近代の日本画家として目覚ましい活躍を見せた、廣島晃甫(1889-1951年・徳島市出身)の画業をご紹介する初の回顧展です。東京美術学校(現・東京藝術大学)の卒業制作で、明治末・大正期の個性表現を代表する〈玉乗り〉を制作。また当時画壇の最高の権威とされた帝展(帝国美術院展)では、第1回展の〈青衣の女〉、第2回展の〈夕暮れの春〉が連続して特選となり、一躍世の脚光を浴びます。その後もヨーロッパにおもむいて西洋風景を描き、洋画的な日本画に挑戦したほか、身近にある美しい日本の自然も追求しました。創作版画の団体展をはじめて結成するなど、日本の版画史に名を刻んだ画家としても知られています。 この展覧会では、廣島の各時代を代表するおよそ100点の作品を展示します。時代に翻弄されながら、新しさと伝統のはざまで、日本画とは何かを考え続けた波乱に富んだ画業からは、近代日本画がもっていたさまざまな可能性と魅力が再発見できるはずです。
会場:徳島県立近代美術館(徳島)
会期:2017年10月21日~12月10日
廣島晃甫回顧展