オパールとオパルセント
魔性の光に魅せられて
七色のきらめきを放つ自然が作り出したオパールの原石。一方こちらはオパールの魅力に迫ろうと人間が作り出したガラス、
オパルセント。
19世紀末から20世紀にかけて活躍したフランスの装飾工芸家ルネ・ラリック。
20代でジュエリー作家として頭角を表します。
最も愛した宝石がオパールでした。
自然を愛したラリックのデザイン。
朝露に濡れた草花から落ちた雫のように、オパールが輝きます。
さらにラリックはオパールの輝きに似た生き物をモチーフにしました。
孔雀です。
その羽の模様がオパールのきらめきに移し替えられたのです。
ガラス工芸家に転身したらラリックはオパールのような輝きを持つ
オパルセントガラスの作品を数多く生み出しています。
この展覧会は箱根ラリック美術館で12月2日まで開かれています。
光によって七色に煌めくオパール。心を惑わすような魔性の輝きは、19世紀になると忌み嫌われたイメージをもたらしました。しかし、ラリックは、その妖しい光に魅せられ、オパールを使用した独創的なジュエリーを次々と発表し、新たな美の価値観を生み出しました。ガラス工芸家に転身してからも、オパールの色彩を追求。光による色の変化で、幻想的な雰囲気を醸し出す、オパルセントガラスに辿り着いたのでした。
本展では、ミステリアスな煌めきを放つラリック作品の数々とともに、貴重なオパールの原石も展示し、知られざるオパールの世界へと誘います。
会場:箱根ラリック美術館
会期:2018年4月28日~12月2日