樂焼の展覧会にあわせるかのように
日曜美術館「利休の志を受け継ぐ 樂家450年 茶碗の宇宙」が4月2日(日)再放送です。
千利休が愛した初代長次郎の黒樂茶碗「大黒」をはじめ、歴代の重要文化財のほとんどを一挙公開。本阿弥光悦の重要文化財をはじめ、よりすぐりの作品も出品されます。
本展では、現代からの視点で初代長次郎はじめ歴代の「今―現代」を見ることにより一子相伝の中の現代性を考察するものです。正しく伝統や伝承ではない不連続の連続によって生み出された樂焼の芸術をご覧いただけます。
展覧会:「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」東京国立近代美術館
期間:2017.3.14 - 5.21
「代々、長次郎を自分の中にしまいこみ咀嚼(そしゃく)しながら、格闘してきた。私が先祖を少し誇りに思うのは、決して踏襲しなかった、まねをしなかった、というところです」「最近は、長次郎の茶碗のように、静かに激しく存在したいという思いが強くなりました」と十五代・樂吉左衛門さんは語っています。
樂焼とは
樂焼は、織田信長、豊臣秀吉によって天下統一が図られた安土桃山時代(16世紀)に花開いた桃山文化の中で樂家初代長次郎によってはじめられました。
樂焼の技術のルーツは中国明時代の三彩陶といわれています。この時代には京都を中心に色鮮やかな三彩釉を用いる焼きものが焼かれはじめていましたが、長次郎もその技術をもった焼きもの師の一人であったと考えられています。
長次郎の残した最も古い作品は、本展に出品される二彩獅子、天正2年(1574)春につくられました。おそらく樂茶碗がつくられるのはそれより数年後、天正7年(1579)頃ではないかと考えられています。