第二次世界大戦後の昭和22年(1947)に民間貿易が再開されてから、今年で70周年を迎えます。民間貿易が再開した昭和22年(1947)3月から昭和24年(1949)12月までの期間は、輸出品には占領下の日本を意味する「Occupied Japan」を必ず表記することが義務付けられていました。その後「Occupied」を付けなくてもよくなりましたが、昭和27年(1952)4月にサンフランシスコ講和条約が発効するまで表記が続けられていた製品もありました。
瀬戸では戦前から輸出用のノベルティの生産がおこなわれており、戦時中は一時的に中断しますが、戦後間もなく再び生産するようになります。生産が再開されてからは、輸出用のノベルティや食器類などが盛んに生産され、大量の「せともの」が海を渡っていくことで、戦後の復興の足掛を築くこととなりました。その後、ノベルティの生産は瀬戸の窯業界を牽引するまでに成長し、昭和30・40年代の生産全盛期へ繋がっていきます。
今回は、戦後民間貿易70周年を記念して、田中荘子氏が米国で収集した「Occupied Japan」の銘のある瀬戸のノベルティなどを中心に約350点を展示します。戦後間もない頃に生産された多種多様な「せともの」の展示から、当時の瀬戸における技術力の高さや、復興へ向かう力強さをご覧いただきます。
会場:瀬戸市美術館
会期:2017年12月2日~1月28日