芸術家の卵たちが学ぶ東京藝術大学。
入試の難易度からいうと東京大学をはるかに凌ぐ芸術の最高学府です。
毎年恒例の学園祭"藝祭"が、9月7日(金)~9日(日)の3日間、東京上野の東京藝術大学キャンパスを公開して開かれました。
普段一般人はオフリミットの大学構内も、折からの好天に恵まれ大賑わいです。
広い教室はにわかギャラリー会場として公開され、学生たちの作品が並びます。
厳しい競争を勝ち抜いて学府の門をくぐった学生たちの実力は、門外漢の者がみてもはっきり分かる質の高さ。
デザイン科の学生さんがの作品は、植物の葉脈を丁寧に観察してパターンにしたものです。
根を詰めて描かれた作品の線は乱れがなく、技術力の高さを至近距離から確認できます。
彫刻科の作品が並ぶ部屋の壁に掛けられた不思議なオブジェ。
近づいてみると薄い板状のものを丸めたようなオブジェです。
これまでだれも創り出したことがないものを創る。
オリジナリティを何より大切にする藝大の姿勢を伺うことができます。
写実の面でも力強い作品に出会いました。
ダックスフントの彫像。
同じ犬種を飼っているのでわかりますが、鼻から目にかけての骨格や、皮膚のたるみ。目の輝きなどまるで生きているような存在感が漂います。
生き物ではなく彫刻作品であることは、至近距離に近寄るらないとわかりません。
彫刻の手触りが制作者の持つ観察眼と造形力を示しているようです。
入場料無料。
未来の芸術家の作品や、作者たち本人に出会える藝大祭は、アートファンにとって外すことができないイベントの一つでした。 来年も行こう。