世界屈指の個人コレクターといわれたのがスイスの富豪・エミール・ビュールレ氏です。印象派を中心に彼が収集した作品は約200点。彼の死後、収集品は自宅を改造した美術館で2015年まで公開されてきました。
コレクションは2020年からチューリヒ美術館に管理が移り、新館で展示されることが決まっています。その僅かな期間を利用して海外での展覧会が企画されました。
至上の印象派展 ビュールレ・コレクション
Impressionist Masterpieces from the E.G. Buehrle Collection, Zurich(Switzerland)会場:東京・国立新美術館
会期:2018年2月14日(水) ~ 5月7日(月)
今回の展覧会ではコレクションのうち約60点がで公開されます。そのうち約半数は日本初公開です。
“西洋絵画史上もっとも有名な少女“と言われるルノワール《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》。
セザンヌ《赤いチョッキの少年》。
ファン・ゴッホ《種まく人》などの傑作が展示されます。
モネの代表作の一つ、高さ2メートル×幅4メートルの大作《睡蓮の池、緑の反映》は、ビュールレがパリ郊外のジヴェルニーにあるモネのアトリエに足を運び、自分の目で見て購入を決めた作品でスイスから一歩も外に出たことのない逸品です。
国立新美術館長の青木保氏は7月12日に行われた記者会見で展覧会の持つ意味を語っています。
「ビュールレさんのプライベートコレクションが、ヨーロッパ以外にまとめて貸し出されることはほとんどありませんでした。日本で初めて紹介されたのが1990年から開催された生誕100周年記念の世界巡回展(ワシントン~モントリオール~横浜~ロンドン)の時です。それ以来2度目、おそらくこれが最後のコレクション展です」