です。
美術学校で出会ったポール・セリュジエ、ピエール・ボナール、モーリス・ドニらを中心に1888年に結成されました。ヘブライ語で預言者を意味する「ナビ」を自称し、非写実的な手法や内面的な題材を用いた絵画作品を制作しました。
公園や子どもなどの日常的な主題を描く一方で、夢や幻想といった非日常の世界を取り上げています。平坦な色使いと洗練された装飾性。目に見えない者を描く精神性を併せ持つ両義性・二面性がナビ派芸術の特徴です。印象主義を超越し、20世紀の抽象絵画の到来を預言するかのような表現は、西洋美術史の中で欠かせない位置づけとなっています。
同展ではオルセー美術館に収蔵されているナビ派のコレクションから約80点を展示します。会場は6章構成となり、日本の浮世絵から影響を受けた要素や、宗教的な精神性からインスピレーションを受けた一面などを紹介します。
ナビ派は、20世紀初頭には近代美術史から忘れ去られ、再評価が進んだのは20世紀後半になってからのことでした。
展覧会
オルセーのナビ派展:美の預言者たち ―ささやきとざわめき|三菱一号館美術館(東京・丸の内)
書籍