細かな金彩が施された花瓶。
布のひだや紐まで見事に表現されています。
明治字建て万国博覧会を契機に世界の注目を集めた日本の陶磁器。
海外の好みに合わせ。目新しい作品が制作されました。
2017年秋。名古屋に開館した横山美術館。
「今、甦る陶磁器 明治・大正」展
名古屋はかつて、海外へ輸出される陶磁器生産の一大拠点でした。特に現在の名古屋市東区には、産地である瀬戸などに近いという好立地から、多くの陶磁器工場が立ち並んでいました。各産地から運び込まれた陶磁器に絵付けを施す、上絵付作業が発達する中で、“名古屋絵付” と呼ばれる豪華で華やかな作風は、海外でも人気を博しました。
公益財団法人横山美術館は、明治・大正時代に制作された輸出陶磁器の“里帰り品” を中心に展示しています。名古屋周辺で制作された輸出陶磁器をはじめ、日本初の洋風陶磁器であるオールドノリタケや、まとまった作品群を目にする機会の少ない隅田焼のほか、有田焼、京焼、瀬戸焼、九谷焼、萬古焼など、息をのむほど緻密で大胆な作品の数々を、ぜひご覧ください。会期:2017年10月1日(日)~2018年1月31日(水)
当時の名品を一望できる展覧会です。
今にも動き出しそうな鳩。
精巧でありながら、大胆な表現で一躍人気となりました。
美しいグラデーションに浮かび上がる可憐な花。
「コラレンポピー図三足花瓶」
金のふちどりのなかを埋めるのは無数のガラスのビーズです。
陶器にガラスを貼り付けて焼く高度な技術。
現代では再現不可能だといいます。