アートシーン・
開館25周年記念
渡辺崋山の神髄
激動の幕末を生きた渡辺崋山。愛知県の南端にあった田原藩の家老で画家としても知られています。西洋画の表現を取り入れ独自の画風を完成した渡辺崋山。その真髄を探ります。
初期を代表する肖像画の下絵です。深く落ち窪んだ目。立体的に捉えながらモデルの人間性に迫っています。
写実を極めようと常にスケッチ帳を持ち歩いていたという崋山。
装飾的な波の表現とリアルにスケッチした魚を組み合わせています。
崋山は言論弾圧事件蛮社の獄で罰せられ、蟄居中に切腹します。その前日に完成させたと伝わる作品。
中国の青年が立身出世した夢を見ますが目覚めてみればかゆが炊けるまでの一瞬だったという故事を元にしています。
人生はそう、夢のように儚いもの。死を前にした崋山の気持ちが表されているようです。
愛知県の田原市博物館で10月21日まで
会場:田原市博物館
会期:2018年9月8日~10月21日