千葉市のDIC川村美術館で開催されるのがヴォルス展です。
ヴォルス(1913~1951)は「アンフォルメル」の作家として紹介され、1964年瀧口修造がカタログ画集を出版するなど多くの人の心をつかみました。
ヴォルス――路上から宇宙へ
2017年4月1日(土)~7月2日(日)
1930年代は写真家として認められ、まぶたを閉じた人々や調理前の生々しい食材にカメラを向け、凝視力の強い作品が印象的です。さらに油彩画を手がけ、慣例にとらわれない絵を描きました。蜘蛛の糸のような描線と色彩が独自の魅力を放っています。
ナチス政権下で兵役を拒否したヴォルスは収容所にたびたび入れられるなどの不遇の人生を送りました。生前は認められても作品を発表しなかったヴォルスは死後再評価されました。
DIC川村美術館は千葉県佐倉市駅から送迎バスで30分の場所にあります。旧大日本インキの化学メーカーで、有機顔料、合成樹脂の事業を軸にした経営で知られています。
生活関連分野に「彩り」と「快適」を提案するという経営方針を体現するかのように1990年に美術館が誕生。西洋近代美術や、日本の屏風絵などを幅広く展示しており、特に20世紀後半のアメリカ美術には定評があります。