北斎アニマルズ
猫一匹も描くこと能わず。八十歳を過ぎても猫一匹まともに描けないと嘆いた絵師がいました。
しかしその絵には生命感あふれる動物の姿が捉えられています。どんなに描いても満足することなく、生けるがごとき動物画を目指した絵師は葛飾北斎。
北斎が描いた生き物に焦点を当てた展覧会です。幅広いレパートリーで知られる北斎ですが、中でも動物は生涯を通して描き続けたモチーフです。
まるまると太った子犬たち。墨の線にほんのり色を付けただけですが、抱き上げた時の感触まで伝わってくるようです。
動物を生き生きと見せるため、北斎は工夫を凝らしました。こちらは貴重な肉質画。かぼちゃの花をめがけて飛んできたのはアブ。
輪郭線は描かず墨のぼかしを使うことで、高速で動く羽を表現しています。
日本や中国の孝行話を集めた絵本です。人に引かれる大きな牛。
少しゆがんだ丸い目。黒目を平たく描かれ笑っているかのようです。
「北斎の場合特徴的な目の描き方の絵があるんですけれども、写実的に実際の目を描いているわけではなくて、愛嬌のあるかわいらしく見えるような、
まさしく人間のような動物もいたりしますので、
ただ写すのだけではなくて動物として生きて動いていた絵として描いていたのではないかと思います」。
長い腕のこの動物は愛嬌たっぷりのテナガザル。
実はこの絵、コンパスと定規を使って作りました。この方法ならどんな動物も描けると教えています。
生きた動物から得た様々な表現が実在しない怪物を描く時にも生されます。これは平安貴族平井保昌が土蜘蛛を退治する場面。
体の模様や毛並みなど目の前で写し撮ったかのような迫力です。
東京のすみだ北斎美術館で4月7日まで。
会場:すみだ北斎美術館
会期:2019年2月5日~4月7日
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