花卉賞玩
~琳派のデザインと花入の展開~
琳派の画家・鈴木其一の屏風。
琳派が多く題材にしてきたのが花です。
水仙を描写しつつも大胆に透かしを入れた鉢。
乾山焼を代表する銘品の一つです。
足利義政ゆかりの花入れも紹介。
琳派とは俵屋宗達らにはじまり、尾形光琳・深省(乾山)、酒井抱一、鈴木其一らへと私淑によって繋がれた日本美術の流れの一つです。やまと絵の趣きを基として、自然の美しさを意匠化し、華やかで装飾的な作品に優れました。絵画と工芸の枠をこえて、デザインを継承してきた琳派の作品は、今なお人々の心を捉えて離しません。とくに彼らは、季節を表現するために草花のモチーフを多く好みました。
また、花を愛でるためには、花を入れる器が欠かせません。茶の湯では花を入れる器のことを「花入」と呼びます。海を渡ってもたらされた古銅や青磁の唐物花入が珍重されていましたが、わび茶が芽生えると備前や信楽などの国焼の花入が注目されるようになり、さらに千利休によってわび茶が大成される頃になると、竹花入が登場します。
花入は時代を経るにしたがって幅広い展開を見せます。
本展では[琳派にみる草花のデザイン]と[花入の歴史と展開]を中心テーマに、絵画・工芸合わせて約40点をご紹介いたします。花を愛で、季節感を大切にする和の心を感じてください。
会場:湯木美術館
会期:2018年7月3日~8月12日