「アヌシー国際アニメ映画祭」*1で、湯浅政明監督の「夜明け告げるルーのうた」が長編部門の最高賞にあたる「クリスタル賞」を受賞しました。
片渕須直監督の「この世界の片隅に」も、クリスタル賞*2に次ぐ審査員賞を受賞しました。ひとごとながら、盆と正月がやってきたような気分です。
日本人の作品が最高賞を受賞するのは、2008年に短編部門で受賞した加藤久仁生監督の作品「つみきのいえ」以来9年ぶりで、長編部門では、1995年に受賞した高畑勲監督の「平成狸合戦ぽんぽこ」以来22年ぶりの快挙です。
精緻な画像と極端にデフォルメされた画像が同居する、まか不思議なアニメーション作品です。随所に過去の名作アニメへのイマージュが散りばめられている上、ルーの父親がルーを助けるために街を疾走するシーンなど色彩感あふれるダイナミックな表現が白眉。絵が動くことへのリスペクトが込められています。
アート系のアニメーションが評価される傾向が強いフランス映画祭で、片淵監督作品が審査員賞を受賞した意味は大きいと思います。
凄っ‥でも納得の評価。この世界の片隅に。> RT 厳しいことで知られる英語圏の映画批評サイト「Rotten Tomatoes」で『In This Corner of the World』が現在最高値の100%を叩き出している pic.twitter.com/cVKHlVR3sv
— Masahiro (@masahiroshigeta) 2017年6月18日
*1:1960年、カンヌ国際映画祭からアニメーション部門を独立させる形で創設され、アニメーション映画祭としては世界で最も長い歴史を持つ国際映画祭である。また、同時に世界最大規模のアニメーション映画祭でもある。ASIFA(International Animated Film Association / 国際アニメーション映画協会)、映画芸術科学アカデミー公認。