初期伊万里 ー大陸への憧憬ー展
白の美しさが映える朝鮮時代の白磁。
こちらが日本初の国産磁器伊万里焼。
佐賀県有田を中心に朝鮮の技術に奈良に作られました。
その後伊万里焼は焼き物の先進地中国の磁器を理想として作られていきます。日本の磁器の原点である初期伊万里の数々です。
「当時中国の磁器というのは最高級品でございまして、伊万里焼の需要層にも当たります上流階級層の憧れの品でございました。
ですので伊万里焼もそういった中国磁器への模倣ですとか憧れというのを表しているものになっております」。
ウサギ、短冊、雲がリズミカルに並ぶ遊び心のある皿。
それぞれの形に切った形を置き、絵の具を霧状に吹き付ける吹墨という技法が用いられています。こうした青い顔料を用いた器は古染付と呼ばれる中国色の技法をお手本に作られました。
古染付は当時日本の茶人にとって大変貴重なものでした。
伊万里焼の陶工が手がけた茶道具にも古染付からの影響が色濃く見られます。
胴部分の楼閣山水。図柄の細部まで模倣し古染付への強い憧れを伺わせます。
桃をかたどった水差し。胴部分いっぱいに描かれているのは松竹梅。めでたい席で使われたのでしょうか。
くるりと巻きつくヘタの部分。
こちらでは初期伊万里の陶工たちののびのびとした感性が感じられます。
初期伊万里は窯の焼成や釉薬の生成などがまだ安定していない時期でした。そのため生じた歪みや焼きムラなどから陶工一人一人の存在が見えるのも見どころの一つとなっています。
東京渋谷区の戸栗美術館で3月24日まで開かれています。
会場:戸栗美術館
会期:2019年1月8日~3月24日
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