特別展
東西数寄者の審美眼
阪急・小林一三と東急・五島慶太のコレクション
東京世田谷区の五島美術館。
その奥まった場所にある茶室「松寿庵」。
昭和を代表する実業家たちがここで茶の湯を楽しみました。
茶の湯を好み、茶道具の収集にも名を残した人を数寄者と言います。
その代表的な実業家が小林一三と五島慶太です。小林は阪急。後藤は東急の総帥として腕を振るいました。
東西二人の数寄者の目にかなった名品を紹介します。
まずは小林が収集した茶碗から。名は家光公。
元は別々の器を「よびつぎ」と呼ばれる手法でつなぎ合わせて再生させました。金粉を蒔いて継ぎ目を装飾し、違和感なくたくみに継がれています。小林の機知に富むアイデアで名碗が生まれました。
次に五島のコレクションから。桃山時代の鼠志野茶碗。
鉄分の多い化粧土を使い、亀甲文と檜垣文をかけようとしています。世に十椀程度しかない鼠志野の中でも、最も作為に満ちた装飾で重要文化財に指定されています。
「五島慶太の方はどちらかと言うと名物主義的なところがあって、
世にある名物は全てを吸い上げるというようなまものすごい勢いで収集を続けていきました。
小林一三の方はですね
小堀遠州屋松平不昧の茶道具を集中して集めたりとか、
茶の湯に対する深い理解があった上で遊び心を見せるという特徴があるかなと思います」
仏教に造詣が深い五島が熱心に集めたのが古写経。数寄者の師である小林も驚くほどでした。
銀で書かれた装飾今日は江戸時代の火災によって焼け焦げた景色が新たな魅力となり、数寄者に好まれました。
五島が展覧会に出す古写経の目録を見て小林が送った書簡。
師と仰ぐ小林からの花を持たせる言葉は五島に数寄者としての自信をもたらしました。
この展覧会は12月9日まで開かれています。
会場:五島美術館
会期:2018年10月20日~12月9日
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